AllFreeOnline〜才能は凡人な最強プレイヤーが、VRMMOで偽善者を自称します

山田 武

偽善者と龍人因子 前篇



最果ての草原


 グーの示した方向の森を抜けた先には、"始まりの草原"を黒く染めたような景色が広がっていた。森には名前が表示されなかったが、このフィールドは名前が存在していた。
 ……そういえば、森に俺を襲う魔物は一匹もいなかったのだが、あそこは安全地帯……"始まりの町"の役目を果たしていたのかな?


閑話休題装備準備中


 よし、準備完了。
 現在の装備品はこんな感じだ――


***********************************************************

【装備】

武器1:天魔の創糸/ヤンデレ包丁
武器2:グレイプニル/魔銃イニジオン

防具頭:鬼人王の鉢金
防具胴:断罪のマント
防具上衣:寵愛礼装(上下セット装備)
防具下衣:〃
防具腕:救世の籠手
防具脚:パーティエンス・ブーツ

アクセサリー:ラスト・リング/解放のチョーカー/陣視の隠形コンタクト眼鏡レンズ/挑む者の指輪/時空の指輪/武道の指輪/魔道の指輪/身体の指輪/技能の指輪/自余の指輪

***********************************************************


 何でもできる万能糸と、料理・解体時に使う包丁をメインに据えてある。
 ……まさかヤンの解体が、スキル結晶やアイテムまで解体できるとは。確かに、元のイメージはそれらの他に、記憶やステータスまで解体できるスキルだったが……まさかそこまでできるとは。
 まだまだ成長できるのだが、これから先はどうなるのだろうか。
 スキル共有を発動して共有したのは(高速治癒)(高速再生)(竜人の血脈〔:龍神〕)だ。
 最初の二つは、俺の体力を維持する為。そして、最後のイアから共有したスキルは試したいことがあったから借りてみた。


「……よし!――」

(竜人因子、10割り注入)

 俺は指輪を使って借りたアルカの【思考詠唱】を発動し、(因子注入)を念じると、前と同じように頭の中に言葉の羅列が浮かぶ――


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

竜人因子 10割のオーダーを確認


種族スキル(飛行)の使用を許可

種族スキル(竜魔法)の使用を許可

種族スキル(竜鱗生成)の使用を許可

種族スキル(竜翼生成)の使用を許可

種族スキル(竜爪生成)の使用を許可

……Upgrade
(竜人の血脈:龍神)を確認

種族:竜人が龍人へ改変されました

種族スキル(龍眼)を限定習得しました

種族スキル(龍氣)を限定習得しました

種族スキル(龍化)を限定習得しました

種族スキル(飛翔)を限定習得しました
→(飛行)は(飛翔)に統合されます

種族スキル(龍魔法)を限定習得しました
→(竜魔法)は(龍魔法)に統合されます

種族スキル(龍鱗生成)を限定習得しました
→(竜鱗生成)は(龍鱗生成)に統合されます

種族スキル(龍翼生成)を限定習得しました
→(竜翼生成)は(龍翼生成)に統合されます

種族スキル(龍爪生成)を限定習得しました
→(竜爪生成)は(龍爪生成)に統合されます

……龍人因子の解析に成功しました

因子を注入します――

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 天魔の時と同様に、熱いナニカが体を巡っていった。俺には良く分からないが、(龍神の血脈〔:龍神〕)が化学反応を起こし、俺の変化する種族は龍人に変更されるみたいだ。
 ……熱さが治まると、体の中で今まで感じ取れなかったナニカを感じ取れるようになった。折角だし自分の状態を確認してみると、イアと似たような鱗模様が体の所々に確認できた。イアの鱗の色は蒼玉色だったが、俺の視界に入った俺の鱗の色は光の当たる場所によって異なる色を放っていた。ミントとお揃いだな、うん。
 ステータスの確認は……後で良いかな? 天魔と同じ展開になるなら、あんまり今見ても意味無いしな。
 よし、じゃあ探索開始だ。


しばらくすると
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


GYAGYAGYAGYAGYA!!

イビルゴブリン ???
??? ???
??? ???


