TSカリスマライフ! ―カリスマスキルを貰ったので、新しい私は好きに生きることにする。―
二人で図書館に行くとこうなる4
【ケース8 頼りになる?先生、柚梨ちゃんの場合】
「千佳ちゃん、今日は教材探しを手伝っていただくことになってすみません」
「いえいえ。柚梨ちゃんの為ならなんのその、です」
休み時間に柚梨ちゃんから、放課後よかったら社会の教材探しを一緒にしてほしいというお願いがあり、二人で図書館へとやってきました。
学校外では柚梨ちゃんと行動することがあまりないので、なんだか新鮮です。
「それで教材ってどんな感じのやつを探すんですか?」
「もうすぐ工場見学があるので、その予習になりそうなものを。工場の写真なんかが沢山載っているといいですね」
「ふむ、では図書館マイスターの私が見つけてしんぜよう!」
「ははー。千佳ちゃんのお示しの通りに!」
両手を合わせてこちらを拝む柚梨ちゃん。
そこのお婆さん、別に仏様とかじゃないから拝まなくていいですよ。
「工場見学は醤油工場ですよね?」
「はい、そうです。小学校からバスで一時間程の所ですね」
「なるほど。それじゃあ工場の資料以外にも醤油のでき方とか調べておくといいかもしれませんね」
「流石千佳ちゃん! 私もそう考えています」
「よし、それならこっちらへんだと思うので、行きましょう!」
「ははー」
「それはもういいですって」
製造などの専門的な本が入っている本棚や教育関係の本棚から、出来る限り分かりやすそうな資料を一冊。
中身を確認するためにソファに座ることに。
「千佳ちゃん、どうぞ」
「えっと、あの」
柚梨ちゃんは椅子を引いたわけでもなく、私を先に座らせようとしたわけでもなく。
先に座った柚梨ちゃんは、膝をとんとんと叩いて私を促します。
「千佳ちゃん専用席ですよ! 座り心地はきっといいですから!」
「えぇー、恥ずかしいですよ」
「手伝ってくれるって言ったじゃないですか!」
「それは手伝いの範囲なの!?」
平行線上で話し合っていたのですが、近くを通りがかった司書さんの咳払いに口を噤みました。
仕方ない、柚梨ちゃんの膝の感触でも体験してみますか。
「失礼します」
「はい、どうぞ!」
お、おお、柚梨ちゃんは太っているわけではないのですが、肉付きのいい足はとてもリラックスできる感触です。
背中を柚梨ちゃんに預けると、くすぐったそうな声が耳元で聞こえました。
「重くないですか?」
「大丈夫です! それじゃあ本を確認してみましょう!」
「あ、はい」
私を膝に乗せてからやけにテンションの高い柚梨ちゃんは、数日そのテンションを維持するのでした。
その行為が忘れられないのか、次の日の休み時間。
「千佳ちゃん! 私の膝に座りませんか?」
ことごとく膝に座らせようとする柚梨ちゃんは、現場を見つけた学年主任によって連れられて行きました。
うん、柚梨ちゃん。
強く生きて。
【ケース9 ただの店員じゃ終われない、めぐるの場合】
とある休日のお昼、一人で本を返却するために図書館へ向かっていると。
「おっ、千佳ちんじゃん」
「めぐるさん、こんにちは」
「こんちー。授業は終わり?」
「はい。めぐるさん、お店は?」
「今日は休業で、デザインの資料探しに図書館に行くところじゃん」
「おお、奇遇ですね。私も図書館に行くところなんですよ」
「それじゃ一緒に行くじゃん。手を繋ぐじゃん」
めぐるさんに差し出された手を握って、親子のように歩いていく。
茶髪に着崩したお洒落なシャツとジーパンは、私には真似できないファッションセンスですな。
そうジロジロ見ていると、視線に気付いためぐるさんがこちらを向いた。
「どうしたじゃん?」
「めぐるさん、かっこいい着こなしだなぁって思って」
「ありがとうじゃん。む、そうだ。それなら今から服屋に寄ろうじゃん! いい店知ってるから!」
「うえええ!? ちょ、まっ、めぐるさああああん!?」
手を繋がれたまま引き摺られるように、突然走り出しためぐるさんについていく。
めぐるさんの目は爛々と輝き、それから一時間後、めぐるさんの着せ替え人形にさせられ続けた私は思い知りました。
――めぐるさんに、ファッションの話をしてはいけない。
「うーむ、千佳ちんはこれも似合うじゃん。こっちも捨て難いじゃん」
「なんでもいいから早く決めてー!?」
そうしてコーディネートが終わり、いつの間にかやってきていた柚梨ちゃんに写真を撮られ、着崩し千佳ちゃんプロマイドがファンクラブを賑わすのです。
