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影虚の階層と尖光

 休憩の後すぐに95階層にやって来た。94階層と対照的に、濃密な暗闇に包まれた階層だ。ジョセフィーヌが刺々しい光を生み出すことでどうにか視界を保てている。

「ジョセフィーヌ、ここも頼めるか?」

「ワンッ!」

 やっぱりジョセフィーヌはなんでもできるんだな。頼りすぎか?

「アオオォォオォオオン!」

 先程と同じようにジョセフィーヌが吠えると、ジョセフィーヌから荒々しい鮮烈な光が溢れだす。
 その光は、漆黒の闇を切り裂きながら広がり、あっという間に白い部屋が姿を表した。

「ほー、それはフォスの力かい?君、凄いね」

 そして、白髪の黒いタキシードを着た少年が部屋の中央から歩み寄ってくる。
 まさかとは思うけどな。これがマルムルーナじゃないよな。

「あの、どちら様ですか?」

「君、それでもダンジョンマスターかい?はぁ。仕方ない、教えてあげるよ。ボクの名前はマルムルーナ。影虚神だ」

 ああっ、なんでどいつもこいつも姿が変わるんだ。マルムルーナはただの月だっただろう。

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