ノアの弱小PMC—アナログ元少年兵がハイテク都市の最凶生体兵器少女と働いたら
57話-本来の目的
凄まじい威力の槍を落とそうとしているが、規模が大きい分隙も生じていた。
そのためその攻撃の隙が撤退のチャンスとなった。
願っても無い状況だ。雛樹はガーネットを担ぎワイヤーガンを頭上に向けて放ち、RBは大剣のトリガーを引く。
お互いに落下してくるであろう赤光の槍の車線を避けるようにして上昇した。
直後眼前を閃光となって通り過ぎていく強大なエネルギーの塊がシャフト底部のゲートに着弾。
海中とシャフトを隔てる強固な扉はひしゃげ、そして破砕する。
破砕したそばから大量の海水が溢れ出し、瓦礫と共に押し上がってきた。
ワイヤーガンをさらに上へ打ち込み、浸水し追ってくる海水から逃げようとしたのだが……。
「クソ……ッ!」
上昇していた体が一転、迫ってくる海面に向かい落ちていく。
打ち込み先が悪かったのか、ガーネットを抱えているためバランスを崩したのか、上昇途中でアンカーが外れて落下してしまったのだ。
「仕方ねェな……!!」
途中でそれに気づいたRBは雛樹を救出するため、足場に足を引っ掛け上昇をやめて戻ろうとしたが……。
「来なくてい……!!」
雛樹が伝えきる前に大きな水柱を立てて海水に飲まれてしまった。
「このまま行っても……どうしようもねェか……あれもいることだしな……」
未だ増殖を続けるなりそこないの化け物も海水に飲まれようとしていた。
蘇芳と新田はおそらく隙を見て非常口から退避しただろうが……。
……。
「……っ」
海水に飲まれて落ちる。
BBが放った赤光の槍の熱量が凄まじく、大量の気泡が視界を遮り……さらには浮力を奪っていた。
RBに与えたものと同じ小型の酸素ボンベを取り出し、一度自分が大きくそれで空気を吸った後ガーネットの口にくわえさせ息をさせた。
海中では視界が悪い。因子が宿る左の赤い瞳でならある程度海中でも視界が開け、物も見えるため左目のみ開き破壊されたシャフトのゲートを見下ろした。
熱による気泡が途切れ、破壊されたそこからなにかが入ってきている。
(本土の潜水艇……!?)
まさか、BBの目的はこれだったのか。
本土の潜水艇をここに導き入れるためにゲートを破壊し……そして……そして?
潜水艇をここに入れてどうするつもりなのか。
その潜水艇はみるみるうちに上昇していき、雛樹の付近を通過した。
そのタイミングを見計らってワイヤーガンを潜水艇の壁面に打ち込み、その上昇に便乗する形で海面へ向かった。
未だ浸水を続けるシャフト内部、中層付近まで上がった海面から潜水艇は顔を出し、浮上を完了させた。
鯨でも思い起こさせるような水しぶきを立てて現れたその潜水艇に対し……。
「やっときたか……、ようやくこのクソみたいな環境ともおさらばだな」
付近から本土兵の声がした。
潜水艇と浮上した雛樹はぴったりと潜水艇の壁に張り付くことで発見されないよう、しかし様子を見られる様な位置取りをする。
(まさか逃げずにずっと潜伏してる部隊がいたのか……?)
非常口に仕掛けた爆弾も、その先で待ち伏せていた本土兵も全て非常口から逃走を図ったと見せかけるための行動だったのか。
本命である部隊は潜伏を続け、この潜水艇を待ち続けていたのだ。
そしてさらに気になるものは……潜伏していた本土兵がやけに重装備で担いでいる大きなズタ袋の中身だ。
自分の感覚がおかしくないならば……そう。
そのズタ袋の中身から、今自分が抱えているガーネットの様な気配がする。
そのためその攻撃の隙が撤退のチャンスとなった。
願っても無い状況だ。雛樹はガーネットを担ぎワイヤーガンを頭上に向けて放ち、RBは大剣のトリガーを引く。
お互いに落下してくるであろう赤光の槍の車線を避けるようにして上昇した。
直後眼前を閃光となって通り過ぎていく強大なエネルギーの塊がシャフト底部のゲートに着弾。
海中とシャフトを隔てる強固な扉はひしゃげ、そして破砕する。
破砕したそばから大量の海水が溢れ出し、瓦礫と共に押し上がってきた。
ワイヤーガンをさらに上へ打ち込み、浸水し追ってくる海水から逃げようとしたのだが……。
「クソ……ッ!」
上昇していた体が一転、迫ってくる海面に向かい落ちていく。
打ち込み先が悪かったのか、ガーネットを抱えているためバランスを崩したのか、上昇途中でアンカーが外れて落下してしまったのだ。
「仕方ねェな……!!」
途中でそれに気づいたRBは雛樹を救出するため、足場に足を引っ掛け上昇をやめて戻ろうとしたが……。
「来なくてい……!!」
雛樹が伝えきる前に大きな水柱を立てて海水に飲まれてしまった。
「このまま行っても……どうしようもねェか……あれもいることだしな……」
未だ増殖を続けるなりそこないの化け物も海水に飲まれようとしていた。
蘇芳と新田はおそらく隙を見て非常口から退避しただろうが……。
……。
「……っ」
海水に飲まれて落ちる。
BBが放った赤光の槍の熱量が凄まじく、大量の気泡が視界を遮り……さらには浮力を奪っていた。
RBに与えたものと同じ小型の酸素ボンベを取り出し、一度自分が大きくそれで空気を吸った後ガーネットの口にくわえさせ息をさせた。
海中では視界が悪い。因子が宿る左の赤い瞳でならある程度海中でも視界が開け、物も見えるため左目のみ開き破壊されたシャフトのゲートを見下ろした。
熱による気泡が途切れ、破壊されたそこからなにかが入ってきている。
(本土の潜水艇……!?)
まさか、BBの目的はこれだったのか。
本土の潜水艇をここに導き入れるためにゲートを破壊し……そして……そして?
潜水艇をここに入れてどうするつもりなのか。
その潜水艇はみるみるうちに上昇していき、雛樹の付近を通過した。
そのタイミングを見計らってワイヤーガンを潜水艇の壁面に打ち込み、その上昇に便乗する形で海面へ向かった。
未だ浸水を続けるシャフト内部、中層付近まで上がった海面から潜水艇は顔を出し、浮上を完了させた。
鯨でも思い起こさせるような水しぶきを立てて現れたその潜水艇に対し……。
「やっときたか……、ようやくこのクソみたいな環境ともおさらばだな」
付近から本土兵の声がした。
潜水艇と浮上した雛樹はぴったりと潜水艇の壁に張り付くことで発見されないよう、しかし様子を見られる様な位置取りをする。
(まさか逃げずにずっと潜伏してる部隊がいたのか……?)
非常口に仕掛けた爆弾も、その先で待ち伏せていた本土兵も全て非常口から逃走を図ったと見せかけるための行動だったのか。
本命である部隊は潜伏を続け、この潜水艇を待ち続けていたのだ。
そしてさらに気になるものは……潜伏していた本土兵がやけに重装備で担いでいる大きなズタ袋の中身だ。
自分の感覚がおかしくないならば……そう。
そのズタ袋の中身から、今自分が抱えているガーネットの様な気配がする。
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