女神の加護を持つ死神
村では歓迎のお祭り
あの後、俺らはソラの説明を聞きながら行ったのだが、意外と時間が掛かった。
それは、この森の名前からわかる様に、魔物が出る森だったからだ。
それも、ゴブリンが異常に出てくるという。
初めの内は、ゴブリン共を銃でちまちま撃ちながら進んでいたのだが、次第に、面倒くさくなって倒すのをやめた。
しかし、ゴブリンが攻撃してきても、俺は無傷で勿論アルやヘーニルも無傷だった。
これには訳があり、俺はアルからさっき教えてもらうまでーー見るまで、持っていなかったスキルだが、そのスキルのお陰で傷を負う事なく、ましてや相手が倒れるという感じで、到着するまで、無傷だった。
そのスキルは、こんなのだ。
スキル============
ダメージ軽減攻撃 レベル1
ランク ???
相手に攻撃された時、そのダメージから100000を引く。100000よりも低かった場合、一以上余った数が相手にあれば、その数分のダメージを相手に与える。
レベルが上がる毎に引けるダメージが増える。
付与可能。
===============
凄いだろー、このアルとヘーニルが使っていたスキル。
相手が攻撃してきたのを十万以下だったら、無効にして十万の内、一以上でも余った数があれば、相手にそのダメージを与える。
これがあれば、ここら辺のゴブリンはHPが40ちょっとで攻撃力が52なので、相手が攻撃してきたら、相手が死ぬ。
というか、やはりあの試練での魔物とは違い過ぎるようだ。
あそこの魔物くっそ強かったからな。それと比べると、ここのは大したこともない。
まぁ、最弱種の中の一つでもあるゴブリンと言うこともあるのだろうが。
なので、俺らから攻撃をしなくても、歩いていて出逢えば、勝手に死んでいくから俺たちは攻撃する事をやめ、少し時間が掛かったが目的地の村まで辿り着いた。
余談だが、ここに来るまでに地道に経験値が溜まっていき、今はレベルが3まで、上がって、こんな感じのスキルになった。
スキル============
ダメージ軽減攻撃 レベル3
ランク ???
相手に攻撃された時、そのダメージから10000000を引く。10000000よりも低かった場合、10000000ダメージを相手に与える。
レベルが上がる毎に引けるダメージ、与えるダメージが増える。
付与可能。
===============
少し変わって、しかも、さっきよりも良いスキルになった。
さっきは余った分を引くのだったけれども、それが、千万よりも低かったら千万ダメージを与えるという、ある意味、無敵のスキルとなった。
そして、このスキルが、他のレベル付きスキルと一緒ならば、これは、レベル10まである筈だ。
今までの感じならば、レベルが1上がるごとに一桁増えているので、十までなった時は、予想では、百兆まで耐えられる。
これは、俺の通常攻撃ならば、普通に耐えられる程の数だ。
アルだったら、もしかしたら通常攻撃でもこの百兆でも超えるかもしれないが。
まぁ、アルで行けるかもしれないのレベルなので、この世界の普通の人達が超えられる訳がない。
スキルを使えばいける人も……もしかしたら、いや、魔王や魔神ならばスキルを使えばいけるのだろうか。
俺でも《身体強化》とかのスキルを使えば、余裕で超えるんだからなぁ。
「……誰かに説明をする様なその口調で喋るのは、もうそろそろ良いじゃろ。さっさとこの隠れてる木から出て、村に入ろうなのじゃ。ここに立ち続けるのは、もう、疲れたのじゃ……」
「そうだな。こんなところになんで、三十分も立ち続けなければいけないのだ。さっさとアルの言う通り村に入ろう。主人」
アルとヘーニルの言いぶんも理解は出来る。
しかし、急にこの森から出てきて村に入ったら、絶対に驚かれたり、敵対されたりするだろう。
俺でも、家の近くに知らない人がいたら、取り敢えず怪しむからなぁ、そいつの事。
これと一緒だろ、だから、怪しまれずに行くための策を考えるしかないだろ。
「お前らなぁ。急に森から出て、村に入ったら怪しまれるに決まってるだろ。だから、今は策を考えてるんだろ」
「その言いぶんは分かるんじゃが……さっきまでの時間は策を考えていたわけじゃないんじゃろ」
「ーーッ! そいう訳では、ないんだけど……」
「いや、それは言い訳にしかならんぞ」
「うっ!? ……すみませんでした。……けど、今は真剣に考えてるぞ。でな、思いついた策だが、俺がーー」
俺は、正直に、さっきは考えていなかった事を言った。
しかし、本当に今は考えている。
その証拠に、と思い、俺が考えついた策を言おうとすると、アルが間に言葉を挟んできたので、俺は話を中断させるしかなかった。
俺の話を中断させるとはそれぐらいの話なんだろうなぁ!
