女神の加護を持つ死神
魔石の国に到着
こってりとソラに怒られた後、俺はリビングでエルとゴロゴロしていた。
エルがしたいと言った事を一緒にやって、楽しみまっくった。
今は疲れたのか、俺がソファーに座った時にその上にちょこんとと乗って座っていた。
嬉しいのだが、それと同時にちょっとムズムズした。
下ネタ的などではなく、鼻がだ。
エルの長くて綺麗な茶色の髪が鼻に当たり、くしゃみが出そうだが出ないくてと……本当にムズムズする。
エルは気付いてくれたのか少し前にずれてくれた。
こいうちょっとした優しさが可愛いよな。
「キラリお兄ちゃん、今ってどこに向かっているなのですか?」
「ああ、そういえばエルには言ってなかったね。今俺たちはヒスイっていう国を目指してるんだ。この馬車でだから掛かっても後一日ってところかな」
「ありがとうなのです! ヒスイなら知っているの〜。あそこは魔石の国と呼ばれているのですぅ〜!」
「うん。そこに俺達は魔石を売りに行くんだ。ほら、この魔石を」
俺は無限収納から魔石を取り出した。
取り出された魔石に光が当たり、緑からエメラルドグリーンへと変わった。
その魔石がエルはとても気になるようで、エルの手に乗せた挙げるとそれをまじまじと見ていた。
それからエルは見惚れたり、観察したりと本当に食いついていた。
「欲しいのなら、向こうに着いたら流石に同じのは無理だから似ているのだけど買ってやるよ」
「いいえ、そんなの悪いのです〜。なのでーー」
「大丈夫。遠慮するなって。俺はお兄ちゃんなんだからエルが欲しいのがあったら遠慮しなくて良いんだぞ」
「なら、魔石は要らないので、お姉ちゃん達の様な防具をくださいの〜っ!」
「おう! 防具なら俺が作ってやるよ。希望が纏まったら俺に言ってくれ」
「キラリお兄ちゃんが作ってくれるのですか?」
「ああ、俺の職業は錬成術師って言って、物を作る職業なんだ」
「そうなのですか! ならキラリお兄ちゃんに頼むのです!」
エルにだったら何でも似合うと思う。
本当にこれは心の底から思っていた。
なので、エルの希望通りに作る。
それが一番似合うと思うからだ。
俺はエルが少し落ちそうなので、もう少し深く座らせてやった。
エルはそれが嬉しかったのか、恥ずかしそうに少し顔を赤らめ「......ありがとう」と言ってくれた。
こいうギャップ的なのもまたいい。
こんなのんびりした感じで俺たちは、ヒスイに着くまでの時間を楽しんだ。
◇◆◇◆◇◆
「着いたのじゃ〜!」
「ついたのです〜!」
「お二人は元気ですねー」
「予定よりも早く着いたのだな主人」
「まぁな。天候が良くなったおかげで馬車が進み易かった様だからな」
そんな呑気な事を俺たちは呟きながら、ヒスイから少し離れた所で俺たちは馬車から降りた。
離れた所で降りた理由は、馬車を無限収納に入れる所を見られたくないからだ。
見られたらパニックが起こると思ったからでもある。
なのでここからは歩いて行く事にした。
らん♪ らん♪ ら〜♪
そんな効果音がなるかの様に、アルとエルはスキップで向かっていた。
それを追いかける様に、俺とヘーニルとソラは歩いていた。
「……偶にはいいよなぁ、こいうの。ピクニック気分になれる」
「そうだな。こんな晴れ晴れとした日は気持ちが良くてそいうテンションに自然となるな」
「ですね。流石にアル様とエル様の様にまでは行きませんが」
「「それは無理だな」」
最後はディスっている様な感じの雑談をしながら、のんびりと歩いた。
見えてきたのは、進◯の◯人の如く高い高い壁で覆われている国だった。
これ全てが魔石だと思うと、ほぇ〜という言葉以上の感想が出て来ない。
しっかりと凄いとは思っても、本当に凄いと思った時は、これぐらいの言葉しか出て来ないのだよ。
入る入り口らしき場所が見えたのでそこへ向かって歩き出した。
横に木造でできた小屋が見えるので、予想だがあれは門番の場所とかなのだろう。
更に進み、俺たちはその小屋までやって来た。
小屋は遠くからは見えなかったが、反対側にもあった。
俺たちがそこを眺めていると、片側の小屋から武装をした男が出てきた。
「入国検査をするから止まってくれ。それとそっちの男以外は向こうの小屋に。そこに女性の門番がいると思うから、そいつに検査してもらってくれ」
男はそう言い、アル達はそれに従い向こうの小屋へと歩いて行った。
男は俺に「取り敢えずこの小屋に入ってくれ」と言い、小屋の中に入ろうとしていたので、俺はそれに付いて行き、小屋の中へと入った。
「まあ、初めに名前、それと来た理由を言ってくれ。貴族ならどこの者かも」
「横井キラリだ。貴族ではない。来たのは魔石を売るためだ」
俺は男が聞いてきたのを忠実に応えた。
そもそもここで問題を起こそうなんて考えてないから、当たり前だと思うが。
「最後にわりーが、念のためステータスプレートを見せてくれ。ギルドカードでも良いぞ。偽名じゃないかの確認と犯罪をしていないかの確認のためだから」
えっ!? ステータスプレートって何?
