引きこもりLv.999の国づくり! ―最強ステータスで世界統一します―
剣士たちの戦い
予選が始まった。
トルフィンたち《七区分》に振られた選手たちが、石畳の前に集まっている。
各ブロックにおいて、それぞれ審判が存在するらしい。立派な顎髭を生やした老齢な男性が、張りのある声で告げる。
「えー、大会を始める前に予選のルールをお伝え致します。聞き逃すことのないように」
審判が述べたルールは、おおむね以下のものだった。
・相手を気絶させたら勝ち
・相手を場外に落としたら勝ち
・殺人は禁止。対戦者を殺した場合、即刻試合は中止となり、騎士たちに逮捕される。
・武器の使用はOK。
「では予選を開始します。非常に長くなりますので、試合時間までは自由にしていただいて構いません。二つ前の試合が終わりましたら、こちらから選手名をアナウンスさせていただきます」
――なるほど、そういうシステムか。まあそうでもしないと退屈で死ぬもんな。
このままリュアの元へ行ってもよかったが、トルフィンは試合を眺めることに決めた。自分のブロックにどんな対戦者がいるか、偵察しておくことも重要だ。
審判により、二人の選手の名がアナウンスされた。呼ばれた男たちが石畳の上に姿を現す。
両者とも剣士タイプのようだった。油断なく剣を構えながら、試合の開始を待っている。その緊迫した雰囲気に呑まれ、トルフィンも思わず息を呑んだ。
「では、始めー!」
審判の声と同時、二人の剣士が地を蹴った。
ガキン、ガキン!
と、目にも止めらぬ剣の応酬が繰り広げられる。選手の友人らしい男たちが、「刺せー!」「ぶっ殺せー!」などと物騒な歓声をあげている。
決着は意外と早かった。鍛錬を怠ったのか、ひとりの戦士がスタミナ切れを起こしたのだ。動きが鈍くなったその隙を、対戦者は的確に突いた。
「おおおおっ!」
会心の切り込みが、スタミナ切れの戦士の足に命中する。見事に鎧ごと切り裂いたようだ。あれでは動けまい。
審判もそのように判断したのか、大きく笛を鳴らし、試合決着の合図を告げた。
「勝者、キンツ選手!」
おおおおお! という歓声が周囲に沸いた。キンツと呼ばれた選手は、それらの声に手を振って答えると、うずくまる敗戦者に手を差し伸べた。
敗戦者の顔は暗かったが、やがて苦笑いを浮かべると、「完敗です」と言ってその手を取った。
トルフィンたち《七区分》に振られた選手たちが、石畳の前に集まっている。
各ブロックにおいて、それぞれ審判が存在するらしい。立派な顎髭を生やした老齢な男性が、張りのある声で告げる。
「えー、大会を始める前に予選のルールをお伝え致します。聞き逃すことのないように」
審判が述べたルールは、おおむね以下のものだった。
・相手を気絶させたら勝ち
・相手を場外に落としたら勝ち
・殺人は禁止。対戦者を殺した場合、即刻試合は中止となり、騎士たちに逮捕される。
・武器の使用はOK。
「では予選を開始します。非常に長くなりますので、試合時間までは自由にしていただいて構いません。二つ前の試合が終わりましたら、こちらから選手名をアナウンスさせていただきます」
――なるほど、そういうシステムか。まあそうでもしないと退屈で死ぬもんな。
このままリュアの元へ行ってもよかったが、トルフィンは試合を眺めることに決めた。自分のブロックにどんな対戦者がいるか、偵察しておくことも重要だ。
審判により、二人の選手の名がアナウンスされた。呼ばれた男たちが石畳の上に姿を現す。
両者とも剣士タイプのようだった。油断なく剣を構えながら、試合の開始を待っている。その緊迫した雰囲気に呑まれ、トルフィンも思わず息を呑んだ。
「では、始めー!」
審判の声と同時、二人の剣士が地を蹴った。
ガキン、ガキン!
と、目にも止めらぬ剣の応酬が繰り広げられる。選手の友人らしい男たちが、「刺せー!」「ぶっ殺せー!」などと物騒な歓声をあげている。
決着は意外と早かった。鍛錬を怠ったのか、ひとりの戦士がスタミナ切れを起こしたのだ。動きが鈍くなったその隙を、対戦者は的確に突いた。
「おおおおっ!」
会心の切り込みが、スタミナ切れの戦士の足に命中する。見事に鎧ごと切り裂いたようだ。あれでは動けまい。
審判もそのように判断したのか、大きく笛を鳴らし、試合決着の合図を告げた。
「勝者、キンツ選手!」
おおおおお! という歓声が周囲に沸いた。キンツと呼ばれた選手は、それらの声に手を振って答えると、うずくまる敗戦者に手を差し伸べた。
敗戦者の顔は暗かったが、やがて苦笑いを浮かべると、「完敗です」と言ってその手を取った。
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