TSカリスマライフ! ―カリスマスキルを貰ったので、新しい私は好きに生きることにする。―
千佳ちゃん(メイド)と、お祖母ちゃん。
門からお屋敷まで車で一分のリーネルト邸。
そのお屋敷の玄関である大広間には道を作るようにズラリとメイドさんが並んでいました。
私たちはその最前線でお祖母ちゃんが入ってくるのを待っています。
「なぁ千佳」
「何? クリス」
「メイド服のままでいいのか?」
「……わ、忘れてた!?」
急いでメイド服に着替えた部屋へ行こうとしましたが既に時遅し。
その大きな扉は執事さんによって開けられ、そういえば今日見かけなかったベアトちゃんが押す車椅子に乗った白髪のご婦人が入って来ました。
あれが私たちのお祖母ちゃんでしょうか?
「お祖母様! おかえりなさいませ!」
「お祖母様、おかえりねん!」
「お祖母様、おかえり!」
「あらあら皆、ただいま」
皺だらけの顔でニッコリと笑うお祖母ちゃんはとても人が良さそうで、目元なんかはお父さんに似ています。
私はメグちゃんの手を取って、お祖母ちゃんの元へと進みました。
「お祖母ちゃん、初めまして」
「あら、新しいメイドさん? 可愛らしいわねぇ」
「あ、いや、そうじゃなくて」
「でもメイドになったなら言葉遣いはちゃんとしなきゃ駄目よ?」
「いや、だから」
完全に新人メイドだと思われてる!
どうにか誤解を解こうとしているのですが、お祖母ちゃんはあらあらと言いながら聞いてくれません。
アワアワしていると見かねたメグちゃんが前に出てくれました。
「お祖母ちゃん初めまして! 私は諸弓恵です! こっちはお姉ちゃんです!」
「あら、貴女がユリウスの娘の恵さんね。初めまして。こちらはメイドさんじゃ無かったの?」
「ややこしくてごめんなさい、お祖母ちゃんの孫の諸弓千佳です」
「あら、あらあら! 貴女が千佳さんね! 会いたかったわ」
お祖母ちゃんは私とメグちゃんを抱き締めて、ポンポンと背中を叩きました。
「二人ともよく来たわね。日本とは勝手が違うから大変かもしれないけど、ゆっくりしていってね」
「はい。えっと、お祖母ちゃん」
「ありがとうお祖母ちゃん!」
私たちのお礼にうふふと笑って答えるお祖母ちゃん。
でもねお祖母ちゃん、日本とは勝手が違う所かもう階級が違うんだよ。
普通の人は何十部屋もある豪邸には住んでないよ!
「それじゃあ千佳さん、恵さん。今日の晩餐は一緒に食べましょうね?」
「あっ! お祖母様ずるいのねん!」
「お祖母様! 今日はわたくしがお嬢様と一緒に食事をする予定ですわ!」
「あらあら? 皆はずっと千佳さんと恵さんと一緒にいたのでしょう? 今日は譲って下さいな」
お祖母ちゃんとヒルデちゃんたちの睨み合いが始まりました。
とは言ってもそこまで深刻なものでは無かったのですが、私たちの後ろに現れたメイド長によって深刻な空気になりました。
「――お嬢様方、お勉強の時間ですか?」
「「「!?」」」
こうして恐怖のメイド長であるペトラさんに連れ去られて行った三人の孫でしたが、また変顔を撮られたくないので見て見ぬ振りをしました。
さらば友よ、変顔楽しみにしてるぞ。
「それでは千佳さん、恵さん、私は一度部屋に戻りますね」
「はい。分かりました」
「あらあら、千佳さん。私は貴女のお祖母ちゃんなのですから、もっとフレンドリーに接して下さいな」
「あ、そうだよね。分かったよ、お祖母ちゃん」
そう言うと、お祖母ちゃんはニッコリと笑ってくれました。
他人行儀じゃ駄目だよね、家族だもん。
「お祖母ちゃん! また後でお部屋に遊びに行ってもいい?」
「えぇ。楽しみにしてるわね、恵さん」
「ありがとー!」
執事さんからお祖母ちゃんは一度休むと聞いているので遊びに行くのは夕食後にしましょう。
お祖母ちゃんに撫でてもらって嬉しそうなメグちゃんと一緒に、暇潰しを探しに行きます。
ドイツを教えてくれる人はもう犠牲になってしまったからね……。
そんな感じで私たちのお祖母ちゃん、ドイツの貴族であるリーネルト家のご当主でもあるエミーリア・フォン・リーネルトさんはとっても優しいお祖母ちゃんでした。
……とりあえずこのメイド服を早く着替えよう!!
