老舗MMO(人生)が終わって俺の人生がはじまった件
64話 ジャイアントスノーボアからの・・・・・・
魔道具から発生する炎が小さくなる前に、ユキムラとソーカは結界の外へと飛び出す。これ以上無用な衝撃を結界装置に与えたくはない。
二人が降り立つと、スノーボア達の敵対心が一斉に集まる。
「ソーカ、そっちに壁作って右回りに倒してくぞ」
「はい!」
馬車の周囲にいるスノーボアを時計回りで倒していく作戦だ。
ソーカが手慣れた手つきで魔道具を地面に投げつけると二点を結ぶ防壁が展開する。
迂回して越えてくるかもしれないが10mほどの壁の迂回をしている間に二人は走り去っているだろう。
そして時計回りに攻めていけば丁度最後にジャイアントスノーボアに当たれる。
二人は地を蹴る。猛烈な速度で走り出す。
周囲を囲んでいた一頭目に襲いかかる。
ソーカの弩による走射で、ボアの肩に矢が突き刺さる。
  真っ白な身体に鮮血が飛び散る。
急襲に身じろぎした瞬間に、首をユキムラに落とされる。
瞬きもする間もない二人の連携した早業だ。
「次!」
そのまま速度を落とさず次の獲物へと襲いかかる。
  ジャイアントスノーボアは二人の背後に展開した防壁に体当たりをしている。
  自分の力に自信があるからこその破壊への固執。
  その障壁はそうそう壊せないぞ、ユキムラは自信作の耐久性を少し誇った。
流石にスノーボアもただ突っ立って殺られるのを待つほどは馬鹿ではないので、正面から2頭がこちらに走り込んでくる。
「前、出る!」
ユキムラが少し先行する、スノーボアは走った勢いそのままにユキムラへと突っ込んでくる。
最初の一頭をCrGからの足払いによって転倒させ、2頭目をカウンターで一刀のもとに切り捨てる。
振り返らずに進む、一頭目はソーカがトドメを刺していることに疑うこともない。
壊せない壁に不愉快MAXになったジャイアントスノーボアが時計と逆回転に急進を始める。
他のスノーボアも合流しながらスピードを上げていく。
すでにユキムラ、ソーカペアはさらに2体のボアを始末した。
残りはジャイアントが1頭と普通のボアが2頭、
「小さいの任せるぞ!」
返事は待たない、ユキムラは巨大な猪との速度の差をつけるために行動に出る。
「アイスウォール、ファイアーウォール」
いつもの戦術だ。VOにおいてモブ相手には序盤から終盤まで汎用性が高い。
  普通のボアの目の前に突然炎の壁が出来る。
急には止まれず突っ込んでしまう、そのまま走り抜けようとするボアの目の前に分厚い氷の壁が行く手を塞ぐ。
  氷の壁に激突し、炎に呑まれ身を焼くことになる。
ユキムラはまっすぐジャイアントスノーボアへと走り続ける。
ソーカは身を焼かれて突進の止まったボアへと向かう。
「ワオーン!!」
その時馬房に一緒に避難しているタロが遠吠えをする。
「チッ、新手か」
ジャイアントスノーボアの突進にカウンターは無理だ、丁寧にガードをしながらすれ違う。
俯瞰視点に映されている高速で動く雪の盛り上がりを見て珍しくイラつくユキムラ。
さらに15体、しかもボアとはスピードが違う。
スノーウルフだ。群れで行動してとにかく数が多い。
戦いの気配と焼かれたボアの脂の匂いにでも惹きつけられたのだろうか……
兎にも角にも自分はともかく、ソーカがよろしくない。
  このままだと複数のウルフに囲まれてしまう。
「ソーカ! 迎撃中止! 防御結界を展開、馬車に戻り馬車の武装で援護を!」
すぐに指示を飛ばす。
ソーカは指示を受け迅速に行動に移す。
馬車の結界の一部に防御結界を展開し、馬車結界を解き馬車へと走る。
「レンはそのままそこで待機! ソーカが到着したら外部結界が解くが馬とタロは任せたぞ」
「はい」
インカムで指示をレンにも出す。
外周の結界を解いて馬車の周囲の狭い範囲だけにより強力な防御結界をしく。
馬とレンとタロを守るのはユキムラ製の現状最高の防御結界、たとえ王都の軍隊に攻められても守り抜く自信がある。
指示をしながらもボアの突進をいなし、接近してくるウルフ達、手傷を負ったボア2匹に神経を張り巡らせている。
先程から手負いの2体を始末しようとするんだが、ジャイアントスノーボアの妨害にあっている。
仲間意識が高いようだ、しかしそれもソーカからの援護が開始されるまでだ。
機関銃の掃射と主砲がボア二匹を襲う、ジャイアントスノーボアは、今度は逆にユキムラの牽制により救助は出来ない。オーバーキル気味の攻撃が止んだ時2匹のボアは魔石となっている。
怒り狂ったジャイアントスノーボアがユキムラへと突撃する。
それを見計らっていたかのように背後からスノーウルフが数体飛びかかってくる。
しかしユキムラは慌てない、
ジャイアントスノーボアの勢いを殺すことなく槍を足元に深々と突き刺す。
深々と刺さった槍はボアの突進を受けても折れることなくその足を引っ掛ける。
前方への巨大な運動エネルギーは止まることがない、結果として出足払いのように空中に一回転ふっとばされることになる、
「アースバンプ!」
地面が盛り上がりジャイアントスノーボアをトスするかのようにさらに上空へと持ち上げる。
背後から襲ってきたスノーウルフを巻き込んで。
ドーーーーーーン!
