女神の加護を持つ死神
初めての依頼 2
なんとか、正規の道にまで辿り着いた俺たち。
もちろん、何も使っていない。
途中でアルが魔法を使って探そうとしたり、エルが森の精霊に道を聞こうとしたり、ヘーニルがもう木を全て切ったら道が分かるだろうとか言い出したり、ロタンが元の姿に戻って空から見渡そうとしたり、ソラが自前の薬草を出しましょうとか言い出したりもしたが、全てしっかりと却下した。
というか、もう薬草持ってんだね、ソラさんは。
一体、俺たちは何でこんな事をしてるのか疑問に思っちゃうよ。
「初依頼だからですよ」
「あっ、ソウデスネ」
何、言ってんですか。みたいな目をソラは向けてくるけど、こうなったの貴方の所為なのですよ。
……なんてのは言えないな。
言ったら言ったで、何か言い返されそうだ。
「そう言えば、キラリお兄ちゃん」
「うん? なんだ、エル」
「薬草ってこんな森の深い所にあるんでしたっけ?」
………………。
俺は……というか、それを聞いた全員が「はっ」とした表情になった。
いや、ソラさんはいつも通りのクールな顔ですけれども。
そうだ。そうだったのだ。
依頼を行う前に受付嬢さんにも言われていた。
「薬草は森の浅瀬にありますから。間違っても深い方には行かないでくださいね。……まぁ、皆様方なら大丈夫そうですけど」
そんな事を言われたのだった。
明確に深い方には無いとは言ってはいないが、浅い所の方があるにはあるのだろう。
いやー。完全に忘れていたは。
あんなに受付嬢さんに言われていたのにね。
これも全て、俺のびょーー
「病気の所為にはするんじゃないのじゃぞ」
「……はい。俺の所為です」
「分かればいいのじゃ!」
と、いつになくご機嫌になってしまったアル。
最悪だ。
「……チッ」
「あっ、今舌打ちしたのじゃー! キラリが舌打ちしたのじゃー!!」
「もう、うっせーよ! 少しぐらい黙れや!」
「誰が黙れと言われて黙るのじゃー!」
こいつなー!
「もう、喧嘩はしないの〜!」
「そうだ。その時間が無駄だぞ。さっさと引き戻して薬草見つけて帰ろう」
「カカカ。ご飯 ♪ ご飯 ♪」
何故かもう帰ってご飯を食べる前提なロタンは置いておき、ヘーニルの言う通りだろう。
こんな、のじゃロリババアとの喧嘩など時間の無駄である。
どうせ、最後には俺が勝つって事ぐらいもう分かっているんだしな。
そんな事をしているぐらいであれば、早く引き戻して薬草を見つける方が大事だろう。
「じゃあ引き戻すか」
「……そうじゃな。幸い、今は正規の道じゃからな。迷うこともないじゃろう」
「それで迷った者の言葉とは思えないな」
「ははは。キラリお兄ちゃん、アルお姉ちゃん頑張るのですぅ〜!」
「頑張るのだな、ご主人様」
「そうですね。応援してますよ、キラリ様」
「はいはい。了解致しましたよ」
そんな会話をしながら、俺たちはこの場所から浅い所へと戻っていく。
正規の道という事だけある。
歩きやすく、日も良いぐらいに当たりともう最高である。
さっきまでの道は、歩きにくいわ、気が刺さるわ、虫がうじゃうじゃ出てくるわ、日が当たらないともう本当に最悪だった。
……まぁ、そんな事になったのは俺とアルの所為でもあるのだけれども。
そんな思いを持ちながら、俺たちは歩き続けた。
途中でちょっとした魔物に襲われたが……ソラが瞬殺で倒していた為、襲われたとは言い難いのだが。
そんなハプニングもありつつも引き戻しているうちに、あるひらけた場所へと出た。
そこは野原のような感じで、色んな花や草。きのことかまで生えていた。
「あっ、薬草あったのですぅ〜!」
そう言って、エルがその薬草が咲いている場所に駆け寄った。
受付嬢さんに見せられたサンプルと全く同じなので、間違えないだろう。
詳しい事を言えば、作りとか中に入っている魔素とかまで一緒だ。
「よく見つけたなぁー。ナイスだエル」
「えへへ。ありがとうなの〜!」
エルの頭をなでなでしてやる。
エルも嬉しそうだし、俺も嬉しいしとWinーWinである。
「あっ、あれは高ランク依頼であったやつなのじゃないのか!?」
「本当なのだ!! 凄い額であったやつだったのだぞ!」
「こっちには違う高ランク依頼のもあるぞ!?」
「本当ですね。あっ、こちらにもありますよ」
そんな感じで続々と、見つかってくる。
……何ここ。
薬草採取のもの全部集まってるんじゃねぇかってぐらい出てくるぞ。
あっ、俺も見つけた。
「今だけでどんだけ稼いでるんだろう」
「普通にこれだけで数ヶ月は暮らせるぐらいあると思うのじゃ」
「ここ凄い場所なの〜!」
「だな。高ランク依頼の薬草まであるしな」
「薬草採取の依頼を受けた者にとっての楽園なのだ」
「そうですね。本当に薬草採取の楽園・・・・・・・ですね」
帰ったら、結構脅かせそうなぐらいは今集めただろう。
総額で本当にいくらまでいくのやら。
……というか、最後のソラの言葉はどういう意味だろうか。
何故あんなに強調して言ったんだ?
