日本円でダンジョン運営

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side ダニエル part 5

 俺は宿屋に連れ去られるナーダルを尻目に、ギルドに報告に来ていた。ナーダルは……、理不尽だがこれは仕方ないんだ。うん。
 今はナーダルの冥福を祈りながら、ギルド員の女性にあのダンジョンについての報告を終えたところだ。

「調査派遣は明日になります。始まりの鐘がなるまでにここに来てください」

 やっぱりそうなるよね。始まりの鐘は朝方に鳴る鐘だ。ほかにも、太陽が少し昇った時に鳴る希望の鐘。太陽が空の頂点に在るときに鳴る破邪の鐘。そこから太陽が少し降りたときに鳴る未来の鐘。夕方に鳴る終わりの鐘がある。時刻みの魔道具によると、それぞれ、始まりの鐘が6時、希望の鐘が9時、破邪の鐘が12時、未来の鐘が15時、終わりの鐘が18時と聞いたことがある。意味は解らないが、この数字が1日の時間を表しているらしい。

 とにかく、調査派遣に発見者として加わるのが義務だ。そのせいで朝早くからの用事が入ってしまった。明日は冒険に行かずカレンとデートする予定だったんだけど、冒険者として俺もカレンも上部の命令には逆らえない。

「わかりました」

 はあ、今は気持ちを切り替えよう。明日の調査派遣であのダンジョンの存在が正式に認められたら金貨1枚貰えるんだ。これほど良いことは無いだろう。

 それにしてもあのダンジョンは何階層あるんだ?今日行ったのは11階までで、森林が広がっているのが見えたけど……。ナーダルは50階層は少なくともあると言っていた。だけど、たしか森林の階層があるダンジョンは総じて70階層以上であることが確認されていたはずだ。攻略者になったところで、踏破できはしないのではないだろうか?

 そんなことを考えながら歩いていたら、いつの間にか宿屋の前に着いていた。耳を澄ますと、木が軋む音が聞こえる。
 いつものアレだろうな。まだ夕方なのだが、まあ仕方ない。となるとカレンが待っているだろうし、早く部屋に戻るか。

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