「ステータスプレートは持っていない」
「持ってない? そんな奴は聞いたことねーぞ。生まれた時にある筈だからな」
男が呆れた様に言った。
俺は困惑しながら、なんとか説明しようとしたのだが伝わらなかった。
どうしようかと悩んでいると、ドアが開いた。
「すまないのじゃ。キラリが持っていないのは訳がある」
入って来たのはアルだ。
その後ろにぞろぞろといるが。
「キラリ、この前渡したバッチを見せるのじゃ」
「ああ、あれか…………あった。これだよな」
アルに言われて俺が取り出したのは、黒く染められた背景に小さく満遍なく星が描かれたバッチだった。
これは、何でも神のクラスを表すもので神のクラスの色によってバッチの背景も違うらしい。
そのクラスを表すのを俺が持っているのは、アルにもらったからだ。
初めの村に着いた時、祭りが終わり宿に行く前にもらったのだ。
「神の方でしたか……先程の無礼をお許しください。それと神の方ならばそのバッジがステータスプレートの代わりとなるので、入国審査は終了です。もうこの国に入られて構いません」
「そうか。なら行こうか」
神の持つバッジとステータスプレートが一緒だとは。
俺からするとステータスプレートの方がバッジなんかよりも100倍価値があるんだけどなぁー。
まぁ、その辺は価値観の問題ってやつだろう。
……今度バッジにステータスが見れる様な機能付けてやろうかな。
なんか楽しそうだし。アルに見せれば驚きそうだ。
そんな俺の元にソラが近付いて来た。
「初めにギルドに行かれますか?」
「……いや、まずは宿だな。先にとっておいた方が良いだろうし。それに後々だったら面倒くなりなりそうだしな」
「そうですか。であれば、この国だとラリアの亭という名の宿が良いと思います。少し値段はしますが、三食付き、風呂付き、それに安全性、いわばセキュリティがしっかりとしているので良い宿だと思います」
この世界でセキュリティがしっかりとしているのは、珍しいだろう。
それに宿で部屋に風呂付きというのはとても嬉しい。
日本人としては風呂は毎日入りたいからな。
「そこが良いのじゃ!」
「そこがいいのです!」
元気っ子二人はそこがいいそうだ。
ヘーニルは「そこでいい」と言った。
俺はみんなが行きたいというなら拒否ることはしない。
「じゃあ、そこに泊まろうか。ソラ、案内頼む」
「かしこまりました」
ソラが俺の横に来た。
ソラが「そこを右です」とか「左です」と言い、カーナビ的な感じ案内してもらい、俺たちはそれについて行った。
「ここですね」
「これか……案外でかいな」
ソラに案外され着いた場所は、レンガで造られた高級感溢れる大きな建物だった。
入り口に付いている屋根には大きな『ラリアの亭』と描かれた鉄のプレートがあった。
「わーい! 行くのじゃエル!」
「分かったなのです!」
そう言って元気っ子二人は走り出し、宿の中にへと入って行った。
俺たちもその後を追う様に中へと入って行った。
中は綺麗に清掃されており、高級感溢れていた。
受付をするために、それらしき場所に行った。
そこには、受付と書かれたプレートが置いてあった。
「ようこそ、当店にお来し下さいました」
「今、泊まれる部屋はありますか?」
「はい。お客様の人数分の個人部屋は空いておりますよ。それにスイートルームも」
「じゃあ、スイートルームで」
「かしこまりました。スイートルームは一泊で金貨一枚になりますがよろしいでしょうか? 」
ソラの言う通り値段は結構するらしい。
一泊、日本円であれば十万円。