「分からなければ、ここのエリアの名前を見てください」
「エリアの名前か?」
どういう意味かは分からんが、とりあえずソラに言われたので確認してみる。
一応、並行思考を使って鑑定と詳細地図マップを起動し、両方で確認をする。
結果だが、どちらも同じ結果だった。
いや、マジびっくり。
この結果見れば誰でもそうなるだろう。
皆も気になっている様なので、詳細地図をAR表示に変えて見せる。
「……本当に薬草採取の楽園だな」
「そうじゃな。マジで薬草採取の楽園じゃな」
「そうなのですぅ〜!」
「本当にそのまんまだがな」
「カカッ。少し笑える名前じゃな」
「ふふふ。だから、そう言ったじゃないですか。薬草採取の楽園だって」
ここまで来たら、誰でも分かるだろう。
ここのエリアの名前は……【薬草採取の楽園】という何ともそのまんまの名前だったのだ。
もちろん、何も使っていない。
途中でアルが魔法を使って探そうとしたり、エルが森の精霊に道を聞こうとしたり、ヘーニルがもう木を全て切ったら道が分かるだろうとか言い出したり、ロタンが元の姿に戻って空から見渡そうとしたり、ソラが自前の薬草を出しましょうとか言い出したりもしたが、全てしっかりと却下した。
というか、もう薬草持ってんだね、ソラさんは。
一体、俺たちは何でこんな事をしてるのか疑問に思っちゃうよ。
「初依頼だからですよ」
「あっ、ソウデスネ」
何、言ってんですか。みたいな目をソラは向けてくるけど、こうなったの貴方の所為なのですよ。
……なんてのは言えないな。
言ったら言ったで、何か言い返されそうだ。
「そう言えば、キラリお兄ちゃん」
「うん? なんだ、エル」
「薬草ってこんな森の深い所にあるんでしたっけ?」
………………。
俺は……というか、それを聞いた全員が「はっ」とした表情になった。
いや、ソラさんはいつも通りのクールな顔ですけれども。
そうだ。そうだったのだ。
依頼を行う前に受付嬢さんにも言われていた。
「薬草は森の浅瀬にありますから。間違っても深い方には行かないでくださいね。……まぁ、皆様方なら大丈夫そうですけど」
そんな事を言われたのだった。
明確に深い方には無いとは言ってはいないが、浅い所の方があるにはあるのだろう。
いやー。完全に忘れていたは。
あんなに受付嬢さんに言われていたのにね。
これも全て、俺のびょーー
「病気の所為にはするんじゃないのじゃぞ」
「……はい。俺の所為です」
「分かればいいのじゃ!」
と、いつになくご機嫌になってしまったアル。
最悪だ。
「……チッ」
「あっ、今舌打ちしたのじゃー! キラリが舌打ちしたのじゃー!!」
「もう、うっせーよ! 少しぐらい黙れや!」
「誰が黙れと言われて黙るのじゃー!」
こいつなー!