【グギャ!】 【ギャフェ!!】
哀れ2頭のスノーウルフはジャイアントスノーボアの巨体の下敷きになる。
ジャイアントスノーボアの突進の背後から襲いかかろうとしていたスノーウルフは、突然空へと消えたボアの巨体の影から現れたユキムラに難なく首を刎ねられてしまう。
「4っつ!」
ジャイアントスノーボアはブルブルと顔を振りながらすぐに立ち上がる、大したダメージもない。
しかし、横入りして邪魔してきたウルフへの怒りと叩きつけられ折られた牙の怒りが爆発する。
【ブギャシャーーーーー!!!】
周囲の空気が震えるほどの雄叫びを上げる。
吐く息が怒りの熱を帯びて真っ白に身体を包む。
目は血走りよだれもダラダラと落ちる、完全に正気を失っている。
【アオーーーーーーーン!!】
そしてジャイアントスノーボアの雄叫びはまた一つ厄介な敵を呼び寄せてしまう。
「だよね」
ジャイアントスノーウルフの乱入だ。
これで敵はジャイアントスノーボア、ジャイアントスノーウルフ、スノーウルフ11頭になる。
ソーカはスノーウルフを先程から狙うも素早い動きにその攻撃は空を切っている。
歯がゆい気持ちでいっぱいだ。
実際には同時攻撃を防いだり、きちんと援護射撃としての仕事はこなしている。
ユキムラも通信でそうソーカに伝えている。
それでもソーカはユキムラと並んで戦う実力のない自分が悔しくて仕方がなかった。
(ユキムラさんの隣にいるのは私なんだ!)
自らの実力の無さへの無念さと、ユキムラへの熱い思いが混じり合う。
その時、彼女に変化が現れる。
二人が降り立つと、スノーボア達の敵対心が一斉に集まる。
「ソーカ、そっちに壁作って右回りに倒してくぞ」
「はい!」
馬車の周囲にいるスノーボアを時計回りで倒していく作戦だ。
ソーカが手慣れた手つきで魔道具を地面に投げつけると二点を結ぶ防壁が展開する。
迂回して越えてくるかもしれないが10mほどの壁の迂回をしている間に二人は走り去っているだろう。
そして時計回りに攻めていけば丁度最後にジャイアントスノーボアに当たれる。
二人は地を蹴る。猛烈な速度で走り出す。
周囲を囲んでいた一頭目に襲いかかる。
ソーカの弩による走射で、ボアの肩に矢が突き刺さる。
  真っ白な身体に鮮血が飛び散る。
急襲に身じろぎした瞬間に、首をユキムラに落とされる。
瞬きもする間もない二人の連携した早業だ。
「次!」
そのまま速度を落とさず次の獲物へと襲いかかる。
  ジャイアントスノーボアは二人の背後に展開した防壁に体当たりをしている。
  自分の力に自信があるからこその破壊への固執。
  その障壁はそうそう壊せないぞ、ユキムラは自信作の耐久性を少し誇った。
流石にスノーボアもただ突っ立って殺られるのを待つほどは馬鹿ではないので、正面から2頭がこちらに走り込んでくる。
「前、出る!」
ユキムラが少し先行する、スノーボアは走った勢いそのままにユキムラへと突っ込んでくる。
最初の一頭をCrGからの足払いによって転倒させ、2頭目をカウンターで一刀のもとに切り捨てる。
振り返らずに進む、一頭目はソーカがトドメを刺していることに疑うこともない。
壊せない壁に不愉快MAXになったジャイアントスノーボアが時計と逆回転に急進を始める。
他のスノーボアも合流しながらスピードを上げていく。
すでにユキムラ、ソーカペアはさらに2体のボアを始末した。
残りはジャイアントが1頭と普通のボアが2頭、
「小さいの任せるぞ!」
返事は待たない、ユキムラは巨大な猪との速度の差をつけるために行動に出る。
「アイスウォール、ファイアーウォール」
いつもの戦術だ。VOにおいてモブ相手には序盤から終盤まで汎用性が高い。
  普通のボアの目の前に突然炎の壁が出来る。
