引きこもりLv.999の国づくり! ―最強ステータスで世界統一します―

魔法少女どま子

無理難題

「セレスティアよ。そなたはまだ若い。余の言うことは理解できぬであろう」
 エルノスは哀れむように息を吐くと、くいっと王冠を自身の頭につけ直した。
「よいか。国を興すというのはな、そう単純な話ではないのだよ。いつしかわかるようになる。自分の権力がいかに可愛いか……」

「お父様……」
 もはや目も当てられなかった。
 自分の権威に拘泥する権力者。それこそが、セレスティアの最も忌み嫌う指導者だというのに。
「納得できぬという顔をしておるな。だがーー」
 エルノス国王はぱちんと指を鳴らす。

 セレスティアが瞬きをする間に、どこに潜んでいたのか、数名の親衛隊が、いつのまに彼女を取り囲んでいた。品位ある宮居にて、あろうことか槍を構えている。
 その油断ない目つき。一般の騎士とは一線を画している。おそらく王都でも五指に入る、凄腕の戦闘員なのだろう。

 セレスティアはごくりと唾を呑んだ。
 シュンやロニンと違い、彼女の戦闘能力はまるで平凡だ。魔法には秀でているものの、何人もの親衛隊に囲まれては適わない。

「……こ、これはどういうおつもりですか。お父様」

 自分の娘に対し、親衛隊を潜ませるほどの警戒心。
 エルノス国王。やはり普通ではない……

「セレスティアよ。そなたには、シュン国王か、シュロン国、どちらかを選んでもらおう」
「はっ……!?」
「シュンを暗殺するのだ。さすればシュロン国は潰さずにしてやろう」
 ーー暗殺。

 馬鹿な。そんなこと、できるわけがない。
 無言を貫くセレスティアに、国王はさらに畳みかけた。

「それが無理だと言うならば、明日の褒美にて、シュロン国の人間たちに遠方の領土を与える。これで実質、シュロン国は崩壊する」

 こいつ……!
 セレスティアは小さく歯噛みした。
 ここまで内心が腐っていたとは。国王が聞いて呆れる。

「そなたはシュンとかなり親しいのであろう? 知略を巡らせば、できぬことはないはずだ。期日は明日。今夜、必ず成し遂げてみせよ」

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