死神始めました

田中 凪

第45話 帝国では

浩太が一人で帝国軍と戦っている頃、帝国では会議室にてその様子を観察していた。
「あんな小僧一人になにができる?さっさと終わらせてしまえ。」
そう言ったのは帝国軍軍長ヨーラダン=エドックである。しかし、これは彼の意見ではない。この場にいる全員がそう思っているのだ。しかし終わってみれば全滅である。
「バカなっ!奴は何者なのだ?!帝国軍数万が一人に負けるなど一体どうなっているのだ!」
これもまた軍長の感想である。
「まあ良いではないか。おかげで奴の実力が分かったのだから。アレを使えば倒せるであろう。」
これは皇帝の意見である。
「! しかしアレはまだ我々には扱えませんぞ。どうするのですか?」
これはある魔法学者の意見である。
「別に構わんだろう。」
「⁈  わかりました。調整をしておきます。」
こうして妙な空気の会議?は終わった。
その後皇帝は地下牢のとある場所ヘやってきたのだった。その中には皇帝と同じ顔があった。本物は幽閉されている方だ。
「どうですかね?早く許可しますか?」
「死んでもしない!」
「チッ。おーいだれかてつだってくれ。このじーさんまた受けたいらしいゼ。」
実はこの国の皇帝は幽閉されて成りすました奴が政治をやっている。そして彼らが皇帝に許可させようとしているものは、皇位継承権についてである。今のままやれば良いだろうが国民の反感を買ってしまうかもしれないためだ。

コメント

コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品