TSカリスマライフ! ―カリスマスキルを貰ったので、新しい私は好きに生きることにする。―
ベアトちゃん、人妻です。
「あら千佳ちゃん。こんにちは」
「誰!? ベアトちゃん、キャラ変わってるよ!?」
「あっ」
「あっ、じゃないよ!?」
「……べ、別に忘れてなんか無いのだわ」
お説教を一抜けした私はクリスとシャロルを置いてお屋敷見学を再開しました。
とは言っても道は全く分からないので、適当に廊下を歩いていた所ベアトちゃんとダンディな叔父さんに出会ったのです。
「やぁ千佳くん。ベアトが迷惑を掛けているね」
「こんにちは、ミハエルさん」
ダンディな叔父さんの名前はミハエル・フォン・リーネルトさん。
ベアトちゃんの夫さんで、ヒルデちゃんのお父さんです。
「あなたったら、私が千佳ちゃんに迷惑なんて〜。……だわ」
「うん、忘れかけてたよね今。ヒルデちゃんもベアトちゃんも迷惑じゃないけど……騒がしい、かな?」
「はっはっは。二人共悪気があっての事じゃないから許してあげてくれ。ベアト、仕事の時と同じようには出来ないのかい?」
「し、仕事の時は別だから。だわ。あんなに冷たい私は千佳ちゃんに見られたくないの。だわ」
「そこまで後付けだったら付けなくてもいいと思うよ……? そういえばベアトちゃんってどんな仕事をしてるの?」
「それはね、おっと」
私に話してくれようとしたミハエルさんの口を、ベアトちゃんが必死に抑えようとします。
しかしのらりくらりと躱されて、ミハエルさんはベアトちゃんを抱き締めるように抱え込みました。
「きゃっ! ち、千佳ちゃんの前でそんな……」
「人妻もそれはそれで……」
私も新しい扉が……。
「どうかしたかい? 千佳くん」
「あ、いえ。それでベアトちゃんのお仕事って?」
ミハエルさんは普通に心配してくれたみたいなので、邪な考えをかなぐり捨てました。
はい! 千佳ちゃんは何も考えていませんよ!
人妻もいいななんて思ってませんから!
「そうかい? 疲れているのなら休んでもいいんだよ?」
「いえいえ! それでお仕事は?」
「こんなのからは想像も出来ないと思うが、私と同じ弁護士なんだよ」
「……ほえ?」
「は、恥ずかしい、だわ」
「ええええええええええええええええええええ!?」
私がこれまで見てきたベアトちゃんからは予想もつかない答えが返ってきました。
ヒルデちゃんと一緒に勢いよく無我夢中で突っ込んでくるようなベアトちゃんが、しっかり者で学力の高そうな弁護士なんて職業なんて出来るの!?
「むっ、失礼な事を考えてる気がするのだわ!」
ダンディでかっこいいミハエルさんは弁護士でも納得なんだけど、ベアトちゃんが弁護士ねぇ……?
仕事の時は冷たいって、一度見てみたいな!
「凄いんだねベアトちゃん! 弁護士なんてなるの難しいでしょ?」
私がそう言うとベアトちゃんは少しばかりキョトンとした後、胸を張ってドヤ顔になりました。
ミハエルさんに抱えられたままなのでカッコはつかないけどね。
「そうでしょ〜? 私は凄いんだからね!」
「ベアト、口調」
「はっ!? す、凄いんだから! だわ!」
「凄いね! 私、ベアトちゃんが仕事してる姿見てみたいな〜」
「おお、それはいいね。滞在時間は長いみたいだし、今度裁判があるから観に来るといいよ」
「そっ、それは駄目! 千佳ちゃんにあんなの見られたら、幻滅されるよ! だわ!」
ミハエルさんもニヤッと笑って私に同調してくれましたが、ベアトちゃんはどうしても見られたくないのか首をブルブルと振って手をバッテンにしました。
これ以上に無い拒否反応だね!
しかし私は必殺技を発動!
「……駄目?」
両手を胸の前で握り締めて、少し前屈みに。
そして顔を少しだけ上げて目を潤ませてからベアトちゃんの目を見ます。
そして心を込めて、蚊の泣くような声でこの台詞を言うだけ!
「ずっきゅん!! そ、それはずるい……だわ」
「くっ! 私としたことが、法律を破ってでも千佳くんの願いを叶えてあげたいと思ってしまった……」
ミハエルさんの発言は弁護士的に危ないから止めて!?
