引きこもりLv.999の国づくり! ―最強ステータスで世界統一します―

魔法少女どま子

純粋。ピュアすぎる。

 リュアは六歳児である。
 それゆえ、恋愛というものをよくわかっていない(トルフィンも他人のことは言えないが)。

 だからわからなかったのだ。
 いつしか自分に芽生えた底知れない気持ち。恥ずかしいけれど、思い切ってトルフィンに想いを伝えたい。《交際する》だとか《恋人になる》だとか、そういうことを一切考えず、ただただ、気持ちを伝えたかったらしい。

 精神年齢二十一歳のトルフィンにしてみれば、なんともプラトニックラブな話である。
 純粋。ピュアすぎる。

 けれど。
 当のトルフィンもまったく同じ気持ちを知ってしまった。ロリコン気質なのは変わらないし、やろうと想えばこのままエロ展開に持っていけるのかもしれないが、それはいまの彼女にはこくすぎる。

「……ありがとな、リュア。俺も同じ気持ちだよ」
 思い切って返答するトルフィンに、リュアは目を見開く。
「え? じ、じゃあ、両思い……?」
「そ、そうだな」
「や、やったー!」

 勢いよく飛び込んでくるリュア。
 ――や、やばい。
 下半身が反応しちまってる。

「とにかく!」
 こちらも赤くなりながら、トルフィンはリュアの両肩を掴んで押し離した。
「なんにせよ明日だ。《元勇者》とかいうやべーのもいるし、すぐに休んで試合に備えようぜ」
「う、うん!」
 最上級の笑顔で答えるリュアであった。

   ★

「で」
 スープを上品に飲み干しながら、ゴルムは一同を見回した。
「なんなのですか。さっきの勇者というのは」
「そうだな……」
 食事もそろそろ落ち着いてきた。
 シュンはナプキンで口周りを拭きながら、この場にいる全員に視線を送った。

 ロニン、セレスティア、ゴルム。
 その三人が、食事の手を止めてシュンに目線を返してきた。この場にリュアがいないのは僥倖ぎょうこうだと思った。

「おまえも聞いたことはあるだろ? まだ人間とモンスターが争っていたとき、魔王と同等の実力を持っているとされた男だ」
「ああ……そういえば、えーっと……」

 ゴルムはしばらく苦々しい顔で腕を組んでいたが、数秒後、ぱちんと両手を叩いた。

「わかり申した。たしかその者、勇者アルスと呼ばれていましたな?」
「ああ」

 そしてシュンは、その勇者が今回の武術大会に参加していることを伝えた。ゴルムは当然のこと、セレスティアもこのことを知らなかったらしく、「えっ」と目を丸くした。

「嘘でしょ……。でも、このお城には来てないよ」
「たぶんテキトーなとこに宿泊するつもりなんだろ。あいつにしてみれば、王城なんてさして珍しくもねえだろうしな」

 最後にシュンは、その勇者アルスが残虐的な性格をしている――ということをみなに伝えた。トルフィンから聞いた情報そのままである。

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