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遠くの山へ

「お、これとか美味しそうだな。ジョセフィーヌ、食べるか?」

「ワンッ」

 手を伸ばし、木に成る赤いリンゴのような実を2つもぎ取る。
 片方をジョセフィーヌに渡し、自分用に取っておいたリンゴのような実に齧り付く。味は桃のようで、食感は柿のようだ。ひねりはあるが、普通に美味しい。
 ちなみに、食べる必要がないからといって食べられない訳じゃない。美味しい物を好きなだけ食べられるのだ。便利な体になったものだ。

「ワオンッ」

「そうか美味しいか、それは良かった」

 どうやらジョセフィーヌの口にも合ったらしい。

「他にも食べたい実はあるか?取ってくるよ」

「ウー、ワフ」

「そんなに私を気遣わなくてもいいんだぞ?」

「ワフワフ」

「そこまで言うなら仕方ないか。それじゃあ、先に行こうか」

「ワンッ!」

 ジョセフィーヌはタナトスオレイノスを目指しているようだが、まだまだ遠い。これは今日中に行けるか?それぞれの階層の入口と1度行った場所にしか行けないのがかなり厳しい制限だな。

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