TSカリスマライフ! ―カリスマスキルを貰ったので、新しい私は好きに生きることにする。―
町内清掃と音楽話
三年生の私たちは、今年から新しい行事に参加することになります。
その名も、町内清掃!
「なんや町の中を掃除やなんて、新鮮やなぁ」
「千佳ちゃんも湖月ちゃんも、一緒の班だから頑張ろうね!」
「愛ちゃん気合入ってるね」
「引率がお母さんなんだ!」
「なるへそ」
体操服に着替えた私たちは、そんな会話をしながらグラウンドへと向かいます。
そこでクラスごとに並んでまずは校長先生のお話。
あ、短めでお願いします。
――三年生から五年生までが合同で行う町内清掃。
学年が上がるごとに遠い場所に行くことになっており、それぞれ引率の先生と保護者の方々と一緒に活動します。
私たちの班六人は商店街の清掃。
丁度クラスの振り分けの中にあったので、そこを選びました。
男子は知りませんが商店街の清掃はファンクラブの子たち、つまりは女子によって埋められたようです。
「それじゃあ出発します! 班長である千佳ちゃんにしっかりついていってくださいね!」
「いや、先生が先導しないの?」
「駄目でしょうか?」
「駄目です」
「……そうですね。では皆さん私についてきてくださいね!」
私に断られてちょっぴり悲しそうな九重先生の先導により、私たちは商店街へ移動します。
いや、だって先生の立場もあるからね。
先導は先生にお任せしたい。
ファンクラブが作られてから先生の私への期待が重いです。
「では皆さん、班に分かれて持ち場をしっかり掃除してくださいね。何かありましたら、近くの先生か胸に名札を着けている保護者の方に声を掛けてください」
「はーい!」
商店街へと着いた私たちは早速清掃を始める。
埃や砂などを箒で掃く役、トングを使ってゴミ拾いをする役、集めたゴミをゴミ袋に纏める役と分かれて、できる限り効率的な清掃を心掛けましょう!
でも黙々とやっていても楽しくないので、皆でお喋りをしながらで。
「そういえば昨日のテレビ見た? 音楽のやつ」
「うちは見てへんな~」
「わ、私見ました! 農家アイドルなバンドさんが出てた番組ですよね?」
「うん。小豆ちゃんも見てたんだ」
「愛も見たよ!」
「ほ~。んで、その番組がどないしたん?」
「実は私が応援してるガールズバンドが出ててさ、すっごい良かったんだよー」
「分かります! 可愛くて楽器もできるなんて、憧れますよね!」
「愛はピアノやってるけど、ギターとかドラムもかっこいいよね」
「室崎さんピアノやってるんですか!?」
「うん! お母さんが昔やってて、教えてもらってるの」
「うちらも時々教えてもらうんやで~」
「いいなぁ……」
「良かったら、小豆さんも今度来てみる?」
「い、いいんですか!?」
「うん。友達だもん!」
「ありがとうございます! 室崎さん!」
うむ、仲良きことはいいことだ。
私たちでガールズバンド組むのもいいかもなぁ……。
あ、でも七人は多いかも?
「ねぇねぇ、皆楽器やってみるなら何がやりたい?」
「ん~、うちはベースかなぁ。なんや大きくてかっこええやん!」
「やっぱりギターだよ! でも難しそうなんだよね」
「わ、私はキーボードとか、やってみたいです」
「んで千佳ちゃんは?」
「私? 私はね、サックス!」
「お、おう。渋いとこいったな」
かっこいいじゃん、サックスさん。
実は木管楽器なサックスさん。
「でもサックスって高いイメージがあるよね」
「そうですね。金ピカですし」
「なんや聞く話によると、リード? っちゅうしょーもーひんが高いらしいで?」
「リード? 犬でも散歩するのかな?」
「犬はどっから出てきたんや千佳ちゃん」
「サックスの穴から、とか」
「それはそれで夢ありそうやな」
そんな他愛の無い話をしながら、初めての町内清掃を行いました。
因みに、私たちの話に見守ってくれていた愛ちゃんのお母さんが腹を抱えて笑っていたのは、見なかったことにしましょう。
そんなに面白かったかな?
