クラス《農民》の俺最強

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クエスト受注されたらしい

 巨大な種を抱えてシャベルを背負って森を歩く俺氏。モンスターと戦わずに帰りたいからプレイヤーがたくさんいる場所を選んで通ってるけど……そんなに見ないでくれぇ!珍しい物を見るような目で俺を見ないでくれぇ!確かに珍しいのは理解してるけど!モンスター蔓延る森に似つかわしくないのは解るけど!

 ……ふぅ、脳内で叫んでる間に森を出て街に到着だ。街に入ればすぐに家だ。家のどの辺にこの種を植えようかな。

『クエスト[店を建てて欲しい]が受注されました。受注者の現在地を視界に示します』

 おっと、システムメッセージが表示された。クエストを受けてくれた人がいるみたいだな。出した俺が言うのも難だけど、よく受けてくれたな。
 システムメッセージが消えると、視界の中央下にオレンジ色の矢印が表示された。矢印は噴水広場の方を指している。そっちの方に受注してくれた人がいるのか。種を植えたら迎えに行こう。

 大通りを歩いていると俺の畑を囲む柵が見えてきた。

「たっだいまー」

「おお、帰ってきおったか」

「おう、帰ってきたぞ……って」

 なんでジジイが俺の畑にいて俺の小麦見てるんだ?てか30分経ってたんだな。小麦ができてる。

「むむ、その種は……ちとわしについてこい」

「へいへい」

 ムチに打たれるのは嫌だから素直に従う。ジジイが向かったのはジジイの畑の端の方だ。

「ここに植えてみてくれんか?わしが管理するぞ」

「はあ、わかりました」

 これもイベントなのかな?まあ、植えてみればわかるか。ジジイに逆らう気はあんまり無いしな。言われたとおりに種を植える。というより埋める。

――――
???《育成中》
残り3日12時間
――――

 なっが!時間なっが!

「よし、この種はわしが責任をもって見てやろう」

「ありがとう、ございます?」

 ジジイはそれだけ言うとジジイの家に戻っていった。ちなみにジジイの家は2階建てだ。……ハァ!?

 はぁ、気にしても仕方ないか。クエスト受けてくれた人を迎えに行こう。

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