日本円でダンジョン運営

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説明回 ①

――人物(&ジョセフィーヌ)篇――


笹原宗治ささはらそうじ 25歳

 言わずと知れたこの物語の主人公。
 山奥の豪邸で、特に豪遊もせずにジョセフィーヌとひっそりと暮らしていた。
 日本一の大富豪家系と呼ばれる笹原家の長男で、その個人資産は約一兆円。笹原財閥に連なる大小様々な企業から毎月百万以上の大金が流れてくるが、それが日常なので本人には大金を持っている気がない。
 幼少期から、本気を出すと他の追随を許さない天性の才能の持ち主。具体的には、株を利用し3日で千億稼げるほど。
 家事は全て使用人に任せていて、娯楽にも特に興味はなく、日々退屈していた。
 異世界転移後は、自ら"獣神の混沌迷宮"と名付けたダンジョンを運営していく。今後どうなっていくかは今はまだわからない。



ジョセフィーヌ 6歳

 笹原宗治の愛犬であり、"獣神の混沌迷宮"のボスモンスター。
 笹原に強化され知力が一般的な人間を越えても、笹原宗治に仕え続ける。実は言葉を完全に理解しているが、声帯が犬のままなので話すことはできない。
 モンスターになったこと以外はごく普通のゴールデンレトリバー。



神の使い(自称) ?歳

 神の使いを名乗る謎の男。正体不明で何のために笹原をダンジョンマスターに仕立て上げたのかも不明。
 笹原に一通りの説明をした後に、転移させるだけして本人は消えてしまった。



ライオス・アリア・ヴォルドー 31歳

 獣国ヴォルドーを統治する現国王。最強の獣人種である獅子人族の長でもある。
 元々ユニークスキルである獣神の持ち主だったのだが、ジョセフィーヌが獣神を手に入れたことにより獣神を失ってしまった。
 現在は新たな獣神の持ち主を見つけるため奮闘している。



ダルス・ルドルフ 26歳

 代々王族に仕えるルドルフ家の末裔。虎人族である。現国王ライオスの側付きでもある。
 ルドルフ家の者には、子供の時から感情をあまり動かさないよう教育が施されている。
 ルドルフ家にとって、その時の王こそが全てである。たとえ下克上により王が代わったとしても、それは変わらない。
 ルドルフ家には、総じて自分の意思というものが無い。あるのは、王への忠誠心と今のルドルフ家を存続させようという掟だけだ。



――ダンジョン篇――

ダンジョン

 世界の各地に点在する魔物が住まう異空間。入口は地上に洞窟のようにして存在することが多い。
 ダンジョンの中は外界とは切り離された異空間である。その中には、多数のモンスターや罠が存在し、危険だ。しかし、モンスターから採れる素材やダンジョン内に存在する宝を求めて冒険者がひっきりなしに訪れる。
 ダンジョンの中は洞窟のみならず、様々な環境が存在する。それは草原だったり火山だったりと、ダンジョンによって様々だ。
 基本的には階層ごとに構成されており、地下へ行くほどモンスターが強くなる。



 洞窟階層

 たった10円で購入できる基礎の環境。洞窟内は常に薄明かるい光で満たされている。
 特にこれと言った特徴はない。強いて言えば小さなダンジョンで多く使われている。



森林階層

 10000円と少し高めな環境。空には疑似太陽が浮かび、夜も存在する。
 名前の通り全てが森林となっている環境で、様々な植物が自生する。また、所々に湧き水の泉も存在する。
 蚊などの虫も大量にいるので、対策が必須。



迷宮階層

 10000円と少し高めな環境。白亜の壁がどこまでも続き、常に明るいので時間感覚が狂わされる。
 通路や部屋を通常よりも安く購入でき、1度設置した罠は自動かつ無料で再設置される。



砂漠階層

 10000円と少し高めな環境。空には疑似太陽が浮かび、昼は灼熱、夜は極寒の気温差が激しい。
 この気温変化に耐えられるモンスターしか生き残れない。それは冒険者も同じで、しっかりと対策をしなければあっさり死んでしまう。
 ごく稀にオアシスが存在するが、モンスターもそこに集まる傾向がある。



