死神始めました

田中 凪

第153話 シゴキの時間その2

俺は【ワープ】で冒険者達を強制的に迷宮へ送った後ある部屋へ移動する。迷宮の隠れ部屋だ。実を言うとこの迷宮は俺が作った特別仕様となっている。例えばここのゴブリン達が殺されれば、とある部屋へと飛ばされ復活を果たす。また、冒険者達にも同じことが言える。ただし、復活する部屋は別々で冒険者のほうは復活したら迷宮の外に放り出される。といった具合だ。
そして、俺がいる階層がそれらの部屋がある。この隠れ部屋では主に迷宮内の監視である。ちなみにこの階層は、ゴブリンは出ないが即死トラップを大量に仕掛けてある。さて、話を戻そう。彼らは未だに1、2階層で手こずっていた。
「な、なんでゴブリンが連携を取ってくるんだよ!」
「ゴブリンっていったら知能が低くてまともに連携も取れねぇはずだろ!?」
「しかも、それだけじゃねぇぞ!個々の戦力でさえ段違いだ!」
と、ゴブリンだからと油断していた冒険者達は悲鳴をあげる。ああ、愉快愉快。それと、この迷宮にいるゴブリン達は俺が召喚して一から育て上げた従魔なんだ。そこらの雑魚ども相手に苦戦するはずがない。していたら叩き直してあげないとな。ちなみにこの子達は人の言葉を理解しています。
お、最後のパーティが死んだな。じゃあ戻るか。
迷宮の前に戻ると逃げ出そうとしたやつが結界に阻まれ、身動きが取れなくなっていた。ププ、そんなことを考えていないと思ったのか?だとしたら、お前達のほうがバカだな。
「よーし、ひととおり終わったな。今日はどれだけこの迷宮の攻略が難しいかわかっただろうから、明日はどう動くかをよーーーく考えておくように。飯と寝床は俺がもってやる。見張りもいらないから明日どうするかでも話し合っておけ。」
そう言って俺は大なべを取り出し料理を始める。

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