転生貴族の異世界冒険録~自重を知らない神々の使徒~
第二十一話 ドリントル領主
「カイン様、子爵就任おめでとうございます」
「「「おめでとうございます」」」
扉の中のホールでコランとシルビアを筆頭に、メイドたちが整列していた。
「どうもありがとう。この屋敷と行き来をするようになるから、これからもよろしく頼むね」
メイド達は「ハイッ!」と元気よく返事をしてくれた。メイドとしても子爵の屋敷に勤められることは名誉なことらしい。
「コランちょっといいかな。執務室で話したいことがあるんだ」
「はい、かしこまりました」
カインは、メイド達に礼を言い、コランと共に執務室に向かった。
「まさか、ドリントルとは。大丈夫なのですか」
やはりコランもドリントルの街の話を知っていた。
「陛下や宰相から好きにして良いって言われてるしね、色々とやらせてもらうよ。冒険者の街っていうくらいだから、冒険者として一度見てくるのもいいし、今度の週末行ってくるね」
「お気を付けください。と言ってもカイン様はAランクでございましたね。あまり派手にやり、また陛下のお手を煩わせないようにお願いいたします」
「うん。陛下からもこの前「自重できないのかっ!」って言われたばかりだからね」
「陛下からもですか……。いったい何をしたら……」
さすがにステータスについては言えないので黙っておいた。
次の日の学園。
「カイン様、陞爵おめでとうございます」
「カインくんおめでとう!」
テレスとシルクからお祝いの言葉をもらった。
「カイン子爵、陞爵おめでとうございます。まさかあのドリントルの領主とは、まぁ頑張ってください」
裏がありそうな笑顔を向けてくるのは、コルジーノ侯爵の息子のハビットだ。ドリントルの現在の様子を聞いてるらしく、領地経営を失敗するのが目に見えてると、親から聞いているみたいだ。
わざわざBクラスから子分を引き連れて、Sクラスまで挨拶にきた。
「ハビットくん、どうもありがとう。領地経営は初めてだし、代官がいてくれるから頑張ってみるよ」
その後、何事もなく学園の授業が終わった。
カインは制服のまま、南門を出て冒険者ギルドに向かう。
扉を開けて中に入ると、制服姿で来たことで一瞬中にいた冒険者からの視線は感じたが、すぐに目を逸らされた。
以前に、冒険者ギルド内で殺気を放ったことがあり、その時の事を知っている人たちだった。
依頼掲示板を素通りし、顔見知りの受付嬢がいたのでそこに並んだ。
「レティアさんこんにちは」
冒険者登録の時に対応してくれた受付嬢だった。
「あ、カイン様、こんにちは。今日は依頼ですか」
「実は、エディンさんに相談があってきたのですが、大丈夫でしょうか」
「ギルドマスターでしたら、執務室にいると思いますので聞いてきます。それまでそちらでお待ちください」
レティアさんは席を立ち、隣の受付嬢に一言伝言し、奥へと入っていった。
ロビーに座って数分待っていると、レティアさんが戻ってきた。
「カイン様、ギルドマスターがお会いになるそうです。ご案内いたしますのでこちらへどうぞ」
レティアさんの案内で執務室まで案内された。
「レティアです。カイン様をご案内しました」
扉をノックした後にそう告げた。
「どうぞー」
扉の反対から声が聞こえたので扉を開け中に入っていく。
「そこに座って待っててね。あとちょっとでキリがいいとこまで終わるから。レティアは紅茶を頼むよ」
「わかりました。ではカイン様こちらでお待ちください」
レティアはカインを案内したあとに、紅茶を用意するため部屋を出て行った。
すぐに紅茶を出してくれたので、のんびりと待っていると、エディンの仕事が終わったようだった。
「ごめんね、カインくん、おまたせしちゃって」
「いえいえ、こちらこそ約束もないのにすいません」
エディンはカインの対面のソファーに座りレティアのいれてくれた紅茶に口をつける。
「それで今日はどうしたんだい? あ、そういえば子爵陞爵おめでとう。ティファーナから聞いたよ」
「ありがとうございます。そのことで相談があったんです。実はドリントルの領主をすることになったんです。冒険者の街と有名ということで……」
ドリントルの名前を聞いたことでエディンは顔をしかめた。
「あそこの街か……。またひどいとこ受けさせられたもんだね。あそこのギルドマスターはリキセツといってね、もともとはS級冒険者だったんだ。怪我の後遺症の関係で冒険者を引退しギルマスになったんだけど、元々権力に対して好意を持ってないからね、いつも領主と揉めて衛兵ごと追い出されてる。それで今は王の直轄地となっているはずだよ」
やはりエディンは冒険者ギルドエスフォート王国本部長なだけあり、情報には詳しかった。
「今度の週末に一度、ドリントルに行ってみようと思ってるんです。まずは領主としてではなく冒険者として」
「うん。そうだね、一度様子を見てくるといい。僕からもリキセツ宛の手紙を書いておくよ」
「そうしてくれると助かります。できれば穏便に済ませたかったので」
「さすがにそれは無理かな~。あいつは自分より強い相手でないと、言うこと聞かないからな、あ、カインくんなら平気か。何かあればぶっ飛ばしちゃえばいいから」
「そんなに簡単でいいんですか」
「あそこの街は力が全てって感じだからね。リキセツぶっ飛ばしておけば、他が言うこと聞いてくれるでしょ」
エディンの適当な返事で、カインはため息をつく。
「わかりました。頑張ってみます」
「明日には手紙を用意しておくから、ドリントル行く前に顔だしてね!」
「はい、お願いします」
カインはエディンにお礼を言い執務室から退出する。ギルドの用事も済んで帰り際に受付でレティアを見つけ、先ほどのお礼に手を振ると、向こうも気づいて手を振り返してくれたので、快くしてギルドを出た。
「なんとなくイメージは出来たけど、いったいどんな街なんだろう」
カインは空を見上げながらそうつぶやいた。
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