引きこもりLv.999の国づくり! ―最強ステータスで世界統一します―

魔法少女どま子

国の名前

 料理も食べ尽くされ、宴会もそろそろ終わりという雰囲気になってきた。

 国民たちには、とりあえずわらの住居をひとりひとりに与えている。本格的な建物が完成するまでは、申し訳ないがそこで寝泊まりしてもらうことにしたのだ。

 最初は「人間」と「モンスター」の住居を区画ごとに分けようと思っていた。だがそれでは《共存》という趣旨から外れてしまうため、種族関係なく住処すみかを割り当てたのである。

「ねみー」
「また明日なー」
 国民たちが挨拶もそこそこに、それぞれの家へ帰っていく。そこに種族間の隔たりは一切なかった。昨日までは敵対していた種族間が、たった一日でわかり合えるとは、さしものシュンにも予想外であったが。

 シュンはおもむろに立ち上がると、ひとりでサラダをぱくついているロニンに話しかけた。

「なあ」
「あ……お兄ちゃん」
「これからなんか予定あるか」
「ないよ」
「なら俺んとこ来いよ。話がある」
「いまから……?」

 ロニンが頬を真っ赤に染めた。もう夜更けだ。こんな時間から話ってなんだろう……といろいろ妄想を広げてしまう。

「うん。……わかった」
 シュンはこくりと頷くと、先に家に帰っていった。その後ろ姿を、ロニンはドキドキしながら見守るのであった。



「……おじゃまします」
「おう」

 深夜。
 高鳴る胸を意識しながら、ロニンはシュンの住居を訪ねた。本当はすぐにでも来たかったが、簡単に心の準備ができなかった。それだけ緊張していた。

「まあ、座れよ」
「うん……」

 促されるままに、ロニンはシュンの隣に腰を下ろす。ちなみに地面にも一面、藁が敷かれている。
 長い長い沈黙。
 シュンが珍しく黙りこくっている。
 虫の切なげな鳴き声だけが周囲に響きわたっている。
 穏やかな風のせせらぎが、やけに大きく聞こえる。

「国の名前だけどな」
 開口一番、シュンはそう言った。
「シュロン国……って考えてるんだが……どうだ」
「シュロン……」

 ロニンはその国の名前を反芻はんすうした。
 シュロン。
 鈍いロニンでもわかる。
 シュンとロニン。
 その二つの名を掛け合わせたのだ。

「俺とおまえがいなきゃ成立しなかった国だからな。どうだ」
「うん……いいと思う。すごく」
 ーーそれだけ彼が私のことを考えてくれた証だから。
 そう思うと、なんだか恥ずかしくなってしまうロニンだった。

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