初心者がVRMMOをやります(仮)
ゲーム内での報告会と、カナリア
  その一連の流れを聞いた一部の「カエルム」メンバーは。
  当然の如く、色んな意味でドン引きした。
「こ……こえぇぇぇ」
ちなみに、問題が起きてから解決するまでに一か月もかかっていない。何をどうしたらこうなるのだと、色々問い詰めたい気分ではあるが。
「……俺、この年で、ってか、たった一か月でストレス性胃潰瘍になった」
ディッチのこの言葉で問い詰めるのを諦めたのだ。
この問題が起きる直前に、ディッチは現実で健康診断を受けており、胃カメラを飲んだものの全く異常がなかったという。誰一人慰めの言葉すら見つからない。
そんなディッチは、現在ユーリの膝枕を目いっぱい堪能しつつ、撫で繰り回していた。
「ふむ。ユーリを撫で繰り回せるだけの余裕があるようじゃの。今一仕事……」
「ユーリの癒しがなければできない案件です!」
どこからともなくやってきたクィーンに、ディッチがドヤ顔で返していた。
「土日祝日もGWも休みなく働いて、ゲームどころかまともに悠里を愛でることすらできなかったんです! 正直に言うなら報告そっちのけで愛でて癒されたい!」
「阿呆なことを抜かすでない」
「阿呆なことじゃなくて、当然のことです!」
そんなディッチをユーリはひたすら受け入れ、周囲はその甘さに砂糖を吐いたとか。
その頃、カナリアは「神社仏閣を愛する会」のところに依頼品の配達に行っていた。
一緒に行くのはセバスチャンである。
喫茶店でも最近はNPCやらPCの従業員を雇うようになり、セバスチャンも時間が取れるようになってきた。
「カナリアちゃんー、セバスチャンー、いらっしゃーーい」
いつものようにエリが出迎えてくれる。
「依頼品です」
「ありがとーー。相変わらずいい七夕飾りだねーー」
本日の届け物はカナリア作の七夕飾りと、ジャスティス作の七夕衣装である。
「短冊用の和紙もどきもあるしーー。カナリアちゃんも何かお願い事書いてったら?」
どうやら短冊に願い事を書くのも、クエストの一つらしい。
「願い事かぁ……」
なんかあったっけ? と思いながら、書いたのは「無事大学進学できますように」という内容だった。
「セバスチャンも何か書きますか?」
「ミ・レディ。私に何を書けと」
「カナリアちゃんー。ふつー、AIは願い事書けないからね」
「え!?」
「驚くところー?」
「ミ・レディ。エリ様のおっしゃる通りです。なぜ我々AIに様々なタイプがあるかと言いますと、『そのように動く』ことをプレイヤーが望むからです。ミ・レディは私に『ゲームのことを教え、ルールを教え、様々な助言が欲しい』と望んだために『自立思考』を行うようになりました」
そんな裏話(?)があったとは。その後、運営との折衝まで行うに至ったのも「保護者」を求めていたからだというから、驚きである。
「ゲームのAIに保護者的機能を求める人はそういないねー」
そんなことを求めたつもりもなかったカナリアは、少しばかり恥ずかしかった。
まぁ、ゲームを続ける要因の一つがセバスチャンのサポート力だったわけで、カナリアは気にしないことにした。
  当然の如く、色んな意味でドン引きした。
「こ……こえぇぇぇ」
ちなみに、問題が起きてから解決するまでに一か月もかかっていない。何をどうしたらこうなるのだと、色々問い詰めたい気分ではあるが。
「……俺、この年で、ってか、たった一か月でストレス性胃潰瘍になった」
ディッチのこの言葉で問い詰めるのを諦めたのだ。
この問題が起きる直前に、ディッチは現実で健康診断を受けており、胃カメラを飲んだものの全く異常がなかったという。誰一人慰めの言葉すら見つからない。
そんなディッチは、現在ユーリの膝枕を目いっぱい堪能しつつ、撫で繰り回していた。
「ふむ。ユーリを撫で繰り回せるだけの余裕があるようじゃの。今一仕事……」
「ユーリの癒しがなければできない案件です!」
どこからともなくやってきたクィーンに、ディッチがドヤ顔で返していた。
「土日祝日もGWも休みなく働いて、ゲームどころかまともに悠里を愛でることすらできなかったんです! 正直に言うなら報告そっちのけで愛でて癒されたい!」
「阿呆なことを抜かすでない」
「阿呆なことじゃなくて、当然のことです!」
そんなディッチをユーリはひたすら受け入れ、周囲はその甘さに砂糖を吐いたとか。
その頃、カナリアは「神社仏閣を愛する会」のところに依頼品の配達に行っていた。
一緒に行くのはセバスチャンである。
喫茶店でも最近はNPCやらPCの従業員を雇うようになり、セバスチャンも時間が取れるようになってきた。
「カナリアちゃんー、セバスチャンー、いらっしゃーーい」
いつものようにエリが出迎えてくれる。
「依頼品です」
「ありがとーー。相変わらずいい七夕飾りだねーー」
本日の届け物はカナリア作の七夕飾りと、ジャスティス作の七夕衣装である。
「短冊用の和紙もどきもあるしーー。カナリアちゃんも何かお願い事書いてったら?」
どうやら短冊に願い事を書くのも、クエストの一つらしい。
「願い事かぁ……」
なんかあったっけ? と思いながら、書いたのは「無事大学進学できますように」という内容だった。
「セバスチャンも何か書きますか?」
「ミ・レディ。私に何を書けと」
「カナリアちゃんー。ふつー、AIは願い事書けないからね」
「え!?」
「驚くところー?」
「ミ・レディ。エリ様のおっしゃる通りです。なぜ我々AIに様々なタイプがあるかと言いますと、『そのように動く』ことをプレイヤーが望むからです。ミ・レディは私に『ゲームのことを教え、ルールを教え、様々な助言が欲しい』と望んだために『自立思考』を行うようになりました」
そんな裏話(?)があったとは。その後、運営との折衝まで行うに至ったのも「保護者」を求めていたからだというから、驚きである。
「ゲームのAIに保護者的機能を求める人はそういないねー」
そんなことを求めたつもりもなかったカナリアは、少しばかり恥ずかしかった。
まぁ、ゲームを続ける要因の一つがセバスチャンのサポート力だったわけで、カナリアは気にしないことにした。
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