部屋は嘸かしいい部屋なのだろう。
「ああ。ここは後から宿泊日数を変えられるのか?」
「はい、お金を払って頂けるのであれば構いません」
「じゃあ、とりあえずは一週間で」
「かしこまりました。部屋の鍵はこちらとなっております。部屋は最上階ですので。お食事は一階にある食堂へと来ていただけたら、料理員が作りますので」
「ありがとう」
部屋の鍵を受け取り、俺たちは部屋へと移動した。
だって、まずはどんな部屋か気になるから見に行くだろう。
ーー部屋を見て俺は、いやみんな絶句した。
まず、最上階まで行く階段だが最上階には厳重な警備がされており、鍵を持っていなかったら確実に入れない。
と言ってもおれの魔法ならばこれぐらいの鍵は開けれるんだがな。
それでもここの世界の人ならば、開ける事は出来ないだろう。
本当にセキュリティが凄いようだ。
まあ、これで終わるわけではない。
セキュリティでの驚きは終わるのだが、これでこの部屋への驚きは終わる訳ではない。
部屋はスイートルームというだけあって、最上階全てが部屋なようだ。
それに屋上も自由に出入り出来る。
部屋は寝室だけでも七部屋あり、キッチンが二つ、リビングっぽいものが何部屋かあり、風呂が二つもあった。
因みに寝室のベッドはとてもふかふかだった。
他にも、遊び部屋やジムの様に筋トレグッズが置いてある部屋などもあった。
「これは豪華すぎるなぁ。これで金貨一枚とか信じれなくなってきたぞ」
「そうだな。これなら大金貨ぐらいの値段をとってもいいと思うのだ」
「だよなぁ」
俺はヘーニルとリビングでゆっくりと茶を飲んでいた。
この茶はソラが入れてくれた。
普段飲まない俺でも美味しいと思った。
「ふっか、ふっかなのじゃ〜!」
「身体が浮くのです〜!」
元気っ子二人はベッドの上で飛び跳ねている。
それも、これでもう十分はやり始めて経っているのに。
全く飽きる様子は無い。
ソラはというと、俺の隣でゆっくりと茶を飲んでいる。
その姿はとても美しく、そして自然だった。
流れる様な動きで茶を飲んでいて、俺では真似が出来ない程に優雅でもあった。
そんな感じで俺たちは旅の疲れをこの部屋で癒した。
エルがしたいと言った事を一緒にやって、楽しみまっくった。
今は疲れたのか、俺がソファーに座った時にその上にちょこんとと乗って座っていた。
嬉しいのだが、それと同時にちょっとムズムズした。
下ネタ的などではなく、鼻がだ。
エルの長くて綺麗な茶色の髪が鼻に当たり、くしゃみが出そうだが出ないくてと……本当にムズムズする。
エルは気付いてくれたのか少し前にずれてくれた。
こいうちょっとした優しさが可愛いよな。
「キラリお兄ちゃん、今ってどこに向かっているなのですか?」
「ああ、そういえばエルには言ってなかったね。今俺たちはヒスイっていう国を目指してるんだ。この馬車でだから掛かっても後一日ってところかな」
「ありがとうなのです! ヒスイなら知っているの〜。あそこは魔石の国と呼ばれているのですぅ〜!」
「うん。そこに俺達は魔石を売りに行くんだ。ほら、この魔石を」
俺は無限収納から魔石を取り出した。
取り出された魔石に光が当たり、緑からエメラルドグリーンへと変わった。
その魔石がエルはとても気になるようで、エルの手に乗せた挙げるとそれをまじまじと見ていた。
それからエルは見惚れたり、観察したりと本当に食いついていた。
「欲しいのなら、向こうに着いたら流石に同じのは無理だから似ているのだけど買ってやるよ」
「いいえ、そんなの悪いのです〜。なのでーー」
