引きこもりLv.999の国づくり! ―最強ステータスで世界統一します―
リュアなら勝てる、きっと。
トルフィン、リュア、アルスの快勝劇は続いた。
二万人もの選手から選ばれたわけだから、本戦の出場者は例外なく強者である。
にも関わらず、一回戦目はリュア、アルスともに圧勝を決めた。とりわけリュアはかなり真面目に修行してきたようだ。数ヶ月前、学園で手合わせしたときよりも遙かに強くなっている。やはり血筋か。
アルスは相変わらずだ。興味のない相手には徹底して無表情に瞬殺していく(殺してはいないが)。
そのようにして、トルフィンとリュア、アルスは順調に二回戦へと駒を進めた。
トルフィンの二回戦目の相手は槍使いだった。最初こそ槍のリーチの長さに苦戦したが、慣れてしまえばこちらのものだ。
トルフィンには魔法がある。
うまく使いこなせれば、槍とは比べものにならない距離を攻撃することができる。敵に隙が生じたところで、トルフィンは炎の可視放射を放った。見事それは命中し、相手は気絶した。これにより、トルフィンは決勝への進出を決めた。
かくして。
運命の試合――リュア対アルスが幕を開けた。
控え室。
「うう……トルフィンくん、トルフィンくん……」
トルフィンは、半ベソをかいているリュアの世話をしているところだった。
「あの人、絶対強いよ……どうしよう、勝てるかな……」
「さあ、どうかな……」
さっきは強気な口を叩いたが、正直、どちらが勝つかわからない。なにしろ、リュアもアルスも、まだ本気で戦っているところを見ていないのだ。現状では二人の本当の実力を掴みきれていない。
トルフィンの予想では、二人のステータスはそこまで離れていない。だが実践経験の差を考慮すると、どうしてもアルスに分配が上がってしまう。またアルスは剣と魔法、両方を使いこなせるが、リュアに魔法は使えない。
だが、それでも勝てない相手じゃない。うまく勝機を見出せば、きっと勝てるはずだと思っている。放課後、あんなに訓練したのだから。
そんな思考を巡らせていると――
トルフィンは気づいた。壁にもたれ、腕を組んでいる勇者アルスが、嫌らしい笑みを浮かべていることに。しかもこちらを見ている。
――なにを考えてる……
そう思ったのも束の間、闘技場から審判の声が響いてきた。
「では次の試合を始めます! リュア選手、アルス選手! 舞台へお上がりください!」
二万人もの選手から選ばれたわけだから、本戦の出場者は例外なく強者である。
にも関わらず、一回戦目はリュア、アルスともに圧勝を決めた。とりわけリュアはかなり真面目に修行してきたようだ。数ヶ月前、学園で手合わせしたときよりも遙かに強くなっている。やはり血筋か。
アルスは相変わらずだ。興味のない相手には徹底して無表情に瞬殺していく(殺してはいないが)。
そのようにして、トルフィンとリュア、アルスは順調に二回戦へと駒を進めた。
トルフィンの二回戦目の相手は槍使いだった。最初こそ槍のリーチの長さに苦戦したが、慣れてしまえばこちらのものだ。
トルフィンには魔法がある。
うまく使いこなせれば、槍とは比べものにならない距離を攻撃することができる。敵に隙が生じたところで、トルフィンは炎の可視放射を放った。見事それは命中し、相手は気絶した。これにより、トルフィンは決勝への進出を決めた。
かくして。
運命の試合――リュア対アルスが幕を開けた。
控え室。
「うう……トルフィンくん、トルフィンくん……」
トルフィンは、半ベソをかいているリュアの世話をしているところだった。
「あの人、絶対強いよ……どうしよう、勝てるかな……」
「さあ、どうかな……」
さっきは強気な口を叩いたが、正直、どちらが勝つかわからない。なにしろ、リュアもアルスも、まだ本気で戦っているところを見ていないのだ。現状では二人の本当の実力を掴みきれていない。
トルフィンの予想では、二人のステータスはそこまで離れていない。だが実践経験の差を考慮すると、どうしてもアルスに分配が上がってしまう。またアルスは剣と魔法、両方を使いこなせるが、リュアに魔法は使えない。
だが、それでも勝てない相手じゃない。うまく勝機を見出せば、きっと勝てるはずだと思っている。放課後、あんなに訓練したのだから。
そんな思考を巡らせていると――
トルフィンは気づいた。壁にもたれ、腕を組んでいる勇者アルスが、嫌らしい笑みを浮かべていることに。しかもこちらを見ている。
――なにを考えてる……
そう思ったのも束の間、闘技場から審判の声が響いてきた。
「では次の試合を始めます! リュア選手、アルス選手! 舞台へお上がりください!」
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