「いや、策なんていらんぞ。ここの村の先祖とは知り合いじゃったから、多分、森から出て行っても大丈夫だぞ」
「そうなのか。けど、それ結構前なんだろ。未だその先祖が生きてるわけじゃないんだし」
「まぁ、生きてる訳ではないんじゃが、今では言い伝えとなる言葉を残していってくれたからな。〝ここには、神が降りて来る。神が降りて来た時は、歓迎の祭りを行え〟というのを残して死んで逝ったから、大丈夫じゃろ」
「それなら……良いか、別に」
その言い伝えが未だあればの話なんだがな。
俺的には……これは、後々フラグになるなぁ、止めとおこうか。
ある筈だ!
「じゃあ、出るか。……けど、認識阻害か気配遮断使っておけよ。初めの指名地に選んでいた場所から出て来た方が良いだろうし」
「それはそうじゃな。私が知ってる言い伝えでは、指名地に選んでいた場所から降りてくる、というのじゃからな」
「そうだったのか。なら、さっさと行くぞ、主人、アル。もう我は疲れた。歩きたくないのだ」
「そいえば、さっきからそんな事を言ってたなぁ。じゃあ、行くぞ!」
俺のケーレス・ローブの認識阻害をONにしてくれ、ソラ。
『はい。分かりました。ーーONにしました。今は、近くに人がいないので、念のためを考えるなら今が行くチャンスだと』
そうか、なら、行くのは今が良いか。
念のため、気配遮断も使っとくか……これで、準備バッチリだな。
「よし、行くぞ。ーーソラ、場所の案内頼む」
『かしこまりました。そのまま、真っ直ぐ行ってください』
『……そこを右です。そこを左に』
ここ、家の作りが中世ヨーロッパの家の作りに似てるなぁ。
それに、村と言っていた割には、広いなぁ。
さっきから、店みたいなのがあったり、家があったりと、やっぱ村にしては盛んだな、ここ。
「なんか、盛んな割には、人がいないなぁ。ここ、人口少ないのか?」
「いや、人口は多いぞ。けれども、人に会わないのは、ソラのお陰じゃろ。わざと人が少ないところの道を案内しているんじゃと思うぞ」
「そうなのか?」
『はい。しかし、余計でしたか? そうなのであれば、直ぐに止めるのですが』
「そんな事はないぞ。むしろ、感謝してるし」
『そんな。私に感謝なんて』
「いや、感謝する相当の事をしてくれてるんだから。そんなに畏るなって」
『キラリ様にそう言われれば……以後、気をつけます』
「ーーああ。そうしてくれ」
「……おーい、もうそろそろ良いか。もう、家の前まで来ているんだぞ……」
「そうじゃよ。どんなけ言っても気付かないとは……はぁ……」
「すまなかったって。それより、着いたんなら入ろうか」
「私達は、キラリを待ってたんじゃが。まぁ、そんな事は許しておいてやるのじゃ」
俺は、すまなかった、という気持ちを持ちながら、指名地だった、家を見ようと顔を上げた。
そこで、見えた家は……
神社だった。
「何でだよ!?」
思わず、そうツッコミをしていた。
ある意味、神が作った魔法陣が置かれているといえば、普通の家では無く、神社とかだろう。
何故か、俺は普通の家の中に魔法陣がおいてあると思っていた。
一体何でこんな事を思ったんだろう。
『人が近付いて来ました。早く中に!』
「分かった。……急げ」
「おうなのじゃ」
「はい」
ヘーニルが部屋に入った瞬間、俺は、持っていたドアを勢いよく閉めた。
ガタンッ、そう音が神社の中に響いた。
「ギリギリセーフって感じだなぁ」
「そうじゃな。……それよりも、ここからどいうタイミングで出るかじゃな」
「それなら、ここの村長が通った時で良いんじゃないのか。我の予想では、その人は少なくとも言い伝えをしってるだろうし」
「それもそうだなぁ。……ソラ、今、ここの村長はどこにいる?」
ヘーニルが、良い案を出した。
偶には、こいつも良い事を言うんだなぁ。
まぁ、こいつの案で今回は行こうか。
『はい。村長は今、日課の掃除をするために、この建物に向かって、真正面から向かって来ます。ーー建物まで、五十メートル、四十メートル、三十メートル、二十メートル。今出るべきです』
「オッケー。なら行くぞ」
俺は、持っていたドアをゆっくりと開け、出る前に覇気を使い神の気を纏った。
これで神と言えるだろう。
「お、お前達はーーっ!? 何で、神社に入ってるんだ!」
「それはなぁ〜……神だから」
……恥ずかしいぃぃ。
何かっこつけて「神だから」なんて言ってんだ!
