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最高戦力

 今、私の前には多種多様なモンスターが勢揃いしている。ここまで揃うと壮観だな。

「まずはゾンビの配下から紹介します。冥土、暴虐、殺戮。それがこの者達の名前です」

「よろしくお願い致します」

「クボフゥア」

「ウェアキキキ」

 アドゥルは、3体のゾンビを前に出して言った。メイド服を着たゾンビの冥土。身体中の筋肉が以上なまでに膨れ上がり、ボロボロに朽ちている暴虐。この2体は私も知っている。冥土のせいで暴虐に殺されかけた。
 殺戮と呼ばれたゾンビは、一言で言い表すなら大男だ。身長が3メートルほどある逞しい腐った肉体に薄汚れた服。そして、両手には大鉈を持っている。

「続いて、幽霊の配下です。幻影、恐怖。出てきなさい」

「「よ、よろしくお願いします」」

 アドゥルに呼ばれて出てきたのは、2人の少女の幽霊だった。顔や背丈など全てが瓜二つで、まるで双子のようだ。いや、恐らく双子なのだろう。この子達は私を見て怯えてるようで、震えながらお互い抱き合っている。この子達だけ名前と合わない気がするな。

「最後に、悪魔の配下を紹介しましょう。傲慢」

「グルルル」

 傲慢と呼ばれたそれは、グリフォンの見た目をしている。アンデットではない気がするが……アドゥルにとっては悪魔もアンデットと同類なのだろう。

「憤怒、嫉妬」

「グルアァ」

「シャー」

 憤怒の見た目は、4足歩行のドラゴンだ。背中に小さな羽がついてるけど、飛べるのか?
 嫉妬は大蛇の姿をしている。そう言えば憤怒もそうだけど、どうやってここに入ってきたんだ?

「怠惰、強欲」

「クルオオオォオ」

「クァー」

 怠惰は燃え盛る鳥だ。先程からゾンビ達と双子の幽霊が近付かないから、恐らく聖なる力を持っているのだろう。フェニックスか?悪魔じゃないだろ。
 強欲はカラスだ。なんの変哲もないカラスだ。

「暴食、色欲」

「「「ガウッ」」」

「メエェエ」

 暴食はケルベロスとしか表現できない。頭が3つある大きな犬だ。
 色欲はヤギだ。……ヤギだ。

「この悪魔達は我が初めて蘇ったときに、世界中にいた所を手懐けました。見た目こそ弱そうな者もいますが、実力は相当な物です」

 そう言えば今更だが、傲慢、憤怒、嫉妬、怠惰、強欲、暴食、色欲、これって七大罪じゃないか?

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