引きこもりLv.999の国づくり! ―最強ステータスで世界統一します―
戦乱の予兆
事態は急転する。
きたるべき大戦に備えて――
★
「ぎゃあ!」
「た、助けてくれ!」
人々が逃げ惑っている。
業火。死体。崩れた建物。
数時間前までは比較的大きな村だったそこは、いまや完全なる恐慌に陥っていた。
誰もが逃げ惑っていた。
さもなくば殺されるから。散々になぶられた挙げ句、無慈悲に斬り殺されてしまうから。
さっきまで平和だった村は、たったひとりの闖入者によって、壊滅寸前にまで追いつめられていた。
村人たちは知っていた。その闖入者が何者であるかを。
「ゆ……勇者アルス様! な、なぜこのような……!」
ひとりの村人が叫ぶ。
「人類の《希望の星》と言われた貴方が、なぜ村を襲うのですか! ま……まるで悪魔だ!」
「俺が悪魔……? くっ、くっくく……」
勇者アルスと呼ばれた青年は、血に塗れた剣を振り払いながら、暗い笑みを浮かべてみせた。
「違うな。俺は勇者。世界に希望を与える者なり!」
「な……なにを訳のわからないことを!」
「ふん。人間ごときが理解できずとも結構」
勇者アルスは笑いを引っ込め、左手の指を村人に突き刺した。
ぬめり。
生々しい音とともに、勇者の指が村人の目を容赦なく潰してみせた。
あまりの激痛に、村人が顔面をおさえ、獣のごとく吠え出す。そんな彼を見て、勇者はなおも、ニタリと暗い笑みを浮かべた。
「……もろいな。所詮は人間。この程度だということか」
ずしゃっ。
勇者の振り払った剣先が、的確に村人の首を捉えた。
直後、夥しいまでの鮮血と同時に、村人の顔がいずこかへと飛んでいく。
「くっ。くくくっ。俺は最強の力を手に入れた。もう誰にも負けはせぬ」
勇者アルスは血塗れた剣を美味そうに舐め上げると、再びくくくっと笑った。
「貴様の故郷は潰してやったぞ。驚き、狼狽する姿を見るのが楽しみだ……なあ、村人シュンよ」
きたるべき大戦に備えて――
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「ぎゃあ!」
「た、助けてくれ!」
人々が逃げ惑っている。
業火。死体。崩れた建物。
数時間前までは比較的大きな村だったそこは、いまや完全なる恐慌に陥っていた。
誰もが逃げ惑っていた。
さもなくば殺されるから。散々になぶられた挙げ句、無慈悲に斬り殺されてしまうから。
さっきまで平和だった村は、たったひとりの闖入者によって、壊滅寸前にまで追いつめられていた。
村人たちは知っていた。その闖入者が何者であるかを。
「ゆ……勇者アルス様! な、なぜこのような……!」
ひとりの村人が叫ぶ。
「人類の《希望の星》と言われた貴方が、なぜ村を襲うのですか! ま……まるで悪魔だ!」
「俺が悪魔……? くっ、くっくく……」
勇者アルスと呼ばれた青年は、血に塗れた剣を振り払いながら、暗い笑みを浮かべてみせた。
「違うな。俺は勇者。世界に希望を与える者なり!」
「な……なにを訳のわからないことを!」
「ふん。人間ごときが理解できずとも結構」
勇者アルスは笑いを引っ込め、左手の指を村人に突き刺した。
ぬめり。
生々しい音とともに、勇者の指が村人の目を容赦なく潰してみせた。
あまりの激痛に、村人が顔面をおさえ、獣のごとく吠え出す。そんな彼を見て、勇者はなおも、ニタリと暗い笑みを浮かべた。
「……もろいな。所詮は人間。この程度だということか」
ずしゃっ。
勇者の振り払った剣先が、的確に村人の首を捉えた。
直後、夥しいまでの鮮血と同時に、村人の顔がいずこかへと飛んでいく。
「くっ。くくくっ。俺は最強の力を手に入れた。もう誰にも負けはせぬ」
勇者アルスは血塗れた剣を美味そうに舐め上げると、再びくくくっと笑った。
「貴様の故郷は潰してやったぞ。驚き、狼狽する姿を見るのが楽しみだ……なあ、村人シュンよ」
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コメント
ノベルバユーザー271431
まあ、そうなるよな。
ノベルバユーザー252836
やると思ったわ