日本円でダンジョン運営

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腐敗と邪毒の階層

 時間がここまで余りかからなかったため、明日に来るつもりだった96階層に来ていた。もちろんジョセフィーヌもいる。

 96階層はイヴィルゴッドスライムのいる階層だ。だが、見渡す限り一面の沼でどこにいるのか全くわからない。さて、どうするか。

「ワンワン!」

「乗れって言ってるのか?」

「ワンッ」

 どうやらジョセフィーヌが背中に乗せてイヴィルゴッドスライムのいる場所まで連れていってくれるらしい。ジョセフィーヌ凄いな。頼ってればなんでもしてくれるんじゃないか?

 ジョセフィーヌの背中に跨がり、体重を乗せる。すると、ジョセフィーヌが走り始めた。……空中を。

「ワオォォオン!」

 よくみると、ジョセフィーヌを虹色の光がうっすらと包んでいる。この能力は……スキル界星の力だろう。やはりジョセフィーヌは強いな。

 ジョセフィーヌが走る速度はかなり速い。眼下の景色が流れ星のように過ぎ去っていく。普通これだけの速さで野晒しの状態だったら落ちそうだけどな。その辺りもジョセフィーヌがなんとかしているのだろう。流石ジョセフィーヌ。

「ワフゥ」

 お、着いたようだ。ジョセフィーヌが螺旋を辿るように地面へ降りていく。眼下の沼の違いがわからない。ここに本当にイヴィルゴッドスライムがいるのか?

「アオォォオオォオン!」

 いまだに浮遊したままのジョセフィーヌが吠える。そして、ジョセフィーヌから光の波動が放たれた。

――ズズズズ

 そんな音と共に、沼全体が隆起しはじめた。沼の色が徐々に毒々しい色合いになっていき、鼻につく腐敗臭が広がっていく。そして、巨大なスライムの姿を形造っていく。

 変化が終わりそこにいたのは、階層全てを多い尽くすような、購入したときよりも大きくなったイヴィルゴッドスライムだった。

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