「大丈夫。遠慮するなって。俺はお兄ちゃんなんだからエルが欲しいのがあったら遠慮しなくて良いんだぞ」
「なら、魔石は要らないので、お姉ちゃん達の様な防具をくださいの〜っ!」
「おう! 防具なら俺が作ってやるよ。希望が纏まったら俺に言ってくれ」
「キラリお兄ちゃんが作ってくれるのですか?」
「ああ、俺の職業は錬成術師って言って、物を作る職業なんだ」
「そうなのですか! ならキラリお兄ちゃんに頼むのです!」
エルにだったら何でも似合うと思う。
本当にこれは心の底から思っていた。
なので、エルの希望通りに作る。
それが一番似合うと思うからだ。
俺はエルが少し落ちそうなので、もう少し深く座らせてやった。
エルはそれが嬉しかったのか、恥ずかしそうに少し顔を赤らめ「......ありがとう」と言ってくれた。
こいうギャップ的なのもまたいい。
こんなのんびりした感じで俺たちは、ヒスイに着くまでの時間を楽しんだ。
◇◆◇◆◇◆
「着いたのじゃ〜!」
「ついたのです〜!」
「お二人は元気ですねー」
「予定よりも早く着いたのだな主人」
「まぁな。天候が良くなったおかげで馬車が進み易かった様だからな」
そんな呑気な事を俺たちは呟きながら、ヒスイから少し離れた所で俺たちは馬車から降りた。
離れた所で降りた理由は、馬車を無限収納に入れる所を見られたくないからだ。
見られたらパニックが起こると思ったからでもある。
なのでここからは歩いて行く事にした。
らん♪ らん♪ ら〜♪
そんな効果音がなるかの様に、アルとエルはスキップで向かっていた。
それを追いかける様に、俺とヘーニルとソラは歩いていた。
「……偶にはいいよなぁ、こいうの。ピクニック気分になれる」
「そうだな。こんな晴れ晴れとした日は気持ちが良くてそいうテンションに自然となるな」
「ですね。流石にアル様とエル様の様にまでは行きませんが」
「「それは無理だな」」
最後はディスっている様な感じの雑談をしながら、のんびりと歩いた。
見えてきたのは、進◯の◯人の如く高い高い壁で覆われている国だった。
これ全てが魔石だと思うと、ほぇ〜という言葉以上の感想が出て来ない。
しっかりと凄いとは思っても、本当に凄いと思った時は、これぐらいの言葉しか出て来ないのだよ。
入る入り口らしき場所が見えたのでそこへ向かって歩き出した。
横に木造でできた小屋が見えるので、予想だがあれは門番の場所とかなのだろう。
更に進み、俺たちはその小屋までやって来た。
小屋は遠くからは見えなかったが、反対側にもあった。
俺たちがそこを眺めていると、片側の小屋から武装をした男が出てきた。
「入国検査をするから止まってくれ。それとそっちの男以外は向こうの小屋に。そこに女性の門番がいると思うから、そいつに検査してもらってくれ」
男はそう言い、アル達はそれに従い向こうの小屋へと歩いて行った。
男は俺に「取り敢えずこの小屋に入ってくれ」と言い、小屋の中に入ろうとしていたので、俺はそれに付いて行き、小屋の中へと入った。
「まあ、初めに名前、それと来た理由を言ってくれ。貴族ならどこの者かも」
「横井キラリだ。貴族ではない。来たのは魔石を売るためだ」
俺は男が聞いてきたのを忠実に応えた。
そもそもここで問題を起こそうなんて考えてないから、当たり前だと思うが。
「最後にわりーが、念のためステータスプレートを見せてくれ。ギルドカードでも良いぞ。偽名じゃないかの確認と犯罪をしていないかの確認のためだから」
えっ!? ステータスプレートって何?