マジはじぃ。
『ぷぷぷ』
『笑うなや! あとで覚えてろよ!』
そんな感じで念話をしていたため、村長から見れば何も喋らずにいがみ合っている様にしか見えていない。
そのせいで顔が少し引きつっている。
……やってしまった。
「な、何を言ってるんだ。お前達からは神の気が一切感じらーー感じる!?」
あっ、この村長さん馬鹿だったよう。
自分から話しをそらしてくれたぞ。
「それも途轍もない強さの気を君たちから……もしかして、本当に」
やっぱり、俺達の事を信じられないか。
って、あれ、そもそもこいつ俺、アル、ヘーニルの気を何で感じられるんだ。
まぁ、信じてもらえたから良しとするか。
「お主。ここには言い伝えがあると思って、来たのじゃがーー」
「おお、本当に神でしたか。……もしかして、その黒い服、クラスゼロの方々ですか!?」
「ああ、そうじゃな。私もキラリもヘーニルもクラスはゼロじゃ」
「それは……。先程は無礼な行いをお許しください。まさか、クラスゼロの神がここを使うとは思って無かったもので」
この会話の中に分からない言葉が出てきた。
俺は、その言葉をソラに調べて貰った。
クラスゼロとは、神にあるクラスの分類分けらしい。
下から順に、『セブン シックス ファイブ フォー スリー トゥー ワン ゼロ』となっているらしい。
英語の数字にすれば大抵かっこいい説だな。
これはどこの世界でも共通の様だった。
普通は、大抵の神がワンで終わるらのだが、アル、ヘーニルが使えるような自然エネルギーモードを使える特別な奴がクラスゼロになるとの事だ。
そして、クラスには色分けがあり、セブンは黄色、シックスは白、ファイブは青、フォーはオレンジ、スリーは緑、トゥーは水色、ワンは赤、ゼロは黒というのが決まっている。
これは、見る事は出来ないが何となく、その人からその色のオーラが見えるらしい。
それが、神のクラス分けとの事だ。
「ああ、それはじゃな、昔、ここの村を作った、ルシエがおったじゃろ。そいつといつかはここに来るという約束をしておったからじゃな。折角だし、ここを降りるのに使おうと思ってじゃな」
「約束……あの言い伝えを作った先祖様がした……もしかして、天之尾羽張神様!?」
「そうじゃな。けど、私は今は天之尾羽張神ではなくアルだ。そういえば、自己紹介まだじゃったな。こっちの男がキラリじゃ。……一言でいって変わりもんじゃな。まぁ、強いんじゃがな。多分、もうそろそろ私を越すだろうしなぁ。っで、こっちの女性が今は、キラリの従者のヘーニルじゃ。邪神と言えば分かるかの?」
「天之尾羽張神ーーアル様を越す方に、邪神!?」
なんか、俺の説明が少し、オーバー過ぎな気もしないでも無いが、そこは特に気にしなくても良いだろう。
それに、ここの村長にはそれで、伝わってそうだし。
村長さんも少しオーバー過ぎるが……。
「すみません。少し、我を取り乱してしまいました。お許しください」
「いいよ。そんな事」
「いえ、キラリ様が良かったと言われど、本当ならば、ここまでの無礼は死刑を間逃れないぐらいの事をしてしまいました。……もし、許されないのなら、私を殺してください」
面倒くさい、ここの世界の人〜。
もしかして、行く先行く先でこんな事が起きるのか?