「……分かったよ。今度の裁判、観に来てもいいから。だわ」
「やった! ありがとうベアトちゃん!」
「良かったね千佳くん。ベアト、千佳くんが来るからと言って気を抜いてはいけないよ」
「わ、分かってるわよ! 見られたく無かったけど、千佳ちゃんのお願いなら仕方ない、だわ」
「楽しみだな〜! 頑張ってね、ベアトちゃん!」
「……頑張るのだわ」
「あっはっは」
ガックリと肩を落としたベアトちゃんに、両手を上げて喜ぶ私。
そんな私達を見てミハエルさんはとても楽しそうに笑うのでした。
「誰!? ベアトちゃん、キャラ変わってるよ!?」
「あっ」
「あっ、じゃないよ!?」
「……べ、別に忘れてなんか無いのだわ」
お説教を一抜けした私はクリスとシャロルを置いてお屋敷見学を再開しました。
とは言っても道は全く分からないので、適当に廊下を歩いていた所ベアトちゃんとダンディな叔父さんに出会ったのです。
「やぁ千佳くん。ベアトが迷惑を掛けているね」
「こんにちは、ミハエルさん」
ダンディな叔父さんの名前はミハエル・フォン・リーネルトさん。
ベアトちゃんの夫さんで、ヒルデちゃんのお父さんです。
「あなたったら、私が千佳ちゃんに迷惑なんて〜。……だわ」
「うん、忘れかけてたよね今。ヒルデちゃんもベアトちゃんも迷惑じゃないけど……騒がしい、かな?」
「はっはっは。二人共悪気があっての事じゃないから許してあげてくれ。ベアト、仕事の時と同じようには出来ないのかい?」
「し、仕事の時は別だから。だわ。あんなに冷たい私は千佳ちゃんに見られたくないの。だわ」
「そこまで後付けだったら付けなくてもいいと思うよ……? そういえばベアトちゃんってどんな仕事をしてるの?」
「それはね、おっと」
私に話してくれようとしたミハエルさんの口を、ベアトちゃんが必死に抑えようとします。
しかしのらりくらりと躱されて、ミハエルさんはベアトちゃんを抱き締めるように抱え込みました。
「きゃっ! ち、千佳ちゃんの前でそんな……」
「人妻もそれはそれで……」
私も新しい扉が……。
「どうかしたかい? 千佳くん」
「あ、いえ。それでベアトちゃんのお仕事って?」
ミハエルさんは普通に心配してくれたみたいなので、邪な考えをかなぐり捨てました。
はい! 千佳ちゃんは何も考えていませんよ!
人妻もいいななんて思ってませんから!
「そうかい? 疲れているのなら休んでもいいんだよ?」
「いえいえ! それでお仕事は?」
「こんなのからは想像も出来ないと思うが、私と同じ弁護士なんだよ」
「……ほえ?」
「は、恥ずかしい、だわ」
「ええええええええええええええええええええ!?」
私がこれまで見てきたベアトちゃんからは予想もつかない答えが返ってきました。
ヒルデちゃんと一緒に勢いよく無我夢中で突っ込んでくるようなベアトちゃんが、しっかり者で学力の高そうな弁護士なんて職業なんて出来るの!?
「むっ、失礼な事を考えてる気がするのだわ!」
ダンディでかっこいいミハエルさんは弁護士でも納得なんだけど、ベアトちゃんが弁護士ねぇ……?
仕事の時は冷たいって、一度見てみたいな!
「凄いんだねベアトちゃん! 弁護士なんてなるの難しいでしょ?」
私がそう言うとベアトちゃんは少しばかりキョトンとした後、胸を張ってドヤ顔になりました。
ミハエルさんに抱えられたままなのでカッコはつかないけどね。
「そうでしょ〜? 私は凄いんだからね!」
「ベアト、口調」
「はっ!? す、凄いんだから! だわ!」
「凄いね! 私、ベアトちゃんが仕事してる姿見てみたいな〜」
「おお、それはいいね。滞在時間は長いみたいだし、今度裁判があるから観に来るといいよ」
「そっ、それは駄目! 千佳ちゃんにあんなの見られたら、幻滅されるよ! だわ!」
ミハエルさんもニヤッと笑って私に同調してくれましたが、ベアトちゃんはどうしても見られたくないのか首をブルブルと振って手をバッテンにしました。
これ以上に無い拒否反応だね!
しかし私は必殺技を発動!
「……駄目?」
両手を胸の前で握り締めて、少し前屈みに。
そして顔を少しだけ上げて目を潤ませてからベアトちゃんの目を見ます。
そして心を込めて、蚊の泣くような声でこの台詞を言うだけ!
「ずっきゅん!! そ、それはずるい……だわ」
「くっ! 私としたことが、法律を破ってでも千佳くんの願いを叶えてあげたいと思ってしまった……」
ミハエルさんの発言は弁護士的に危ないから止めて!?
「……分かったよ。今度の裁判、観に来てもいいから。だわ」
「やった! ありがとうベアトちゃん!」
「良かったね千佳くん。ベアト、千佳くんが来るからと言って気を抜いてはいけないよ」
「わ、分かってるわよ! 見られたく無かったけど、千佳ちゃんのお願いなら仕方ない、だわ」
「楽しみだな〜! 頑張ってね、ベアトちゃん!」
「……頑張るのだわ」
「あっはっは」
ガックリと肩を落としたベアトちゃんに、両手を上げて喜ぶ私。
そんな私達を見てミハエルさんはとても楽しそうに笑うのでした。
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