日本円でダンジョン運営

sterl

平穏は訪れないけど平和

「ソウジよ!ダンジョンの外に連れていって欲しいのじゃ!」

 ようやく平穏な日常が戻ると思っていたところで、ジョセフィーヌに乗ったサンが話しかけてきた。サンがジョセフィーヌに乗っていなければ、今にも飛び付かれて倒されて馬乗りされそうな勢いだ。

「お願いなのじゃ!」

「お願いって言ってもなぁ」

 モンスターがダンジョンの外で過ごせるようにするのは意外と金が必要だ。ラスボス、即ちジョセフィーヌなら金がかからないのだが、中ボスや大ボス含む通常のモンスターは1体毎に1分1000万円だ。流石に損失が大きすぎる。

「ワォン!」

「ジョセフィーヌも行きたいのか?」

「ワン!」

 なら行かないという選択肢は無いんだが……。ジョセフィーヌ曰くサンも連れていこうとのことだ。ダンジョンの領域内だったら問題ないんだけど……。ん?領域、そうか!

「この手があるか! ジョセフィーヌ、サン、ちょっと待っててくれ」

「ワンワオン!」

「わかったのじゃ」

 コアルームのログハウスに転移。ダンジョンコアからダンジョンの構築画面を開く。選択するのは“ダンジョン外”の領域設定。もともと付属している機能で、一定の金額を支払えばダンジョン外まで領域を拡張できるというものだ。
 この機能を利用し、街まで領域を広げて街もダンジョンの領域内にする。1兆円も使わなければならなかったが、必要経費だと思えば安い。

 すぐさまジョセフィーヌとサンの待つ場所へ転移する。

「よし、じゃあ、今外は夜だから明日行こうか」

「ぬ?なら明日まで我慢するのじゃ」

「わふぅ」

「落ち込むなって。ちゃんと明日行くから」

「ワン!」

 明日は街か。前は観光らしい観光はしなかったからな。明日しっかり見ておきたいな。外泊するのもいいかもしれない。

コメント

  • ノベルバユーザー346007

    設定はいいけど
    主人公の性格とか立ち居振る舞いがあまりにも矮小すぎて草
    こういうヘコヘコ系主人公流行ってるの?

    0
コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品