『私の想像からの予想ですが、神、それもクラスゼロと言えば、毎回こんな事が起こるでしょう』
嫌だなぁ、それは。
これからは、余り明かさないことにしようか。
「殺しはしませんよ。だから顔を上げてください」
「ありがとうございます。……あの、貴重なお時間を頂く事になるのですが、歓迎のお祭りを村でさせてもらってもよろしいですか」
「ありがとうございます。今はまだ、次の目的を立てて無いので、そのお誘いをお受けさせて頂きます」
「はい。今すぐ準備に取り掛かりますーー」
村長はこの言葉を言い残して颯爽と走り出してしまった。
なんか、村長が叫んでる声が、奥の方から聞こえてくる。
これぐらいの事は、何となく何を言っているのか分かるので、スキルを使う必要は無いだろう
「ーーご準備出来ました。それでは、私について来てください」
五分ぐらい経つと、村長が走り出して来て、俺の前で止まり、そう言った。
俺は、コクッ、と顔を縦に振った。
村長は、それを見ると、颯爽と前を向きなおし、進んでいった。
俺、アル、ヘーニルはその村長の後ろをついっていった。
俺が、少し思った事を話そうと思い、言うと、ヘーニルが振り返って話してきた。
『このパターンってさ、宴の最後に、何かを頼まれるやつじゃない?』
『そうだな。例えば……私達の村は今、危機に陥っており食材が余りなく、しょぼい感じの祭りとなってしまいました。もしよろしければ……手を貸して頂け無いでしょうか……とかありそうだな』
『何で、そんなマジでありそうな事を言うんだよ! そいうのはフラグって言うんだよ』
『……まさかな。そんな事はある分け無い』
「ーー事なので……もしよろしければ、私達の村を救ってくれないでしょうか」
ほら、きたよ!
俺が思った通りに助けを求めてきただろう。
しかも、殆ど無い食材を使って、お祭りまでしてもらったので、断るに断れない状況なんだよなぁ。
そして、こいうのを断らなさそうな奴が俺のパーティーにいるんだよなぁ。
「分かったのじゃ。私達に出来る事があるなら、手伝うのじゃ」
「本当ですか!?」
「ーーッ! ああ、もうっ、しかたねーな。アルがやるてんだったら手伝うよ。何すれば良いんだ?」
「本当に……ありがとうございます! キラリ様やアル様、ヘーニル様には、こんな事をーー」
俺達は、畑などを荒らす、害獣駆除ならぬ、魔物駆除をして欲しいとの事だ。
それは、俺達が着いた森にいるゴブリンだ。
最初は村の人達で、やってのけたそうだが、直ぐに発生リポップし、倒しても倒しても湧くように出てくるそうなので、俺達はそれを駆除をするのが目的らしい。
あと、出来ればで良いそうなのだが、何故発生リポップしたのかの原因を調べて欲しいらしい。
まぁ、これは、また湧いた時の為なんだろう。
「それは今から行って来た方が良いのか?」
「いえ。今日はここに泊まっていってください。そのあとの次の日に行ってくださったらよろしいです」
「泊まって良いのじゃ?」
「はい。それに、今日来られたと思うので泊まる場所も無いでしょう。ですから、今日はここに泊まっていってください」
「お言葉に甘えて」
俺が思うのは、この会話には少し嫌な事が含まれてる。
ここの村長の言葉だが「今日はここに泊まっていってください」と言ったのがあった。
今日は、だぞ。
イコール、明後日は泊まらさないから、明日には終わらせという事なんだろう。
これには、少しとさっきは言ったが結構、嫌な事が含まれている。
「じゃあ、明日中に終わらせます」
「明日中にですか......本当に何を言って良いのか」
「そんなの要らないのじゃ。それよりも、今日は充分ご飯を食べさせてもらったので、明日の為にも早く寝たいんじゃが」
「そうですよね。今、宿のお部屋を用意させて頂きます」
アルは上手く、誘導操作にはまったな、すっかりと、明日に終わらそうと思っている。
俺もご飯を食べて、少し眠いからーーまぁ、寝なくても実質的には良いんだが、それでも、日本の生活がまだ馴染んでるから、寝てしまうんだよなぁ。
それならば、今の内の早い時間から寝て何の問題も無くした方が良いよな。
しかたね、俺も部屋にいって今日は休もうか。
「今日は俺も早めに休むか」
「おお、なら一緒に寝ようなのじゃ」
「無理。もし一部屋だけなら良いかもししれないが、どうせ三部屋分あるだろう」
「はい。三部屋分とりましたが、その……一部屋の方が良かったですか?」
若干聞きずらい感じで聞いてくる。
俺らがそういう関係に見えるのだろうか。
……不思議だなぁ。
「いや、それで良い」
「分かりました」と言われ、案内された、宿は意外に外観が小綺麗だった。
「この部屋の鍵は、これです」そう言い、村長は鍵を俺に渡すと、颯爽とまた消えていった。
俺達はそれを見送ると、宿の中に入っていった。
宿は、ロビーの様な場所が初めに目に入った。
そして、受付? のカウンターだろう、そこには、綺麗な、女性が立っていた。
「いらっしゃいませ。キラリ様、アル様、ヘーニル様。村長からお話は聞いております。この宿の説明をさせていただきますね」
それは、この森の名前からわかる様に、魔物が出る森だったからだ。
それも、ゴブリンが異常に出てくるという。
初めの内は、ゴブリン共を銃でちまちま撃ちながら進んでいたのだが、次第に、面倒くさくなって倒すのをやめた。
しかし、ゴブリンが攻撃してきても、俺は無傷で勿論アルやヘーニルも無傷だった。
これには訳があり、俺はアルからさっき教えてもらうまでーー見るまで、持っていなかったスキルだが、そのスキルのお陰で傷を負う事なく、ましてや相手が倒れるという感じで、到着するまで、無傷だった。
そのスキルは、こんなのだ。
スキル============
ダメージ軽減攻撃 レベル1
ランク ???
