日本円でダンジョン運営
side ダニエル part 6
ゴーン…… ゴーン……
「そんじゃあ、調査派遣に出発すっぞ。ダニエル、案内しろ」
「わかりました」
始まりの鐘が鳴り響く中、どこにでもいそうなおじさんが口を開いた。今この場にいるのは、俺とカレン、ナーダルとラム。それに、このおじさんだ。
一見するとただのおじさんなんだけど、驚いたことにこれでもギルドマスターなのだ。ただのおじさんにしか見えないのに、現Sランク冒険者であり、《地味な竜殺し》というあまり嬉しくなさそうな異名も持っている。しかし、本名は誰も知らない。だから誰もがおじさんと呼ぶ。
そんなおじさんがなぜ調査派遣に同行するのかというと、理由は単純だ。ナーダルが50階層はあると言ったことを、俺がありのまま報告したからだ。そのせいで、近場に深いダンジョンができたと知ったおじさんが興味を持ったのだ。
おじさん以外に同行者がいないのは、ギルドマスター以外にダンジョンの場所を知る俺たちしか必要ないからだ。ギルドマスターが言ったことは絶対の証明になるし、深くまで潜るにもギルドマスターより強い人はこの街にはいない。
しかし、みんなあまり乗り気じゃないな。カレンはあくびを噛み殺しているし、ナーダルは昨日のこともありゲッソリとしている。ラムは相変わらず無表情で何を考えているのかは解らないが、少し肌がツヤツヤしているように見える。宿屋の主人に「いつも楽しみすぎじゃないですかねぇ」と言われたのも仕方ないだろう。
そんなことを考えながら歩いていると、ダンジョンの入口が見えてきた。ここまでなんの会話もなかったな。おじさんも何か考え込むだけだし。
「おじさん、着きましたよ」
「お、わりぃわりぃ。ここがそのダンジョンだな?そんじゃ、お前らはここで待っとけ。俺だけで行ってくる」
おじさんはそれだけ言うと、ダンジョンの中へ駆けていった。
「なにする?」
「なにって、待つだけでしょ。それにしても、おじさんってなんか変よね」
「確かにそうだな。何か隠してる節がある」
「おじさんは転移者って噂もあるわよ」
「そうなのか」
その後も何をするでもなく話を続けた。そして、おじさんがボロボロになって帰ってきたのはそこから5時間後のことだった。
「そんじゃあ、調査派遣に出発すっぞ。ダニエル、案内しろ」
「わかりました」
始まりの鐘が鳴り響く中、どこにでもいそうなおじさんが口を開いた。今この場にいるのは、俺とカレン、ナーダルとラム。それに、このおじさんだ。
一見するとただのおじさんなんだけど、驚いたことにこれでもギルドマスターなのだ。ただのおじさんにしか見えないのに、現Sランク冒険者であり、《地味な竜殺し》というあまり嬉しくなさそうな異名も持っている。しかし、本名は誰も知らない。だから誰もがおじさんと呼ぶ。
そんなおじさんがなぜ調査派遣に同行するのかというと、理由は単純だ。ナーダルが50階層はあると言ったことを、俺がありのまま報告したからだ。そのせいで、近場に深いダンジョンができたと知ったおじさんが興味を持ったのだ。
おじさん以外に同行者がいないのは、ギルドマスター以外にダンジョンの場所を知る俺たちしか必要ないからだ。ギルドマスターが言ったことは絶対の証明になるし、深くまで潜るにもギルドマスターより強い人はこの街にはいない。
しかし、みんなあまり乗り気じゃないな。カレンはあくびを噛み殺しているし、ナーダルは昨日のこともありゲッソリとしている。ラムは相変わらず無表情で何を考えているのかは解らないが、少し肌がツヤツヤしているように見える。宿屋の主人に「いつも楽しみすぎじゃないですかねぇ」と言われたのも仕方ないだろう。
そんなことを考えながら歩いていると、ダンジョンの入口が見えてきた。ここまでなんの会話もなかったな。おじさんも何か考え込むだけだし。
「おじさん、着きましたよ」
「お、わりぃわりぃ。ここがそのダンジョンだな?そんじゃ、お前らはここで待っとけ。俺だけで行ってくる」
おじさんはそれだけ言うと、ダンジョンの中へ駆けていった。
「なにする?」
「なにって、待つだけでしょ。それにしても、おじさんってなんか変よね」
「確かにそうだな。何か隠してる節がある」
「おじさんは転移者って噂もあるわよ」
「そうなのか」
その後も何をするでもなく話を続けた。そして、おじさんがボロボロになって帰ってきたのはそこから5時間後のことだった。
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