暗黒洞窟階層

 10000円と少し高めな環境。基本は洞窟階層と同じだが、常に闇に包まれている。
 闇の中を自由に過ごせるモンスターでなければストレスで死亡する特殊な環境だ。



海底階層

 10000円と少し高めな環境。あらゆるものが海底に存在する。水面は疑似太陽によって照らされているが、どれだけ浮上しても水面には出ない。
 水中での呼吸手段が無ければあっさり死んでしまう、上級者殺しの環境だ。



溶岩洞窟階層

 1000000円とかなり高い環境。基本は洞窟階層と同じだが、常に摂氏1000度の熱気で包まれている。また、通路の両脇には溶岩が流れ、部屋には溶岩池が存在する。
 熱への対抗手段が無ければ、どんな生物であろうと一瞬で焼き尽くされ死んでしまう。



浮遊島階層

 1000000円とかなり高い環境。下の階層と吹き抜けになる珍しい環境で、空には疑似太陽が浮かぶ。
 この環境にはいくつかの島が空中で浮遊しており、その内の1つに下の階層への転移魔法陣がある。つまり、空を飛べなければ最初に降り立った島しか探索できない。しかも、モンスターは飛べる必要はないので理不尽さが垣間見える。
 島は様々な環境を個別に設定できる。しかし、その都度環境の購入をしなければならない。
 ダンジョンマスターにとって自由度が高く、モンスターが有利な環境だ。



遺跡階層

 10000円と少し高めな環境。
 これと言った特殊な効果はなく、ただの雰囲気が出るだけの環境。しかし、なぜか遺跡階層で手に入れた宝は高く売れる傾向にある。



――モンスター篇――


スケルトン

 死霊系の最下位種。ダンジョンで発生する他、一般人の遺骨が魔力を得てスケルトンになることがある。
 力は弱く、子供でも殴れば倒せる程度。



スケルトンソルジャー

 スケルトンの上位種。ダンジョンで発生する他、戦士の遺骨が魔力を得てスケルトンソルジャーになることがある。
 剣を扱うが、それさえ気を付ければ子供でも倒せる程度。



ゴブリン

 亜人系の最下位種。ダンジョンで発生する他、ダンジョンから出てきたゴブリンが繁殖して増える。
 個々の力は弱く子供でも殴れば倒せる程度だが、常に集団で行動するので注意が必要だ。
 雄しか存在せず、他種族の雌と交配し増える。主な対象とされるのが人間の少女だ。集団で拐い、少女が死ぬまで孕ませ続ける。ゴブリンの胎児は成長が早く、受精してから3日で産まれる。また受精率が非常に高く、1度に最低10匹以上を産むこととなる。



ゴブリンソルジャー

 ゴブリンの上位種。ダンジョンで発生する他、ゴブリンが戦士と交配することにより産まれることがある。
 剣を扱い、集団で攻めてくるので子供では負けてしまう。
 通常のゴブリンと同じく雄しか存在しない。また、ゴブリンソルジャーの子はほとんどの場合ゴブリンソルジャーになる。



ゴブリンアーチャー

 ゴブリンの上位種。ダンジョンで発生する他、ゴブリンがエルフと交配することにより産まれることがある。
 弓を扱うが、精度がとても低いので簡単に避けられる。集団に気を付けてさえいれば子供でも勝てる程度。
 通常のゴブリンと同じく雄しか存在しない。また、ゴブリンアーチャーの子はほとんどの場合ゴブリンアーチャーになる。



ゴブリンエース

 ゴブリンの上位種。ダンジョンで発生する他、ゴブリンの子がごく稀にゴブリンエースとして産まれてくる。
 ゴブリンを統率し連携力を向上させるので、大人数人がかりでないと対処は難しくなる。
 通常のゴブリンと同じく雄しか存在しない。また、ゴブリンエースの子はほとんどの場合ゴブリンの上位種になる。



ストーンゴーレム

 クレイゴーレムの上位種。ダンジョンで発生する他、錬金術により生み出される。
 頑丈で、壊されることは早々ない。大人数人がかりでないと倒せないだろう。



アイアンゴーレム狼型

 ストーンゴーレムの上位種。ダンジョンで発生する他、錬金術により生み出される。
 通常のアイアンゴーレムより機動力が上昇している。それ以外は通常のアイアンゴーレムと同じだ。
 文字通り鉄なので、腕に覚えのある冒険者でないと倒せない。