相手に攻撃された時、そのダメージから100000を引く。100000よりも低かった場合、一以上余った数が相手にあれば、その数分のダメージを相手に与える。
レベルが上がる毎に引けるダメージが増える。
付与可能。
===============
凄いだろー、このアルとヘーニルが使っていたスキル。
相手が攻撃してきたのを十万以下だったら、無効にして十万の内、一以上でも余った数があれば、相手にそのダメージを与える。
これがあれば、ここら辺のゴブリンはHPが40ちょっとで攻撃力が52なので、相手が攻撃してきたら、相手が死ぬ。
というか、やはりあの試練での魔物とは違い過ぎるようだ。
あそこの魔物くっそ強かったからな。それと比べると、ここのは大したこともない。
まぁ、最弱種の中の一つでもあるゴブリンと言うこともあるのだろうが。
なので、俺らから攻撃をしなくても、歩いていて出逢えば、勝手に死んでいくから俺たちは攻撃する事をやめ、少し時間が掛かったが目的地の村まで辿り着いた。
余談だが、ここに来るまでに地道に経験値が溜まっていき、今はレベルが3まで、上がって、こんな感じのスキルになった。
スキル============
ダメージ軽減攻撃 レベル3
ランク ???
相手に攻撃された時、そのダメージから10000000を引く。10000000よりも低かった場合、10000000ダメージを相手に与える。
レベルが上がる毎に引けるダメージ、与えるダメージが増える。
付与可能。
===============
少し変わって、しかも、さっきよりも良いスキルになった。
さっきは余った分を引くのだったけれども、それが、千万よりも低かったら千万ダメージを与えるという、ある意味、無敵のスキルとなった。
そして、このスキルが、他のレベル付きスキルと一緒ならば、これは、レベル10まである筈だ。
今までの感じならば、レベルが1上がるごとに一桁増えているので、十までなった時は、予想では、百兆まで耐えられる。
これは、俺の通常攻撃ならば、普通に耐えられる程の数だ。
アルだったら、もしかしたら通常攻撃でもこの百兆でも超えるかもしれないが。
まぁ、アルで行けるかもしれないのレベルなので、この世界の普通の人達が超えられる訳がない。
スキルを使えばいける人も……もしかしたら、いや、魔王や魔神ならばスキルを使えばいけるのだろうか。
俺でも《身体強化》とかのスキルを使えば、余裕で超えるんだからなぁ。
「……誰かに説明をする様なその口調で喋るのは、もうそろそろ良いじゃろ。さっさとこの隠れてる木から出て、村に入ろうなのじゃ。ここに立ち続けるのは、もう、疲れたのじゃ……」
「そうだな。こんなところになんで、三十分も立ち続けなければいけないのだ。さっさとアルの言う通り村に入ろう。主人」
アルとヘーニルの言いぶんも理解は出来る。
しかし、急にこの森から出てきて村に入ったら、絶対に驚かれたり、敵対されたりするだろう。
俺でも、家の近くに知らない人がいたら、取り敢えず怪しむからなぁ、そいつの事。
これと一緒だろ、だから、怪しまれずに行くための策を考えるしかないだろ。
「お前らなぁ。急に森から出て、村に入ったら怪しまれるに決まってるだろ。だから、今は策を考えてるんだろ」
「その言いぶんは分かるんじゃが……さっきまでの時間は策を考えていたわけじゃないんじゃろ」
「ーーッ! そいう訳では、ないんだけど……」
「いや、それは言い訳にしかならんぞ」
「うっ!? ……すみませんでした。……けど、今は真剣に考えてるぞ。でな、思いついた策だが、俺がーー」
俺は、正直に、さっきは考えていなかった事を言った。
しかし、本当に今は考えている。
その証拠に、と思い、俺が考えついた策を言おうとすると、アルが間に言葉を挟んできたので、俺は話を中断させるしかなかった。
俺の話を中断させるとはそれぐらいの話なんだろうなぁ!
