死神始めました

田中 凪

浩太に任せたわけ

sideラグライン
第3回世界会議で浩太が爆弾を落としおった。まったく、彼には驚かせられてばかりだな。今回も、一般常識を無視しおったわ。
オルリント大森林のど真ん中に家を建てた、だと?
かつて様々な国がそれをやろうとしても出来なかったというのに・・・それをいくら強いとはいえ個人で出来るのなら今頃あの森は魔の森と呼ばれておらんじゃろうに。しかも、その後に出してきた妙な魔道具も気になった。ふと、視線を上げてみると、各国のトップ達がこちらに説明を求める目をしていた。やれやれじゃのぅ。
そんな事を思っていたらさらに我らの度肝を抜く発言をしおった。
浩「・・・1週間で全ての国に繋げましょう・・・」
ぶっ、クククククク、笑いをこらえるのが大変じゃわい。1週間で街道を整備するじゃと?彼ならできそうだが・・・

しかし、彼らは心のどこかで面白いことはないのだろうかと思っていた。王になってからは利用しようとする輩や、下についてうまい汁を吸わせてもらおうと言った魂胆の欲望まみれの貴族に囲まれていた。そして、ほとんどの場合が自分たちの要求通りになってしまう。彼らはそれが面白くなかった。この世界に飽き飽きしていたのだ。そして、今、人生で最大とも言えるであろう番狂わせが起ころうとしている。退屈だった王たちはそれに乗った。それが、浩太に任せた理由だった。

「死神始めました」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く