 こんなゴブリンが複数現れた。どうやらここのゴブリンも群れで行動しているみたいだな。剣とか鎧とかを装備している、立派(?)なゴブリンだ(錆びてたりしているけど)。
 しかし鑑定が全く効かないな。一応(上級鑑定)だったんだがな~。


GYAGYA GYAA,GYAAAGYA

 アイツに攻撃して来いよ。え~、しょうがないっすね~。みたいなノリで一匹攻撃を仕掛けて来た(こいつ等も会話が出来ない魔物だった。イビル邪悪だからかな)。
 ……うん、今まで出会った野生の魔物中で一番強そうなんだが、それでもまだ倒せそうだな。よし、色々と試してみるか。


("龍化")


 発動させると突然俺の視界は高くなり、自分の体の重さから四足歩行をさせられた。尻の方には尻尾が生え、背中からは翼が、爪は鋭く伸び、先程感じたナニカをより感じられるようになった。


「ギャーーーーーーーーーーーース!!」

GUGIE

 俺が咆哮を上げると、ゴブリン達は怯えるように竦んでいった。……いや、別にスキルとか発動させていないぞ。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(アレンジ)が発動されました

……成功しました

(龍の威圧)を習得しました

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 ……あ、スキル化されたみたいだ。
 (アレンジ)が発動したのを見るの、初めてだな。でも、まだスキルに無かったのか。
 ……そうか、普通はスキル化する必要も無く威圧ができるのか。だから龍には本来なら必要無い威圧を、(アレンジ)で入手可能と言う訳か。よし、謎も分かったし続けるか。


("龍爪生成"+"不可視の手"="不可視の鉤爪")


 先程入手した(龍爪生成)と【怠惰】の能力"不可視の手"を合成させて発動させた。
 半日前に発動させた手より、ゴワゴワとした龍の手が俺の目にだけ視えるように出現する。そして、その不可視な手は、俺の意思通りにゴブリン達に襲い掛かる。
 結果はまぁ……あれだな。


ブチャ、ベチョ、グチョグチョ
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


《邪子鬼の角×5を取得しました》
《邪子鬼の牙×10を取得しました》
《邪子鬼の爪×20を取得しました》
《邪子鬼の肉×20を取得しました》
《邪子鬼の皮×20を取得しました》
《邪子鬼の血瓶×30を取得しました》
《邪子鬼の魔核×5を取得しました》
《スキル結晶:(早食い)×5を取得しました》
《スキル結晶:(大食い)×5を取得しました》
《スキル結晶:(自然治癒)×5を取得しました》
《スキル結晶:(バーサーク)×5を取得しました》
《"錆びれた剣"×2を取得しました》
《"錆びれた盾"×1を取得しました》
《"錆びれた籠手"×1を取得しました》
《"錆びれた鎧"×3を取得しました》
《"古びた杖"×1を取得しました》
《"古びた弓"×1を取得しました》
《"古びた革鎧"×2を取得しました》


 よし、解体完了だ。
 今回も色々と落ちたなー。そろそろスキル結晶を使うのも良いかもな。最近だいぶ増えてきたし、因子もそれなりにあるし。
 あ、そういえばアン、(適応)が発動してないが……。


《メルス様が流れる様に解体作業へ移っていきましたので、(適応)の発動を抑えていました。……実行しますか YES/NO》

「……YES!!」


 すると、再び(適応)が発動する――


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(適応)が発動されました

種族スキル(龍人)の作成を試みます

……失敗しました

過去の経験に(飛翔)(龍魔法)を確認

復元を(飛翔)(龍魔法)に絞り再度試みます

……成功しました

他のスキルは経験が足りません

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 今回は因子を10割注入しているから、一気に注ぎ込まれて気絶……なんてことは無かったな。しかし、経験か~。もう少し戦闘を続ければ経験も溜まるかな?


《恐らくはそうなるかと。しかし、なったばかりの種族の必要経験量となると相当なものになるかと》

(「ま、今までも経験値チート(?)的なものがあったしな。{成長阻害・極}以上の速さで経験値を稼げるし、俺の[不明]のLvも上げたしな」)

《そう……ですね。では、やりましょうか》


 あぁ、始めるとするか。
 俺達の戦いは、まだまだこれからだ!!

 最終回感満載な雰囲気を纏い、俺は周囲に存在する邪悪な子鬼達を退治し始めた。



「AllFreeOnline〜才能は凡人な最強プレイヤーが、VRMMOで偽善者を自称します」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「SF」の人気作品

コメント

コメントを書く