「いや、策なんていらんぞ。ここの村の先祖とは知り合いじゃったから、多分、森から出て行っても大丈夫だぞ」
「そうなのか。けど、それ結構前なんだろ。未だその先祖が生きてるわけじゃないんだし」
「まぁ、生きてる訳ではないんじゃが、今では言い伝えとなる言葉を残していってくれたからな。〝ここには、神が降りて来る。神が降りて来た時は、歓迎の祭りを行え〟というのを残して死んで逝ったから、大丈夫じゃろ」
「それなら……良いか、別に」
その言い伝えが未だあればの話なんだがな。
俺的には……これは、後々フラグになるなぁ、止めとおこうか。
ある筈だ!
「じゃあ、出るか。……けど、認識阻害か気配遮断使っておけよ。初めの指名地に選んでいた場所から出て来た方が良いだろうし」
「それはそうじゃな。私が知ってる言い伝えでは、指名地に選んでいた場所から降りてくる、というのじゃからな」
「そうだったのか。なら、さっさと行くぞ、主人、アル。もう我は疲れた。歩きたくないのだ」
「そいえば、さっきからそんな事を言ってたなぁ。じゃあ、行くぞ!」
俺のケーレス・ローブの認識阻害をONにしてくれ、ソラ。
『はい。分かりました。ーーONにしました。今は、近くに人がいないので、念のためを考えるなら今が行くチャンスだと』
そうか、なら、行くのは今が良いか。
念のため、気配遮断も使っとくか……これで、準備バッチリだな。
「よし、行くぞ。ーーソラ、場所の案内頼む」
『かしこまりました。そのまま、真っ直ぐ行ってください』
『……そこを右です。そこを左に』
ここ、家の作りが中世ヨーロッパの家の作りに似てるなぁ。
それに、村と言っていた割には、広いなぁ。
さっきから、店みたいなのがあったり、家があったりと、やっぱ村にしては盛んだな、ここ。
「なんか、盛んな割には、人がいないなぁ。ここ、人口少ないのか?」
「いや、人口は多いぞ。けれども、人に会わないのは、ソラのお陰じゃろ。わざと人が少ないところの道を案内しているんじゃと思うぞ」
「そうなのか?」
『はい。しかし、余計でしたか? そうなのであれば、直ぐに止めるのですが』
「そんな事はないぞ。むしろ、感謝してるし」
『そんな。私に感謝なんて』
「いや、感謝する相当の事をしてくれてるんだから。そんなに畏るなって」
『キラリ様にそう言われれば……以後、気をつけます』
「ーーああ。そうしてくれ」
「……おーい、もうそろそろ良いか。もう、家の前まで来ているんだぞ……」
「そうじゃよ。どんなけ言っても気付かないとは……はぁ……」
「すまなかったって。それより、着いたんなら入ろうか」
「私達は、キラリを待ってたんじゃが。まぁ、そんな事は許しておいてやるのじゃ」
俺は、すまなかった、という気持ちを持ちながら、指名地だった、家を見ようと顔を上げた。
そこで、見えた家は……
神社だった。
「何でだよ!?」
思わず、そうツッコミをしていた。
ある意味、神が作った魔法陣が置かれているといえば、普通の家では無く、神社とかだろう。
何故か、俺は普通の家の中に魔法陣がおいてあると思っていた。
一体何でこんな事を思ったんだろう。
『人が近付いて来ました。早く中に!』
「分かった。……急げ」
「おうなのじゃ」
「はい」
ヘーニルが部屋に入った瞬間、俺は、持っていたドアを勢いよく閉めた。
ガタンッ、そう音が神社の中に響いた。
「ギリギリセーフって感じだなぁ」
「そうじゃな。……それよりも、ここからどいうタイミングで出るかじゃな」
「それなら、ここの村長が通った時で良いんじゃないのか。我の予想では、その人は少なくとも言い伝えをしってるだろうし」
「それもそうだなぁ。……ソラ、今、ここの村長はどこにいる?」
ヘーニルが、良い案を出した。
偶には、こいつも良い事を言うんだなぁ。
まぁ、こいつの案で今回は行こうか。
『はい。村長は今、日課の掃除をするために、この建物に向かって、真正面から向かって来ます。ーー建物まで、五十メートル、四十メートル、三十メートル、二十メートル。今出るべきです』
「オッケー。なら行くぞ」
俺は、持っていたドアをゆっくりと開け、出る前に覇気を使い神の気を纏った。
これで神と言えるだろう。
「お、お前達はーーっ!? 何で、神社に入ってるんだ!」
「それはなぁ〜……神だから」
……恥ずかしいぃぃ。
何かっこつけて「神だから」なんて言ってんだ!
