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悪夢

 深い闇の中を漂っていた。

 深く、沈むような闇。

 万物を呑み込み、0に還す闇の中。

 やがて、自分が闇に解けていく。

 自分という存在を変えるように。

 0に解かれ、無価値に変えられていく。

 無価値の奔流が、命が流れていく。

 その波に、自分が呑み込まれるように、紛れるように……



 ――――――



「……ッ!」

 意識が浮上していく。

「……ンッ!ワン、ワンッ!」

「っ、はぁはぁ、ここは」

 ジョセフィーヌの声で飛び起きた。

 ここは、コアルームのベッドか。いつの間にか寝てしまったのか。服が汗でびっしょり濡れて気持ち悪い。悪夢でも見ていたのだろうか?

 ……どんな夢を見ていたのか忘れてしまった。なにか、信じたくないような何かを、忘れているような――

「うぐっ、あた、まがっ」

「ワウゥ?」

 頭が、痛い。張り裂けそうだ。忘れた夢を、思い出そうとすればするほど、痛みが増す……っ!

「ワフ、ワンワン」

「ぐぅっ、ふー、ふー。ありがとうジョセフィーヌ。だいぶ落ち着いたよ」

「ワン!」

 私は、何を忘れてしまったんだ?どんな夢を見たんだ?

 ……そうだ!早くカオスゴッドに会いに行かないと。アンライバルトに会った後すぐに寝てしまったようだし。とりあえず99階層の様子を確認するか。

 ダンジョンコアを見ると、35階層に侵入者がいるとなっていた。まさかとは思うけど、もう獣王が来ているんじゃないか?

 35階層の様子を見ると、サンドガーディアンと戦う、王様っぽい豪華な服を着た二足歩行のライオンがいた。3日も経ってないぞ?

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