引きこもりLv.999の国づくり! ―最強ステータスで世界統一します―
引きこもりによる国作りへ!
シュン一行は、転移の魔法を使用し、無事に新たな土地に足を踏み入れた。
人類にとって未踏の無人島。そこがシュンの選んだ、新しい国の場所だ。もちろん田畑の開発はされていないが、天候も穏やかで、生き物が住むには心地よい。
見渡すばかりに広がる草原。一行はそこにワープした。
シュンが偵察したときには、すこし離れたところに小川が存在する。そこで魚を釣ることもできる。
穏やかな温風が、大小さまざまな草を優しく揺らす。その暖かな風を身に受けながら、セレスティアは言った。
「……で、これからどうすんの?」
「決まってんだろ。飯を調達しながら家をつくってく」
「……家をつくるって……その資源と技術は?」
「ばかやろ。なんのためにおまえがいるんだ」
「えっ」
「金はあるんだろ? 王都から、資源と人材を調達してきてくれよ」
「あ、あんたっ……!」
セレスティアはぎろっとシュンを睨んだ。これではヒモも良いところではないか。
シュンは両手の平を合わせ、《お願い》のポーズを取った。
「頼むよ、な? これに関しちゃおまえしか頼れねえんだっての」
セレスティアは大きく息を吐いた。
ーー彼が私を連れてきたのはそういう理由もあったか。たしかに指導者たるもの、部下ひとりひとりの適正を見極めることも大切だが……。それに文明のレベルは人間のほうが上でもある。
ふいに、セレスティアはモンスターたちの視線を感じた。
獣型、虫型、さまざまな姿形をしたモンスターたちが、セレスティアに懇願の視線を向けてくる。そういえば魔王城の周辺には、オンボロの木造建築しかなかった。
「う……」
正直、こういう目には弱かった。セレスティアは一歩後退し、観念して両手を振った。
「わかった、わかったわよ。建物は全部私たち人間が受け持つわ」
「やりぃ」
シュンは嬉しそうに指をぱちんと鳴らした。
そんな新・国王の腕を、ロニンは引っ張った。
「ねえお兄ちゃん、私たちは?」
「ん?」
シュンは魔王を見下ろした。
どういうわけか不満そうだ。モンスター側が役に立てないのがそんなに悔しいのか。
シュンはぽんとロニンの頭に手を置き、モンスターたちを見渡しながら言った。
「おまえたちには土地の開墾をやってもらう。その後、農作物も作ってほしいんだが……できるか?」
「うん、できるよ!」
嬉しそうに頷くロニン。
モンスターたちは自給自足で作物を育て上げてきた。それくらい屁でもない。また植物型モンスターの力で、作物の成長を飛躍的に高めることもできる。そのへんは人間側よりも技術が高いといえるだろう。
「よっしゃ、決まりだな」
シュンはぱちんと両手を叩いた。
「各自、作業に取りかかってくれ。今夜は新国の建国祝いで飲み会を開こうと思ってる。夜になったらまたここに集まってくれ」
「はい!」
新・国王の指示に、国民たちは元気のよい返事をした。
人類にとって未踏の無人島。そこがシュンの選んだ、新しい国の場所だ。もちろん田畑の開発はされていないが、天候も穏やかで、生き物が住むには心地よい。
見渡すばかりに広がる草原。一行はそこにワープした。
シュンが偵察したときには、すこし離れたところに小川が存在する。そこで魚を釣ることもできる。
穏やかな温風が、大小さまざまな草を優しく揺らす。その暖かな風を身に受けながら、セレスティアは言った。
「……で、これからどうすんの?」
「決まってんだろ。飯を調達しながら家をつくってく」
「……家をつくるって……その資源と技術は?」
「ばかやろ。なんのためにおまえがいるんだ」
「えっ」
「金はあるんだろ? 王都から、資源と人材を調達してきてくれよ」
「あ、あんたっ……!」
セレスティアはぎろっとシュンを睨んだ。これではヒモも良いところではないか。
シュンは両手の平を合わせ、《お願い》のポーズを取った。
「頼むよ、な? これに関しちゃおまえしか頼れねえんだっての」
セレスティアは大きく息を吐いた。
ーー彼が私を連れてきたのはそういう理由もあったか。たしかに指導者たるもの、部下ひとりひとりの適正を見極めることも大切だが……。それに文明のレベルは人間のほうが上でもある。
ふいに、セレスティアはモンスターたちの視線を感じた。
獣型、虫型、さまざまな姿形をしたモンスターたちが、セレスティアに懇願の視線を向けてくる。そういえば魔王城の周辺には、オンボロの木造建築しかなかった。
「う……」
正直、こういう目には弱かった。セレスティアは一歩後退し、観念して両手を振った。
「わかった、わかったわよ。建物は全部私たち人間が受け持つわ」
「やりぃ」
シュンは嬉しそうに指をぱちんと鳴らした。
そんな新・国王の腕を、ロニンは引っ張った。
「ねえお兄ちゃん、私たちは?」
「ん?」
シュンは魔王を見下ろした。
どういうわけか不満そうだ。モンスター側が役に立てないのがそんなに悔しいのか。
シュンはぽんとロニンの頭に手を置き、モンスターたちを見渡しながら言った。
「おまえたちには土地の開墾をやってもらう。その後、農作物も作ってほしいんだが……できるか?」
「うん、できるよ!」
嬉しそうに頷くロニン。
モンスターたちは自給自足で作物を育て上げてきた。それくらい屁でもない。また植物型モンスターの力で、作物の成長を飛躍的に高めることもできる。そのへんは人間側よりも技術が高いといえるだろう。
「よっしゃ、決まりだな」
シュンはぱちんと両手を叩いた。
「各自、作業に取りかかってくれ。今夜は新国の建国祝いで飲み会を開こうと思ってる。夜になったらまたここに集まってくれ」
「はい!」
新・国王の指示に、国民たちは元気のよい返事をした。
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