マジはじぃ。
『ぷぷぷ』
『笑うなや! あとで覚えてろよ!』
そんな感じで念話をしていたため、村長から見れば何も喋らずにいがみ合っている様にしか見えていない。
そのせいで顔が少し引きつっている。
……やってしまった。
「な、何を言ってるんだ。お前達からは神の気が一切感じらーー感じる!?」
あっ、この村長さん馬鹿だったよう。
自分から話しをそらしてくれたぞ。
「それも途轍もない強さの気を君たちから……もしかして、本当に」
やっぱり、俺達の事を信じられないか。
って、あれ、そもそもこいつ俺、アル、ヘーニルの気を何で感じられるんだ。
まぁ、信じてもらえたから良しとするか。
「お主。ここには言い伝えがあると思って、来たのじゃがーー」
「おお、本当に神でしたか。……もしかして、その黒い服、クラスゼロの方々ですか!?」
「ああ、そうじゃな。私もキラリもヘーニルもクラスはゼロじゃ」
「それは……。先程は無礼な行いをお許しください。まさか、クラスゼロの神がここを使うとは思って無かったもので」
この会話の中に分からない言葉が出てきた。
俺は、その言葉をソラに調べて貰った。
クラスゼロとは、神にあるクラスの分類分けらしい。
下から順に、『セブン シックス ファイブ フォー スリー トゥー ワン ゼロ』となっているらしい。
英語の数字にすれば大抵かっこいい説だな。
これはどこの世界でも共通の様だった。
普通は、大抵の神がワンで終わるらのだが、アル、ヘーニルが使えるような自然エネルギーモードを使える特別な奴がクラスゼロになるとの事だ。
そして、クラスには色分けがあり、セブンは黄色、シックスは白、ファイブは青、フォーはオレンジ、スリーは緑、トゥーは水色、ワンは赤、ゼロは黒というのが決まっている。
これは、見る事は出来ないが何となく、その人からその色のオーラが見えるらしい。
それが、神のクラス分けとの事だ。
「ああ、それはじゃな、昔、ここの村を作った、ルシエがおったじゃろ。そいつといつかはここに来るという約束をしておったからじゃな。折角だし、ここを降りるのに使おうと思ってじゃな」
「約束……あの言い伝えを作った先祖様がした……もしかして、天之尾羽張神様!?」
「そうじゃな。けど、私は今は天之尾羽張神ではなくアルだ。そういえば、自己紹介まだじゃったな。こっちの男がキラリじゃ。……一言でいって変わりもんじゃな。まぁ、強いんじゃがな。多分、もうそろそろ私を越すだろうしなぁ。っで、こっちの女性が今は、キラリの従者のヘーニルじゃ。邪神と言えば分かるかの?」
「天之尾羽張神ーーアル様を越す方に、邪神!?」
なんか、俺の説明が少し、オーバー過ぎな気もしないでも無いが、そこは特に気にしなくても良いだろう。
それに、ここの村長にはそれで、伝わってそうだし。
村長さんも少しオーバー過ぎるが……。
「すみません。少し、我を取り乱してしまいました。お許しください」
「いいよ。そんな事」
「いえ、キラリ様が良かったと言われど、本当ならば、ここまでの無礼は死刑を間逃れないぐらいの事をしてしまいました。……もし、許されないのなら、私を殺してください」
面倒くさい、ここの世界の人〜。
もしかして、行く先行く先でこんな事が起きるのか?