サンドワーム

 ワームの上位種。ダンジョンで発生する他、ワームが突然変異し発生する。
 見た目は全長10メートルの巨大なミミズで、砂色をしている。
 砂漠の環境に適応し、地中からの奇襲攻撃を得意とする。砂漠で地震が起きたら大体サンドワームのせい。
 冒険者が数人いてようやく勝てる程度。



サンドスコーピオン

 スコーピオンの上位種。ダンジョンで発生する他、スコーピオンが突然変異し発生する。
 見た目は人間の子供ほどの大きさのサソリで、砂色をしている。
 砂漠の環境に適応し、毒による攻撃を得意とする。刺されれば、しばらくの間全身を燃えるような痛みが支配する。
 冒険者1人では少し危険。



バット

 一応モンスターとされているが、実際はただの吸血コウモリ。



アストラル

 死霊系の下位種。ダンジョンで発生する他、人間の魂が魔力を得てアストラルになることがある。
 暗闇で人間に近づき、魂だけを抜き取る。魂を抜き取られた人間はゾンビになる。
 魂を抜き取られると言っても、半透明で物理的に触れるので子供でも追い払える。



スライム

 流体系の下位種。ダンジョンで発生する他、スライムが分裂して増える。
 足を絡めとり集団で一気に補食してくるので、スライムの集団の前で隙を見せては非常に危険。
 炎に弱く、マッチの火さえあれば子供でも勝てる。



テンタクルスライム

 スライムの上位種。ダンジョンで発生する他、スライムが突然変異して生まれる。
 体の一部を触手のように伸ばすことに長けており、スライムの集団に紛れて全身を拘束する担当を担う。
 炎に弱く、バーナーの火さえあれば子供でも勝てる。



テンタクルカイザースライム

 テンタクルスライムの上位種。ダンジョンで稀に発生する他、テンタクルスライムが突然変異して生まれる。
 同時に100本以上の触手を扱い、人間の服を器用に剥がして肉体のみを喰らう。
 炎に弱く、キャンプファイヤーの炎さえあれば子供でも追い払える。



マグマスライム

 フレアスライムの上位種。ダンジョンで発生する他、フレアスライムが突然変異して生まれる。
 見た目は完全にマグマで、摂氏1500度の肉体を持つ。
 液体窒素を当て続ければ子供でもなんとか勝つことができる。ただそんなことをするのなら魔法を使った方が早い。



ワイバーン

 亜竜系の上位種。ダンジョンで稀に発生する他、地上の巣でひっそりと暮らしている。
 見た目は地球の神話に出るような姿そのままだ。
 性格は凶暴だが、1度主と認めた相手には従順。そのため、竜騎兵の竜としても利用される。
 その力は亜竜と言えども強く、並の冒険者では歯が立たない。



ウルフ

 獣系の最下位種。一応モンスターとされているが、実際はただの狼である。



ウルフリーダー

 ウルフの上位種。ダンジョンで発生する他、ウルフの才能ある個体がウルフリーダーになる。
 他のウルフを統率し、連携力を向上させるので注意が必要。



ウルフソルジャー

 ウルフの上位種。ダンジョンで発生する他、ウルフの力ある個体がウルフソルジャーになる。
 通常のウルフに比べて単純に力が強い。



サンウルフ

 ウルフの上位種。ダンジョンで発生する他、ウルフが突然変異して生まれる。
 気温変化に強くなる。力はウルフソルジャーと同等程度。
 日光浴を頻繁にする。



ホーリーウルフ

 サンウルフの上位種。ダンジョンで発生する他、サンウルフが日光の魔力を浴び続け突然変異した個体。
 聖魔法を使えるため、いくらダメージを与えても回復してしまう。



シェイドウルフ

 ウルフの上位種。ダンジョンで発生する他、ウルフが突然変異して生まれる。
 気配操作に長けている。力はウルフソルジャーと同等程度。
 暗闇を見通すことができ、闇の中を自由に動き回れる。



ダークウルフ

 シェイドウルフの上位種。ダンジョンで発生する他、シェイドウルフが闇の魔力を食らい続け突然変異した個体。
 物理的に闇に紛れることができ、死角からの不意打ちを得意とする。また、闇魔法が使えるので厄介なことこの上ない。



