初心者がVRMMOをやります(仮)

神無乃愛

顔合わせ

 カーティスやマモルといった「神社仏閣を愛する会」メンバーのおかげで、顔合わせは予想より早く行えた。
「『神社仏閣を愛する会』ギルマス、カーティスです」
「同じくサブマス、マモルです」
「今回参入を決めた『カエルム』ギルマス、ディッチです」
「メンバーのジャスティスです。サブマスでなく、俺が来た理由は後ほど説明させていただきます」
「『春陽しゅんよう』ギルマス、チェンです」
「同じくサブマス、フェンフェンです」
「『スワスティ』ギルマス、ウドムです」
「同じくサブマス、チムです」
 名前からして「春陽」は中華系、「スワスティ」はタイ系だろう。

 だが、話を聞くと違うらしい。「春陽」への加入条件は中国国外にいること。そして出来うるだけ中華街チャイナタウンにいること。の二つらしい。
 それに対して、「スワスティ」は小乗仏教の信者なら誰でもいいらしい。

「袈裟なら作れますがどうしますか?」
「是非! こちらでの修行で使わせていただきます!!」
「おい、ジャス!!」
 珍しくジャスティスがおかしなことを言い出した。
「いえ。クィーンさんから言伝で『相手の着たい衣装があるなら作れ』と。ついでに、袈裟はアントニーさんに作りましたのでノウハウありますんで」
 ……ジャスティスこいつが暴走するとかなり大変なことになるというのが、この一件だけで分かってしまったディッチである。
「チャイナ服は既に出回ってますけど、どうしま……」
「いい加減にしろ!! 服の話はあと! 今はクエストの話!!」
 ディッチは思わず怒鳴った。

 そして、そのあとはあっさりと話が進んだ。


 今回のクエストはタンク役が鍵となるだろう、というのがディッチの考えだった。

 ところが、他のギルド代表者は違うという。

「確かにタンクも重要ですが、今回守る要塞は四方に大砲が設置されています。四方の大砲をボスに当てられれば、甲殻が割れるのでダメージが与えやすくなります」
 ウドムがさらりと言う。
「あと鬼や悪鬼がたんまり出てくるので、かなり大変かと」
「……あー、すまん。タンク役一名と後方支援一名の種族が鬼だわ。要注意って事で」
「おや、アントニーさん以外にも鬼族の方が入られたのですか?」
「そういうこったい。まぁ、あの人だ。ジャッジと一緒に大砲係にしてもいい……あ、駄目だ」
 ディッチの中で人員をどう割り当てていくかシュミレーションされていく。
「おお! あの、、ジャッジさんも今回参加していただけるのですね! それで『深窓の宴』に頼む必要もないのですね!」
 そう喜んでいたのはフェンフェンだった。

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