『私の想像からの予想ですが、神、それもクラスゼロと言えば、毎回こんな事が起こるでしょう』
嫌だなぁ、それは。
これからは、余り明かさないことにしようか。
「殺しはしませんよ。だから顔を上げてください」
「ありがとうございます。……あの、貴重なお時間を頂く事になるのですが、歓迎のお祭りを村でさせてもらってもよろしいですか」
「ありがとうございます。今はまだ、次の目的を立てて無いので、そのお誘いをお受けさせて頂きます」
「はい。今すぐ準備に取り掛かりますーー」
村長はこの言葉を言い残して颯爽と走り出してしまった。
なんか、村長が叫んでる声が、奥の方から聞こえてくる。
これぐらいの事は、何となく何を言っているのか分かるので、スキルを使う必要は無いだろう
「ーーご準備出来ました。それでは、私について来てください」
五分ぐらい経つと、村長が走り出して来て、俺の前で止まり、そう言った。
俺は、コクッ、と顔を縦に振った。
村長は、それを見ると、颯爽と前を向きなおし、進んでいった。
俺、アル、ヘーニルはその村長の後ろをついっていった。
俺が、少し思った事を話そうと思い、言うと、ヘーニルが振り返って話してきた。
『このパターンってさ、宴の最後に、何かを頼まれるやつじゃない?』
『そうだな。例えば……私達の村は今、危機に陥っており食材が余りなく、しょぼい感じの祭りとなってしまいました。もしよろしければ……手を貸して頂け無いでしょうか……とかありそうだな』
『何で、そんなマジでありそうな事を言うんだよ! そいうのはフラグって言うんだよ』
『……まさかな。そんな事はある分け無い』
「ーー事なので……もしよろしければ、私達の村を救ってくれないでしょうか」
ほら、きたよ!
俺が思った通りに助けを求めてきただろう。
しかも、殆ど無い食材を使って、お祭りまでしてもらったので、断るに断れない状況なんだよなぁ。
そして、こいうのを断らなさそうな奴が俺のパーティーにいるんだよなぁ。
「分かったのじゃ。私達に出来る事があるなら、手伝うのじゃ」
「本当ですか!?」
「ーーッ! ああ、もうっ、しかたねーな。アルがやるてんだったら手伝うよ。何すれば良いんだ?」
「本当に……ありがとうございます! キラリ様やアル様、ヘーニル様には、こんな事をーー」
俺達は、畑などを荒らす、害獣駆除ならぬ、魔物駆除をして欲しいとの事だ。
それは、俺達が着いた森にいるゴブリンだ。
最初は村の人達で、やってのけたそうだが、直ぐに発生リポップし、倒しても倒しても湧くように出てくるそうなので、俺達はそれを駆除をするのが目的らしい。
あと、出来ればで良いそうなのだが、何故発生リポップしたのかの原因を調べて欲しいらしい。
まぁ、これは、また湧いた時の為なんだろう。
「それは今から行って来た方が良いのか?」
「いえ。今日はここに泊まっていってください。そのあとの次の日に行ってくださったらよろしいです」
「泊まって良いのじゃ?」
「はい。それに、今日来られたと思うので泊まる場所も無いでしょう。ですから、今日はここに泊まっていってください」
「お言葉に甘えて」
俺が思うのは、この会話には少し嫌な事が含まれてる。
ここの村長の言葉だが「今日はここに泊まっていってください」と言ったのがあった。
今日は、だぞ。
イコール、明後日は泊まらさないから、明日には終わらせという事なんだろう。
これには、少しとさっきは言ったが結構、嫌な事が含まれている。
「じゃあ、明日中に終わらせます」
「明日中にですか......本当に何を言って良いのか」
「そんなの要らないのじゃ。それよりも、今日は充分ご飯を食べさせてもらったので、明日の為にも早く寝たいんじゃが」
「そうですよね。今、宿のお部屋を用意させて頂きます」
アルは上手く、誘導操作にはまったな、すっかりと、明日に終わらそうと思っている。
俺もご飯を食べて、少し眠いからーーまぁ、寝なくても実質的には良いんだが、それでも、日本の生活がまだ馴染んでるから、寝てしまうんだよなぁ。
それならば、今の内の早い時間から寝て何の問題も無くした方が良いよな。
しかたね、俺も部屋にいって今日は休もうか。
「今日は俺も早めに休むか」
「おお、なら一緒に寝ようなのじゃ」
「無理。もし一部屋だけなら良いかもししれないが、どうせ三部屋分あるだろう」
「はい。三部屋分とりましたが、その……一部屋の方が良かったですか?」
若干聞きずらい感じで聞いてくる。
俺らがそういう関係に見えるのだろうか。
……不思議だなぁ。
「いや、それで良い」
「分かりました」と言われ、案内された、宿は意外に外観が小綺麗だった。
「この部屋の鍵は、これです」そう言い、村長は鍵を俺に渡すと、颯爽とまた消えていった。
俺達はそれを見送ると、宿の中に入っていった。
宿は、ロビーの様な場所が初めに目に入った。
そして、受付? のカウンターだろう、そこには、綺麗な、女性が立っていた。
「いらっしゃいませ。キラリ様、アル様、ヘーニル様。村長からお話は聞いております。この宿の説明をさせていただきますね」
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