バブルウルフ

 ウォーターウルフの上位種。獣神の混沌迷宮にしか存在しない新種。
 泡が狼を型どっていて、不定形なので物理攻撃が通用しない。その上、なぜかバブルウルフからは物理的に攻撃してくる。
 水魔法も使え、かなり強力なウルフ。ただし水の中でしか生きられない。



アクアウルフ

 バブルウルフの上位種。獣神の混沌迷宮にしか存在しない新種。
 見た目は完全に水。狼を型どっているようだが、水の中でしか生きられないので水にしか見えない。
 高位の水魔法を操る。また、バブルウルフと同じく不定形なので物理攻撃が通用せず、なぜか物理的に攻撃してくる。



フレアウルフ

 ファイヤーウルフの上位種。獣神の混沌迷宮にしか存在しない新種。
 見た目はただのウルフが業火をあげているように見える。しかし、この炎も体の一部だ。
 火炎魔法を使える。また、気温が高ければ高いほど力が強くなるという特徴を持つ。100度以上なら空中を飛べる。



マグマウルフ

 フレアウルフの上位種。獣神の混沌迷宮にしか存在しない新種。
 見た目は狼を型どったマグマだ。体からは常にマグマのような粘液が滴り落ちる。粘液は摂氏10000度のため触れてはいけない。
 動きはウルフにしては珍しく遅いので、遠距離攻撃がおすすめされる。それでも高位の火炎魔法で攻撃されるのだが。



スカイウルフ

 ウインドウルフの上位種。獣神の混沌迷宮にしか存在しない新種。
 見た目はただのウルフ。しかし、自由に空を駆け回り、風魔法を利用した瞬間移動ができる。
 空中から風魔法で一方的に攻撃してくるので、非常に危険なモンスター。



スペースウルフ

 スカイウルフの上位種。獣神の混沌迷宮にしか存在しない新種。
 見た目はただのウルフ。しかし、自由に空間を駆け回り、空間魔法で転移する。
 人間でも使える者はほとんどいない空間魔法を利用して攻撃してくるため、驚異としか言いようがない。



カオス

 未知系最上位種。過去に何度か出現し、その度に勇者に打ち倒されたモンスター。
 見た目は黒い靄の集合体である。
 あらゆる力を持つが、その全てが未成熟のために勇者に殺され続けてきた。
 未知系の中では知性がないモンスター。



カースキング

 死霊系神級種であり、スケルトン系の頂点。過去に2度だけ出現した。
 かつて世界を滅ぼすため邪神の封印を解こうとした大賢者を倒した初代勇者の神話が存在する。その大賢者の遺骨が世界中の負の魔力や怨念を集め、魔王として再び蘇ったのがカースキングとされている。
 死霊の王としてその力を遺憾なく振るい、世界をアンデットが蔓延る死霊の時代を作り出したが、5代目勇者に倒されてしまった。
 そして災厄の王カースキングは、獣神の混沌迷宮の91階層の大ボスとして、再びこの世に蘇った。



ワールドイーター

 亜人系神級種であり、ジャイアント系の頂点。過去に1度だけ出現した。
 かつて初代勇者が生まれるより何千年も前、邪神がこの世に現れたことがある。邪神は、世界にモンスターを生みだした。そのモンスターの中で特に際立った強さを持っていた1体が、ワールドイーターだ。
 頭は巨大な目玉。腹は縦に裂け、口となっている。人の形でありながら巨大で歪なその姿は、見るもの全てを恐怖させた。
 その後神々の制裁により、世界中のワールドイーターを含む強力なモンスターは神々によって滅ぼされ、根源たる邪神は神々によって封印された。
 今となってはおとぎ話になっているが、彼が存在したことは紛れもない事実である。
 そして世界を喰らう者ワールドイーターは、獣神の混沌迷宮の92階層の大ボスとして、この世に再び蘇った。



