初心者がVRMMOをやります(仮)
現実世界にて<保に付き合う正芳の苦労>
翌日には、ゲーム運営会社まで病院に集まり検証が行われることになった。
ヘッドギアを故意にとった場合にどうなるか、ということである。
美玖が使っていたものと同じヘッドギアを購入。同じくらいのヴァージョンのパソコンに接続し、ログインする。
普段では見れないログイン中の画面がモニターに表示される。
GMのかわりに、色々と指示を出すのは正芳だ。
「保。こちらでも見える。そちらはどうだ?」
『俺の倉庫前だな。ばっちりだ。普通に動く』
そして、少しばかり素振りをしていく。
「あの時と同じ状況には出来んが、近い状態だ。ここで強制ログアウトをさせるぞ」
フィン、そんな音が似合う速さで、保の使っているキャラクターが消えた。
「やっぱり強制ログアウトじゃないな」
「正芳、ロック解除頼む。そして不測の事態として、ヘッドギアとパソコンの接続を切ってみてくれ」
「……俺、そっからが嫌なんだよ」
本当は、正芳とてこんな方法は取りたくない。ただ、保の暴走を抑えるためにやるに過ぎない。
「言っとくけどな、ばあさんが俺に依頼してきた時『孫に渡す』って言ってたから、安全装置がついてんだぞ。イッセンかリリアーヌに渡すもんだと思い込んでたし」
「……あ。じゃあお前これする必要なくね?」
最初から安全装置がついているなら、不測の事態でヘッドギアとパソコンの接続が切れたからといって問題は起きないのだ。
「実験だからな、やるぞ」
どこまでもやるつもりの保に、正芳はため息をついた。
そして再度保がゲームの世界に行く。そして「不測の事態」と称し、パソコンの主電源を落とす。
するとモニター内ではエラー音が鳴り響き、そのままにしているとまた素早く消えていく。保は自分がログインする側の人間だからこそ、落雷等で何かあった場合まで想定している。
「確か、以前の時はエラー音は一切なっていませんね?」
「なっていないのは、確認されています」
その言葉に保がにやりと笑った。本当にやらせたくない。良平がマッドサイエンティストだと保は言うが、別の意味危険だと正芳が思っているのが保だ。
必要とあらば手段を選ばない。いつからそうなったかは分からないが、そういう男だ。
「正芳、遠慮なく無理矢理外せ」
胃が少しばかり痛いと思ったのは気のせいではないはずだ。
再度キャラクターが現れ、動き出したところで予告なくヘッドギアに手をかける。
プレイ中のヘッドギアは本来取れることはない。実際、外すのは難しかった。
保の姿が歪んでいく。
『正芳! ヘッドギアを破壊しろ!!』
「!!」
警察官や運営会社の人間までもが一瞬にして固まった。
『早くっ! そうしないとシステムエラーのログアウトになるっ!』
その瞬間、美玖の父親がモニターを壊した。
それと同時に、正芳も保に言われたとおりヘッドギアを破壊した。
そして、一回こっきりで作った虎の子のプログラムが発動した。
ヘッドギアを故意にとった場合にどうなるか、ということである。
美玖が使っていたものと同じヘッドギアを購入。同じくらいのヴァージョンのパソコンに接続し、ログインする。
普段では見れないログイン中の画面がモニターに表示される。
GMのかわりに、色々と指示を出すのは正芳だ。
「保。こちらでも見える。そちらはどうだ?」
『俺の倉庫前だな。ばっちりだ。普通に動く』
そして、少しばかり素振りをしていく。
「あの時と同じ状況には出来んが、近い状態だ。ここで強制ログアウトをさせるぞ」
フィン、そんな音が似合う速さで、保の使っているキャラクターが消えた。
「やっぱり強制ログアウトじゃないな」
「正芳、ロック解除頼む。そして不測の事態として、ヘッドギアとパソコンの接続を切ってみてくれ」
「……俺、そっからが嫌なんだよ」
本当は、正芳とてこんな方法は取りたくない。ただ、保の暴走を抑えるためにやるに過ぎない。
「言っとくけどな、ばあさんが俺に依頼してきた時『孫に渡す』って言ってたから、安全装置がついてんだぞ。イッセンかリリアーヌに渡すもんだと思い込んでたし」
「……あ。じゃあお前これする必要なくね?」
最初から安全装置がついているなら、不測の事態でヘッドギアとパソコンの接続が切れたからといって問題は起きないのだ。
「実験だからな、やるぞ」
どこまでもやるつもりの保に、正芳はため息をついた。
そして再度保がゲームの世界に行く。そして「不測の事態」と称し、パソコンの主電源を落とす。
するとモニター内ではエラー音が鳴り響き、そのままにしているとまた素早く消えていく。保は自分がログインする側の人間だからこそ、落雷等で何かあった場合まで想定している。
「確か、以前の時はエラー音は一切なっていませんね?」
「なっていないのは、確認されています」
その言葉に保がにやりと笑った。本当にやらせたくない。良平がマッドサイエンティストだと保は言うが、別の意味危険だと正芳が思っているのが保だ。
必要とあらば手段を選ばない。いつからそうなったかは分からないが、そういう男だ。
「正芳、遠慮なく無理矢理外せ」
胃が少しばかり痛いと思ったのは気のせいではないはずだ。
再度キャラクターが現れ、動き出したところで予告なくヘッドギアに手をかける。
プレイ中のヘッドギアは本来取れることはない。実際、外すのは難しかった。
保の姿が歪んでいく。
『正芳! ヘッドギアを破壊しろ!!』
「!!」
警察官や運営会社の人間までもが一瞬にして固まった。
『早くっ! そうしないとシステムエラーのログアウトになるっ!』
その瞬間、美玖の父親がモニターを壊した。
それと同時に、正芳も保に言われたとおりヘッドギアを破壊した。
そして、一回こっきりで作った虎の子のプログラムが発動した。
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