「ステータスプレートは持っていない」
「持ってない? そんな奴は聞いたことねーぞ。生まれた時にある筈だからな」
男が呆れた様に言った。
俺は困惑しながら、なんとか説明しようとしたのだが伝わらなかった。
どうしようかと悩んでいると、ドアが開いた。
「すまないのじゃ。キラリが持っていないのは訳がある」
入って来たのはアルだ。
その後ろにぞろぞろといるが。
「キラリ、この前渡したバッチを見せるのじゃ」
「ああ、あれか…………あった。これだよな」
アルに言われて俺が取り出したのは、黒く染められた背景に小さく満遍なく星が描かれたバッチだった。
これは、何でも神のクラスを表すもので神のクラスの色によってバッチの背景も違うらしい。
そのクラスを表すのを俺が持っているのは、アルにもらったからだ。
初めの村に着いた時、祭りが終わり宿に行く前にもらったのだ。
「神の方でしたか……先程の無礼をお許しください。それと神の方ならばそのバッジがステータスプレートの代わりとなるので、入国審査は終了です。もうこの国に入られて構いません」
「そうか。なら行こうか」
神の持つバッジとステータスプレートが一緒だとは。
俺からするとステータスプレートの方がバッジなんかよりも100倍価値があるんだけどなぁー。
まぁ、その辺は価値観の問題ってやつだろう。
……今度バッジにステータスが見れる様な機能付けてやろうかな。
なんか楽しそうだし。アルに見せれば驚きそうだ。
そんな俺の元にソラが近付いて来た。
「初めにギルドに行かれますか?」
「……いや、まずは宿だな。先にとっておいた方が良いだろうし。それに後々だったら面倒くなりなりそうだしな」
「そうですか。であれば、この国だとラリアの亭という名の宿が良いと思います。少し値段はしますが、三食付き、風呂付き、それに安全性、いわばセキュリティがしっかりとしているので良い宿だと思います」
この世界でセキュリティがしっかりとしているのは、珍しいだろう。
それに宿で部屋に風呂付きというのはとても嬉しい。
日本人としては風呂は毎日入りたいからな。
「そこが良いのじゃ!」
「そこがいいのです!」
元気っ子二人はそこがいいそうだ。
ヘーニルは「そこでいい」と言った。
俺はみんなが行きたいというなら拒否ることはしない。
「じゃあ、そこに泊まろうか。ソラ、案内頼む」
「かしこまりました」
ソラが俺の横に来た。
ソラが「そこを右です」とか「左です」と言い、カーナビ的な感じ案内してもらい、俺たちはそれについて行った。
「ここですね」
「これか……案外でかいな」
ソラに案外され着いた場所は、レンガで造られた高級感溢れる大きな建物だった。
入り口に付いている屋根には大きな『ラリアの亭』と描かれた鉄のプレートがあった。
「わーい! 行くのじゃエル!」
「分かったなのです!」
そう言って元気っ子二人は走り出し、宿の中にへと入って行った。
俺たちもその後を追う様に中へと入って行った。
中は綺麗に清掃されており、高級感溢れていた。
受付をするために、それらしき場所に行った。
そこには、受付と書かれたプレートが置いてあった。
「ようこそ、当店にお来し下さいました」
「今、泊まれる部屋はありますか?」
「はい。お客様の人数分の個人部屋は空いておりますよ。それにスイートルームも」
「じゃあ、スイートルームで」
「かしこまりました。スイートルームは一泊で金貨一枚になりますがよろしいでしょうか? 」
ソラの言う通り値段は結構するらしい。
一泊、日本円であれば十万円。
部屋は嘸かしいい部屋なのだろう。
「ああ。ここは後から宿泊日数を変えられるのか?」
「はい、お金を払って頂けるのであれば構いません」
「じゃあ、とりあえずは一週間で」
「かしこまりました。部屋の鍵はこちらとなっております。部屋は最上階ですので。お食事は一階にある食堂へと来ていただけたら、料理員が作りますので」
「ありがとう」
部屋の鍵を受け取り、俺たちは部屋へと移動した。
だって、まずはどんな部屋か気になるから見に行くだろう。
ーー部屋を見て俺は、いやみんな絶句した。
まず、最上階まで行く階段だが最上階には厳重な警備がされており、鍵を持っていなかったら確実に入れない。
と言ってもおれの魔法ならばこれぐらいの鍵は開けれるんだがな。
それでもここの世界の人ならば、開ける事は出来ないだろう。
本当にセキュリティが凄いようだ。
まあ、これで終わるわけではない。
セキュリティでの驚きは終わるのだが、これでこの部屋への驚きは終わる訳ではない。
部屋はスイートルームというだけあって、最上階全てが部屋なようだ。
それに屋上も自由に出入り出来る。
部屋は寝室だけでも七部屋あり、キッチンが二つ、リビングっぽいものが何部屋かあり、風呂が二つもあった。
因みに寝室のベッドはとてもふかふかだった。
他にも、遊び部屋やジムの様に筋トレグッズが置いてある部屋などもあった。
「これは豪華すぎるなぁ。これで金貨一枚とか信じれなくなってきたぞ」
「そうだな。これなら大金貨ぐらいの値段をとってもいいと思うのだ」
「だよなぁ」
俺はヘーニルとリビングでゆっくりと茶を飲んでいた。
この茶はソラが入れてくれた。
普段飲まない俺でも美味しいと思った。
「ふっか、ふっかなのじゃ〜!」
「身体が浮くのです〜!」
元気っ子二人はベッドの上で飛び跳ねている。
それも、これでもう十分はやり始めて経っているのに。
全く飽きる様子は無い。
ソラはというと、俺の隣でゆっくりと茶を飲んでいる。
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