その名も、町内清掃!
「なんや町の中を掃除やなんて、新鮮やなぁ」
「千佳ちゃんも湖月ちゃんも、一緒の班だから頑張ろうね!」
「愛ちゃん気合入ってるね」
「引率がお母さんなんだ!」
「なるへそ」
体操服に着替えた私たちは、そんな会話をしながらグラウンドへと向かいます。
そこでクラスごとに並んでまずは校長先生のお話。
あ、短めでお願いします。
――三年生から五年生までが合同で行う町内清掃。
学年が上がるごとに遠い場所に行くことになっており、それぞれ引率の先生と保護者の方々と一緒に活動します。
私たちの班六人は商店街の清掃。
丁度クラスの振り分けの中にあったので、そこを選びました。
男子は知りませんが商店街の清掃はファンクラブの子たち、つまりは女子によって埋められたようです。
「それじゃあ出発します! 班長である千佳ちゃんにしっかりついていってくださいね!」
「いや、先生が先導しないの?」
「駄目でしょうか?」
「駄目です」
「……そうですね。では皆さん私についてきてくださいね!」
私に断られてちょっぴり悲しそうな九重先生の先導により、私たちは商店街へ移動します。
いや、だって先生の立場もあるからね。
先導は先生にお任せしたい。
ファンクラブが作られてから先生の私への期待が重いです。
「では皆さん、班に分かれて持ち場をしっかり掃除してくださいね。何かありましたら、近くの先生か胸に名札を着けている保護者の方に声を掛けてください」
「はーい!」
商店街へと着いた私たちは早速清掃を始める。
埃や砂などを箒で掃く役、トングを使ってゴミ拾いをする役、集めたゴミをゴミ袋に纏める役と分かれて、できる限り効率的な清掃を心掛けましょう!
でも黙々とやっていても楽しくないので、皆でお喋りをしながらで。
「そういえば昨日のテレビ見た? 音楽のやつ」
「うちは見てへんな~」
「わ、私見ました! 農家アイドルなバンドさんが出てた番組ですよね?」
「うん。小豆ちゃんも見てたんだ」
「愛も見たよ!」
「ほ~。んで、その番組がどないしたん?」
「実は私が応援してるガールズバンドが出ててさ、すっごい良かったんだよー」
「分かります! 可愛くて楽器もできるなんて、憧れますよね!」
「愛はピアノやってるけど、ギターとかドラムもかっこいいよね」
「室崎さんピアノやってるんですか!?」
「うん! お母さんが昔やってて、教えてもらってるの」
「うちらも時々教えてもらうんやで~」
「いいなぁ……」
「良かったら、小豆さんも今度来てみる?」
「い、いいんですか!?」
「うん。友達だもん!」
「ありがとうございます! 室崎さん!」
うむ、仲良きことはいいことだ。
私たちでガールズバンド組むのもいいかもなぁ……。
あ、でも七人は多いかも?
「ねぇねぇ、皆楽器やってみるなら何がやりたい?」
「ん~、うちはベースかなぁ。なんや大きくてかっこええやん!」
「やっぱりギターだよ! でも難しそうなんだよね」
「わ、私はキーボードとか、やってみたいです」
「んで千佳ちゃんは?」
「私? 私はね、サックス!」
「お、おう。渋いとこいったな」
かっこいいじゃん、サックスさん。
実は木管楽器なサックスさん。
「でもサックスって高いイメージがあるよね」
「そうですね。金ピカですし」
「なんや聞く話によると、リード? っちゅうしょーもーひんが高いらしいで?」
「リード? 犬でも散歩するのかな?」
「犬はどっから出てきたんや千佳ちゃん」
「サックスの穴から、とか」
「それはそれで夢ありそうやな」
そんな他愛の無い話をしながら、初めての町内清掃を行いました。
因みに、私たちの話に見守ってくれていた愛ちゃんのお母さんが腹を抱えて笑っていたのは、見なかったことにしましょう。
そんなに面白かったかな?
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コメント
ward8
TSものはネタが単調になりがちな中、面白いですね