「もう、喧嘩はしないの〜!」
「そうだ。その時間が無駄だぞ。さっさと引き戻して薬草見つけて帰ろう」
「カカカ。ご飯 ♪ ご飯 ♪」
何故かもう帰ってご飯を食べる前提なロタンは置いておき、ヘーニルの言う通りだろう。
こんな、のじゃロリババアとの喧嘩など時間の無駄である。
どうせ、最後には俺が勝つって事ぐらいもう分かっているんだしな。
そんな事をしているぐらいであれば、早く引き戻して薬草を見つける方が大事だろう。
「じゃあ引き戻すか」
「……そうじゃな。幸い、今は正規の道じゃからな。迷うこともないじゃろう」
「それで迷った者の言葉とは思えないな」
「ははは。キラリお兄ちゃん、アルお姉ちゃん頑張るのですぅ〜!」
「頑張るのだな、ご主人様」
「そうですね。応援してますよ、キラリ様」
「はいはい。了解致しましたよ」
そんな会話をしながら、俺たちはこの場所から浅い所へと戻っていく。
正規の道という事だけある。
歩きやすく、日も良いぐらいに当たりともう最高である。
さっきまでの道は、歩きにくいわ、気が刺さるわ、虫がうじゃうじゃ出てくるわ、日が当たらないともう本当に最悪だった。
……まぁ、そんな事になったのは俺とアルの所為でもあるのだけれども。
そんな思いを持ちながら、俺たちは歩き続けた。
途中でちょっとした魔物に襲われたが……ソラが瞬殺で倒していた為、襲われたとは言い難いのだが。
そんなハプニングもありつつも引き戻しているうちに、あるひらけた場所へと出た。
そこは野原のような感じで、色んな花や草。きのことかまで生えていた。
「あっ、薬草あったのですぅ〜!」
そう言って、エルがその薬草が咲いている場所に駆け寄った。
受付嬢さんに見せられたサンプルと全く同じなので、間違えないだろう。
詳しい事を言えば、作りとか中に入っている魔素とかまで一緒だ。
「よく見つけたなぁー。ナイスだエル」
「えへへ。ありがとうなの〜!」
エルの頭をなでなでしてやる。
エルも嬉しそうだし、俺も嬉しいしとWinーWinである。
「あっ、あれは高ランク依頼であったやつなのじゃないのか!?」
「本当なのだ!! 凄い額であったやつだったのだぞ!」
「こっちには違う高ランク依頼のもあるぞ!?」
「本当ですね。あっ、こちらにもありますよ」
そんな感じで続々と、見つかってくる。
……何ここ。
薬草採取のもの全部集まってるんじゃねぇかってぐらい出てくるぞ。
あっ、俺も見つけた。
「今だけでどんだけ稼いでるんだろう」
「普通にこれだけで数ヶ月は暮らせるぐらいあると思うのじゃ」
「ここ凄い場所なの〜!」
「だな。高ランク依頼の薬草まであるしな」
「薬草採取の依頼を受けた者にとっての楽園なのだ」
「そうですね。本当に薬草採取の楽園・・・・・・・ですね」
帰ったら、結構脅かせそうなぐらいは今集めただろう。
総額で本当にいくらまでいくのやら。
……というか、最後のソラの言葉はどういう意味だろうか。
何故あんなに強調して言ったんだ?
「分からなければ、ここのエリアの名前を見てください」
「エリアの名前か?」
どういう意味かは分からんが、とりあえずソラに言われたので確認してみる。
一応、並行思考を使って鑑定と詳細地図マップを起動し、両方で確認をする。
結果だが、どちらも同じ結果だった。
いや、マジびっくり。
この結果見れば誰でもそうなるだろう。
皆も気になっている様なので、詳細地図をAR表示に変えて見せる。
「……本当に薬草採取の楽園だな」
「そうじゃな。マジで薬草採取の楽園じゃな」
「そうなのですぅ〜!」
「本当にそのまんまだがな」
「カカッ。少し笑える名前じゃな」
「ふふふ。だから、そう言ったじゃないですか。薬草採取の楽園だって」
ここまで来たら、誰でも分かるだろう。
ここのエリアの名前は……【薬草採取の楽園】という何ともそのまんまの名前だったのだ。
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