柚梨ちゃん、どっから沸いた。
「千佳ちゃん、今日は教材探しを手伝っていただくことになってすみません」
「いえいえ。柚梨ちゃんの為ならなんのその、です」
休み時間に柚梨ちゃんから、放課後よかったら社会の教材探しを一緒にしてほしいというお願いがあり、二人で図書館へとやってきました。
学校外では柚梨ちゃんと行動することがあまりないので、なんだか新鮮です。
「それで教材ってどんな感じのやつを探すんですか?」
「もうすぐ工場見学があるので、その予習になりそうなものを。工場の写真なんかが沢山載っているといいですね」
「ふむ、では図書館マイスターの私が見つけてしんぜよう!」
「ははー。千佳ちゃんのお示しの通りに!」
両手を合わせてこちらを拝む柚梨ちゃん。
そこのお婆さん、別に仏様とかじゃないから拝まなくていいですよ。
「工場見学は醤油工場ですよね?」
「はい、そうです。小学校からバスで一時間程の所ですね」
「なるほど。それじゃあ工場の資料以外にも醤油のでき方とか調べておくといいかもしれませんね」
「流石千佳ちゃん! 私もそう考えています」
「よし、それならこっちらへんだと思うので、行きましょう!」
「ははー」
「それはもういいですって」
製造などの専門的な本が入っている本棚や教育関係の本棚から、出来る限り分かりやすそうな資料を一冊。
中身を確認するためにソファに座ることに。
「千佳ちゃん、どうぞ」
「えっと、あの」
柚梨ちゃんは椅子を引いたわけでもなく、私を先に座らせようとしたわけでもなく。
先に座った柚梨ちゃんは、膝をとんとんと叩いて私を促します。
「千佳ちゃん専用席ですよ! 座り心地はきっといいですから!」
「えぇー、恥ずかしいですよ」
「手伝ってくれるって言ったじゃないですか!」
「それは手伝いの範囲なの!?」
平行線上で話し合っていたのですが、近くを通りがかった司書さんの咳払いに口を噤みました。
仕方ない、柚梨ちゃんの膝の感触でも体験してみますか。
「失礼します」
「はい、どうぞ!」
お、おお、柚梨ちゃんは太っているわけではないのですが、肉付きのいい足はとてもリラックスできる感触です。
背中を柚梨ちゃんに預けると、くすぐったそうな声が耳元で聞こえました。
「重くないですか?」
「大丈夫です! それじゃあ本を確認してみましょう!」
「あ、はい」
私を膝に乗せてからやけにテンションの高い柚梨ちゃんは、数日そのテンションを維持するのでした。
その行為が忘れられないのか、次の日の休み時間。
「千佳ちゃん! 私の膝に座りませんか?」
ことごとく膝に座らせようとする柚梨ちゃんは、現場を見つけた学年主任によって連れられて行きました。
うん、柚梨ちゃん。
強く生きて。
【ケース9 ただの店員じゃ終われない、めぐるの場合】
とある休日のお昼、一人で本を返却するために図書館へ向かっていると。
「おっ、千佳ちんじゃん」
「めぐるさん、こんにちは」
「こんちー。授業は終わり?」
「はい。めぐるさん、お店は?」
「今日は休業で、デザインの資料探しに図書館に行くところじゃん」
「おお、奇遇ですね。私も図書館に行くところなんですよ」
「それじゃ一緒に行くじゃん。手を繋ぐじゃん」
めぐるさんに差し出された手を握って、親子のように歩いていく。
茶髪に着崩したお洒落なシャツとジーパンは、私には真似できないファッションセンスですな。
そうジロジロ見ていると、視線に気付いためぐるさんがこちらを向いた。
「どうしたじゃん?」
「めぐるさん、かっこいい着こなしだなぁって思って」
「ありがとうじゃん。む、そうだ。それなら今から服屋に寄ろうじゃん! いい店知ってるから!」
「うえええ!? ちょ、まっ、めぐるさああああん!?」
手を繋がれたまま引き摺られるように、突然走り出しためぐるさんについていく。
めぐるさんの目は爛々と輝き、それから一時間後、めぐるさんの着せ替え人形にさせられ続けた私は思い知りました。
――めぐるさんに、ファッションの話をしてはいけない。
「うーむ、千佳ちんはこれも似合うじゃん。こっちも捨て難いじゃん」
「なんでもいいから早く決めてー!?」
そうしてコーディネートが終わり、いつの間にかやってきていた柚梨ちゃんに写真を撮られ、着崩し千佳ちゃんプロマイドがファンクラブを賑わすのです。
柚梨ちゃん、どっから沸いた。
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