そのお屋敷の玄関である大広間には道を作るようにズラリとメイドさんが並んでいました。
私たちはその最前線でお祖母ちゃんが入ってくるのを待っています。
「なぁ千佳」
「何? クリス」
「メイド服のままでいいのか?」
「……わ、忘れてた!?」
急いでメイド服に着替えた部屋へ行こうとしましたが既に時遅し。
その大きな扉は執事さんによって開けられ、そういえば今日見かけなかったベアトちゃんが押す車椅子に乗った白髪のご婦人が入って来ました。
あれが私たちのお祖母ちゃんでしょうか?
「お祖母様! おかえりなさいませ!」
「お祖母様、おかえりねん!」
「お祖母様、おかえり!」
「あらあら皆、ただいま」
皺だらけの顔でニッコリと笑うお祖母ちゃんはとても人が良さそうで、目元なんかはお父さんに似ています。
私はメグちゃんの手を取って、お祖母ちゃんの元へと進みました。
「お祖母ちゃん、初めまして」
「あら、新しいメイドさん? 可愛らしいわねぇ」
「あ、いや、そうじゃなくて」
「でもメイドになったなら言葉遣いはちゃんとしなきゃ駄目よ?」
「いや、だから」
完全に新人メイドだと思われてる!
どうにか誤解を解こうとしているのですが、お祖母ちゃんはあらあらと言いながら聞いてくれません。
アワアワしていると見かねたメグちゃんが前に出てくれました。
「お祖母ちゃん初めまして! 私は諸弓恵です! こっちはお姉ちゃんです!」
「あら、貴女がユリウスの娘の恵さんね。初めまして。こちらはメイドさんじゃ無かったの?」
「ややこしくてごめんなさい、お祖母ちゃんの孫の諸弓千佳です」
「あら、あらあら! 貴女が千佳さんね! 会いたかったわ」
お祖母ちゃんは私とメグちゃんを抱き締めて、ポンポンと背中を叩きました。
「二人ともよく来たわね。日本とは勝手が違うから大変かもしれないけど、ゆっくりしていってね」
「はい。えっと、お祖母ちゃん」
「ありがとうお祖母ちゃん!」
私たちのお礼にうふふと笑って答えるお祖母ちゃん。
でもねお祖母ちゃん、日本とは勝手が違う所かもう階級が違うんだよ。
普通の人は何十部屋もある豪邸には住んでないよ!
「それじゃあ千佳さん、恵さん。今日の晩餐は一緒に食べましょうね?」
「あっ! お祖母様ずるいのねん!」
「お祖母様! 今日はわたくしがお嬢様と一緒に食事をする予定ですわ!」
「あらあら? 皆はずっと千佳さんと恵さんと一緒にいたのでしょう? 今日は譲って下さいな」
お祖母ちゃんとヒルデちゃんたちの睨み合いが始まりました。
とは言ってもそこまで深刻なものでは無かったのですが、私たちの後ろに現れたメイド長によって深刻な空気になりました。
「――お嬢様方、お勉強の時間ですか?」
「「「!?」」」
こうして恐怖のメイド長であるペトラさんに連れ去られて行った三人の孫でしたが、また変顔を撮られたくないので見て見ぬ振りをしました。
さらば友よ、変顔楽しみにしてるぞ。
「それでは千佳さん、恵さん、私は一度部屋に戻りますね」
「はい。分かりました」
「あらあら、千佳さん。私は貴女のお祖母ちゃんなのですから、もっとフレンドリーに接して下さいな」
「あ、そうだよね。分かったよ、お祖母ちゃん」
そう言うと、お祖母ちゃんはニッコリと笑ってくれました。
他人行儀じゃ駄目だよね、家族だもん。
「お祖母ちゃん! また後でお部屋に遊びに行ってもいい?」
「えぇ。楽しみにしてるわね、恵さん」
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執事さんからお祖母ちゃんは一度休むと聞いているので遊びに行くのは夕食後にしましょう。
お祖母ちゃんに撫でてもらって嬉しそうなメグちゃんと一緒に、暇潰しを探しに行きます。
ドイツを教えてくれる人はもう犠牲になってしまったからね……。
そんな感じで私たちのお祖母ちゃん、ドイツの貴族であるリーネルト家のご当主でもあるエミーリア・フォン・リーネルトさんはとっても優しいお祖母ちゃんでした。
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