初心者がVRMMOをやります(仮)
現実世界にて<女帝の発言>
天原も来て、そのまま話になる。
「まず、さゆり様が仰っていた方法では、親権放棄は無理です。カウンセリングを行い、大丈夫だと判断されてしまえば、親権は母親に行きます。
逆に心神喪失を認めず、ネグレクトという虐待に重きをおきます。そして、考えられうる限りの罪状から考えますと、無期懲役の求刑で、懲役は何年になるか分かりませんが、間違い無く執行猶予なしの実刑判決が出るでしょう。
親族側にはまず、親権停止を申し立てます。その間に未成年後見制度で孝道様方が後見人になればよろしいかと思います。親権停止は家裁で行えますが、最大二年。その間に親権喪失に持っていきましょう」
「だからお主らは穴だらけだど言うのじゃ。何のために顧問弁護士がおると思うておる? 上手く使わねば駄目あろうが」
「……申し訳ございません」
「孝道。お主のことじゃ。我に話がはいって口を出されるのが嫌だったのであろう?」
「そのとおりです」
「我が反対する道理など見つからぬ。……保護して養子にするということがどういう意味合いを持つか、分かっておるのであれば、な」
「分かっております」
「私たちもお手伝いする所存です」
すぐに良平の両親が孝道に同意した。
「左様か。なればすぐにしてもらうことはあるぞ。まずは美玖の退学手続き。それから必要なものをここに揃えよ。しばらくは我につきおうてここにいてもらう故にな。人の多いところでは萎縮してしまうだろうて。義道と義孝には伝えてあるゆえ、そのうち禰宜田中枢部とは顔合わせが必要になるであろうな」
いつ聞いたのか分からないが、既にそこまで整えていたとは。
「まだ錯乱状態で話が聞けぬ状態ではあるが。……時に『たもつ』という男は誰だ? それから美玖のいう『ばあさま』はどちらの方じゃ?」
じっと全員が良平を見てきた。
覚悟を決めるしかない。
「彼女はまず、現在私の教え子であるというのはご存知ですか?」
「そうらしいの」
「『保』という男は、新任で教師になったばかりの頃の教え子です。……そしてVRMMO上で最初に彼女と仲良くなった男で、現在付き合っていると言っても間違いはありません。それから、彼女が慕う祖母は母方の方です。磯部 千沙さんという方で、一部のVRMMOの中では『マープル』という名前のほうが有名です」
「まぁ! だと美玖ちゃんはあのマープルさんのお孫さんだったの?」
さゆりが驚いて言う。
「さゆり、話を逸らすでない。既に男がおるのか。素直な娘なら独身の孫にと思ったのじゃが。残念じゃ。
天原、その磯辺 千沙と連絡を取り、お主立会いであれば、祖母一人だけなら会わせると伝えよ」
「かしこまりました」
天原が昌代に向かって頭を下げていた。
その日、美玖に会うことなく、全員が帰宅し、翌日に保も連れて北ヶ原に行く。
そのまましばらく保がそこに滞在することになった。
「まず、さゆり様が仰っていた方法では、親権放棄は無理です。カウンセリングを行い、大丈夫だと判断されてしまえば、親権は母親に行きます。
逆に心神喪失を認めず、ネグレクトという虐待に重きをおきます。そして、考えられうる限りの罪状から考えますと、無期懲役の求刑で、懲役は何年になるか分かりませんが、間違い無く執行猶予なしの実刑判決が出るでしょう。
親族側にはまず、親権停止を申し立てます。その間に未成年後見制度で孝道様方が後見人になればよろしいかと思います。親権停止は家裁で行えますが、最大二年。その間に親権喪失に持っていきましょう」
「だからお主らは穴だらけだど言うのじゃ。何のために顧問弁護士がおると思うておる? 上手く使わねば駄目あろうが」
「……申し訳ございません」
「孝道。お主のことじゃ。我に話がはいって口を出されるのが嫌だったのであろう?」
「そのとおりです」
「我が反対する道理など見つからぬ。……保護して養子にするということがどういう意味合いを持つか、分かっておるのであれば、な」
「分かっております」
「私たちもお手伝いする所存です」
すぐに良平の両親が孝道に同意した。
「左様か。なればすぐにしてもらうことはあるぞ。まずは美玖の退学手続き。それから必要なものをここに揃えよ。しばらくは我につきおうてここにいてもらう故にな。人の多いところでは萎縮してしまうだろうて。義道と義孝には伝えてあるゆえ、そのうち禰宜田中枢部とは顔合わせが必要になるであろうな」
いつ聞いたのか分からないが、既にそこまで整えていたとは。
「まだ錯乱状態で話が聞けぬ状態ではあるが。……時に『たもつ』という男は誰だ? それから美玖のいう『ばあさま』はどちらの方じゃ?」
じっと全員が良平を見てきた。
覚悟を決めるしかない。
「彼女はまず、現在私の教え子であるというのはご存知ですか?」
「そうらしいの」
「『保』という男は、新任で教師になったばかりの頃の教え子です。……そしてVRMMO上で最初に彼女と仲良くなった男で、現在付き合っていると言っても間違いはありません。それから、彼女が慕う祖母は母方の方です。磯部 千沙さんという方で、一部のVRMMOの中では『マープル』という名前のほうが有名です」
「まぁ! だと美玖ちゃんはあのマープルさんのお孫さんだったの?」
さゆりが驚いて言う。
「さゆり、話を逸らすでない。既に男がおるのか。素直な娘なら独身の孫にと思ったのじゃが。残念じゃ。
天原、その磯辺 千沙と連絡を取り、お主立会いであれば、祖母一人だけなら会わせると伝えよ」
「かしこまりました」
天原が昌代に向かって頭を下げていた。
その日、美玖に会うことなく、全員が帰宅し、翌日に保も連れて北ヶ原に行く。
そのまましばらく保がそこに滞在することになった。
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