死神始めました

田中 凪

第148話 変な依頼その2

あのクエストを受けて俺らは迷宮都市エルブスに来ている。ちゃんと変装もしている。ギルドの受付へ行きギルマスからの手紙を渡す。最初は怪しんでいたが読んでいくうちに納得したようで、
「わかりました。この事はギルドマスターに報告しておきますね。」
と、営業スマイルで言われた。そして、小さな声で
「ギルドカードにあるランクは適当にごまかしておいてください。」
と、言われた。
俺らがギルドを出ようとすると、ある冒険者パーティが
「ここは坊ちゃんみたいなのが来るところじゃないぜ。さっさと帰ってママに泣きついておきな。」
「ねーちゃんたちは俺らと一晩付き合ってもらうぜ。」
などと絡んできた。自分と相手の実力差もわからないような雑魚が絡んでくるとは、その高くなりきった鼻をへし折ってやんよ。
「は、笑えるぜ。お前らみたいな雑魚に構ってる余裕はねぇんだ。さっさと他にあたんな。」
と煽るとすぐさま反応する。
「ガキがなめてんじゃねぇぞ!」
「そこまで言うなら俺たち『疾風迅雷』が直々に相手にしてやるよ!」
「負けて泣くなよ、ギャハハハ!」
周りで見ていたランクB−以上の冒険者たちは、バッカじゃねぇの?という視線を『疾風迅雷』に浴びせていたが、彼らはそんな事を知る由もない。
ギルドの地下にある練習場では普段、冒険者たちが自分の技を研究したり盗もうとする者たちであふれかえっていたがこの日だけは違った。なぜなら4人の冒険者パーティ『疾風迅雷』と1人の少年が向かい合っていたのだから。そこだけは以上な空気が流れており、誰1人として動こうとは否、動けなかった。
「これから4対1で模擬戦を始めます。どちらも致命傷になる攻撃は与えないでください。それでは、はじめ!」
とギルド職員が言った瞬間、俺は地面を蹴り1人の男の鳩尾みぞおちに頭突きをかまし、唖然としている3人の冒険者には、背後に回り手刀を首に落とし気絶させる。この間わずか数秒。
いやー、雑魚は雑魚だな。

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