オレイノスタナトス

 鉱物系神級種であり、ゴーレム系の頂点。過去に存在していたモンスターだ。
 かつて灼熱の時代と呼ばれる、世界が業火に包まれた時代があった。その時代において一切燃えなかった山、それがオレイノスタナトスだ。いつからそこに存在していたのかもわからない。だが、その山は動き出した。そして灼熱の時代を作り出した原因、フレイムイフリートをその身に封じた。
 フレイムイフリートを封じると、世界に安寧が訪れた。そしてオレイノスタナトスは、他者を一切寄せ付けない灼熱の火山となって永遠の眠りについた。
 そして死の山オレイノスタナトスは、獣神の混沌迷宮の93階層の大ボスとして、この世に再び蘇った。



サントソル&マルムルーナ

 それぞれ神聖系と闇黒系の神級種である。過去に1度だけ出現した。
 かつて光陰の時代と呼ばれる時代があった。光神と影神が同時に降臨した時代だ。この光神がサントソル、この影神がマルムルーナである。
 当時の光神と影神は神々の中では弱く、それ故に地上へ追放された。追放された光神と影神は、それぞれ人間と魔族につき戦争を始めた。後にこれは人間と魔族の敵対関係を明確にした戦争として伝わる。
 この戦争は決着がつかなかった。それぞれ陣営を率いていた光神と影神がお互いを滅ぼしあい死んでしまったのだ。
 人間と魔族の間に確執を残した2柱の神。彼らは長い時を経て、モンスターとなった。
 そして聖なる太陽サントソル邪なる月マルムルーナになった彼らは、それぞれ獣神の混沌迷宮の94、95階層の大ボスとして、この世に再び蘇った。



イヴィルゴッドスライム

 流体系神級種であり、スライム系の頂点。過去に1度だけ出現した。
 イヴィルゴッドスライムも、かつて邪神がこの世に現れたときに生み出されたモンスターだ。ワールドイーターとは違い、積極的に人間を滅ぼそうとしたモンスターの1体である。
 人の街を次々と呑みこみ、数々の国を滅ぼした。
 最後は神々に焼き付くされたが、その被害は後世に大きな爪痕を残した。
 そして邪神の体液イヴィルゴッドスライムは、獣神の混沌迷宮の96階層の大ボスとして、この世に再び蘇った。



フレイムイフリート

 炎熱系神級種であり、ウィスプ系の頂点。過去に1度だけ出現した。
 この暴力の化身とも言うべきフレイムイフリートは、ある日突然異世界から現れた。瞬く間に世界を焼き付くし、灼熱の時代を作り出した張本人である。世界は業火で荒れ狂い、フレイムイフリートの暴挙を止められる者は、誰一人としていなかった。
 しかし、フレイムイフリートは封印された。タナトスオレイノスの命と引き換えに。
 フレイムイフリートが封印されると、世界を包んでいた業火は消え去った。人類には安寧が訪れた。
 そして炎の魔神フレイムイフリートは、獣神の混沌迷宮の97階層の大ボスとして、この世に再び蘇った。



アンライバルト

 竜王系神級種であり、ドラゴン系の頂点。過去に存在していた。
 彼は世界の守護者だった。この世界が生まれた時から存在し、世界を脅かすものをその力で滅し続けていた。かつて邪神が強力なモンスターを生み出した時も、その半数以上のモンスターを殺した。
 その後人類が繁栄し、初代勇者が生まれた年に、アンライバルトは天寿を全うした。
 そして無比なる守護者アンライバルトは、獣神の混沌迷宮の98階層の大ボスとして、この世に再び蘇った。



カオスゴッド

 未知系神級種であり、混沌系の頂点。過去に何度もこの世界を混乱に陥れた。
 原始の時から何度も現れ、アンライバルトに何度も殺された。アンライバルトは当時人々に言ったそうだ。我は遊ばれていると。
 アンライバルトが死んだ後もカオスゴッドは周期的に現れ続けた。何度勇者に退けられ、何度神々に殺されても、何度でも蘇り現れた。
 ある学者は語った。カオスゴッドは力の一端に過ぎない。やつの本体は異次元にある。本体を殺さない限り、やつは何度でも蘇る、と。
 そして繰り返す悪夢カオスゴッドは、獣神の混沌迷宮の99階層大ボスとして、この世に再び遊戯あそびに来た。

コメント

  • ウォン

    説明回だからなぁ?

    0
  • ノベルバユーザー282808

    説明多い過ぎる

    0
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