進化上等~最強になってクラスの奴らを見返してやります!~
第十五話 いつからステータスのバグ化が止まったと錯覚していた?
と、とりあえずひとつづ確認していこう。
堕熾天使
種族が大堕天使から堕熾天使になる。
闇属性に関する魔法の威力が極大。
聖魔法
【白魔法】【光魔法】の最上位スキル。その力のほとんどが支援系の魔法だが、光を使用した攻撃魔法存在し、その力は山を一瞬で消し飛ばすほどの威力。この魔法を扱えるものはこの世界には存在しない。
堕熾天武装
大堕天使から堕熾天使になったことによって習得した唯一無二のオリジナルスキル。
これが使えるのはスキル保持者であるティリーナ・アルベルトだけであり、たとえ神であっても作り出すことは不可能である。
堕熾天武装に登録された武器にはすべて闇属性の魔法が付与される。
真眼
【鑑定】スキルシリーズの成れの果て。目に映すモノをすべて鑑定することができる。たとえ【究極隠蔽】を使っても隠すことはできない。
薙刀術
【槍術】のレベルが10になると習得することができる。
槍だけでなく刀の使用も可能になる。しかし【刀術】スキルよりは劣る。
闇の熾天使になりし者
一度熾天使になったことがある者が、闇に落ち再び熾天使の座に返り咲いた者に贈られる称号。
【黒魔法】に関する魔法の威力が増大する。
神の婚約者
神の称号を持つ者を婚約者に持った者に贈られる。微量ではあるが、神力を使用することができる。
神の領域に踏み込みし者
神に非ざる者が、神力を持つことによって送られる称号。神になるチャンスを得る。
うん、すっごい強くなったね。
まず目を引くのが種族が変化したことだよね。
まあ、レベルアップしたし、本人も進化したって言ってたから別に気にしてはいない。
……数段すっ飛ばして進化したのはびっくりしたけれど。
『神の婚約者』というのも、まだわかる。
俺とリーナは一応だが婚約している。
俺の種族は半神聖霊である。だから神の婚約者と認定されてもさほど不思議ではない。
一番の気になったのは『神の領域に踏み込みし者』ものだ。
種族的にはリーナはまだ堕天使だ。
堕天使の中でも最高位である堕熾天使になったにはなったが、神になるチャンスが与えらるのはどうなのだろうか。
…………いや、最高位になったからこそ、神になるチャンスが与えられるのか。
さて、一通りスキルや称号を確認し終わったところで、俺は【超索敵】を発動する。
…………なるほど、地下に部屋があるのか。
ということはどこかに地下に続く階段があるはずだ。
今度は【究極鑑定】を発動し、注意深く周囲を調べていく。
……………………あった。
リーナが膝の上で寝ているので、俺は魔法で階段の隠れている壁を破壊する。
ドガァァァン!!
という爆発音があたりに響いた後、煙が晴れて、地下に続く階段が姿を現した。
地下に続く階段って、RPGとかでよくある展開だよね。
俺ゲームしたことないけど。
地下階段も見つけたので、リーナを起こすことにする。最近リーナってずっと眠ってる気がする。
まあ、そんなことより、リーナを起こそう。
「おい、リーナ起きろ。そろそろ行くぞ」
すると、リーナがゆっくりを起き上った。
ゆっくりした動作であたりを見回し、俺と至近距離で目があったところで動きを止めた。
しばらくリーナと目を合わせ続けると、頬を赤くしてリーナが目をそらした。
「もう、行くの?」
リーナの問いかけに、俺はうなずきながら答える。
「ああ、地下に空間があることが分かったからな。そこに魔物はいなさそうだし、個々の魔物はボスじゃなくてすみ着いていただけのようだから、もう一回出てくることもないだろうからな」
俺がそう説明すると、リーナはすばやく立ち上がると、俺を見下ろした。
「じゃあ、早く行こう」
俺はリーナの手を借りて立ち上がり、地下の空間へと向かった。
*
*
*
*
*
「長いな……」
地下の階段を下りてから五分。一向に部屋につこうとはしない。
「めんどくさい……」
リーナもだんだん飽きはじめたようだし、壁をぶち抜いていこうかな……
なんて物騒なことを考えていると、ようやく扉が見えた。
本当に長かった。
扉を開き中に進むと、壁に括りつけられていた松明の炎が灯り始めた。
不気味な雰囲気はないが、不思議な感じがするな。
リーナも何かを感じ始めているのか、袖をつかみ俺の後ろから離れようとしない。
以外とリーナって怖がりなのか…………?
俺がリーナの意外な一面に驚いていると、何やらもう一つ扉を発見した。
「入るか」
俺は扉を開けた。
「ん? なんだ、この部屋」
その部屋は、まるで儀式の祭壇のような、少し前までいた迷宮の最深部の部屋と酷似していた。
「この部屋といい前の部屋といい、まるで示し合わせたような感じだな。まるで部屋自身が意識を持っていて、俺たちを誘導していたような感じだ」
そしてその部屋でひときわ存在感を放っているもの、雪雫が置かれていた中心部にソレはあった。
雪雫とは違い、ソレは空中に浮いていた。
言葉にするのであれば、魔結晶のようなものだろうか。だが色が紫ではなく淡い緑色だ。
「とりあえず、【鑑定】」
バチンッ!
と、何かに弾かれるような音と、光が部屋を照らした。
「おいおい……【究極鑑定】が弾かれるとか、どんだけ強力なバリア張られてるんだよ…………」
そう、今の音は鑑定が弾かれる音だったのだ。
そりゃあ、今まで弾かれることなんてなかったので、こんなことになるなんて思わなかったのである。
……触れてみるか?
リーナが俺の思惑を理解したのか、俺から恐る恐る離れていく。
俺はリーナに大丈夫だとアイコンタクトを送り、俺は結晶に触れる。
次の瞬間――――――――――――
―――――神の因子を持つ者の接触を確認
超魔力結晶の能力を解放
全てが記されし禁書の解放を確認
接触者の適合率を検知。適合率100%
接触者に能力の譲渡を要求。
…………受諾
受諾確認
適合を開始する
そんな声が聞こえたかと思うと、俺は意識を失った。
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