急には止まれず突っ込んでしまう、そのまま走り抜けようとするボアの目の前に分厚い氷の壁が行く手を塞ぐ。
  氷の壁に激突し、炎に呑まれ身を焼くことになる。
ユキムラはまっすぐジャイアントスノーボアへと走り続ける。
ソーカは身を焼かれて突進の止まったボアへと向かう。
「ワオーン!!」
その時馬房に一緒に避難しているタロが遠吠えをする。
「チッ、新手か」
ジャイアントスノーボアの突進にカウンターは無理だ、丁寧にガードをしながらすれ違う。
俯瞰視点に映されている高速で動く雪の盛り上がりを見て珍しくイラつくユキムラ。
さらに15体、しかもボアとはスピードが違う。
スノーウルフだ。群れで行動してとにかく数が多い。
戦いの気配と焼かれたボアの脂の匂いにでも惹きつけられたのだろうか……
兎にも角にも自分はともかく、ソーカがよろしくない。
  このままだと複数のウルフに囲まれてしまう。
「ソーカ! 迎撃中止! 防御結界を展開、馬車に戻り馬車の武装で援護を!」
すぐに指示を飛ばす。
ソーカは指示を受け迅速に行動に移す。
馬車の結界の一部に防御結界を展開し、馬車結界を解き馬車へと走る。
「レンはそのままそこで待機! ソーカが到着したら外部結界が解くが馬とタロは任せたぞ」
「はい」
インカムで指示をレンにも出す。
外周の結界を解いて馬車の周囲の狭い範囲だけにより強力な防御結界をしく。
馬とレンとタロを守るのはユキムラ製の現状最高の防御結界、たとえ王都の軍隊に攻められても守り抜く自信がある。
指示をしながらもボアの突進をいなし、接近してくるウルフ達、手傷を負ったボア2匹に神経を張り巡らせている。
先程から手負いの2体を始末しようとするんだが、ジャイアントスノーボアの妨害にあっている。
仲間意識が高いようだ、しかしそれもソーカからの援護が開始されるまでだ。
機関銃の掃射と主砲がボア二匹を襲う、ジャイアントスノーボアは、今度は逆にユキムラの牽制により救助は出来ない。オーバーキル気味の攻撃が止んだ時2匹のボアは魔石となっている。
怒り狂ったジャイアントスノーボアがユキムラへと突撃する。
それを見計らっていたかのように背後からスノーウルフが数体飛びかかってくる。
しかしユキムラは慌てない、
ジャイアントスノーボアの勢いを殺すことなく槍を足元に深々と突き刺す。
深々と刺さった槍はボアの突進を受けても折れることなくその足を引っ掛ける。
前方への巨大な運動エネルギーは止まることがない、結果として出足払いのように空中に一回転ふっとばされることになる、
「アースバンプ!」
地面が盛り上がりジャイアントスノーボアをトスするかのようにさらに上空へと持ち上げる。
背後から襲ってきたスノーウルフを巻き込んで。
ドーーーーーーン!
【グギャ!】 【ギャフェ!!】
哀れ2頭のスノーウルフはジャイアントスノーボアの巨体の下敷きになる。
ジャイアントスノーボアの突進の背後から襲いかかろうとしていたスノーウルフは、突然空へと消えたボアの巨体の影から現れたユキムラに難なく首を刎ねられてしまう。
「4っつ!」
ジャイアントスノーボアはブルブルと顔を振りながらすぐに立ち上がる、大したダメージもない。
しかし、横入りして邪魔してきたウルフへの怒りと叩きつけられ折られた牙の怒りが爆発する。
【ブギャシャーーーーー!!!】
周囲の空気が震えるほどの雄叫びを上げる。
吐く息が怒りの熱を帯びて真っ白に身体を包む。
目は血走りよだれもダラダラと落ちる、完全に正気を失っている。
【アオーーーーーーーン!!】
そしてジャイアントスノーボアの雄叫びはまた一つ厄介な敵を呼び寄せてしまう。
「だよね」
ジャイアントスノーウルフの乱入だ。
これで敵はジャイアントスノーボア、ジャイアントスノーウルフ、スノーウルフ11頭になる。
ソーカはスノーウルフを先程から狙うも素早い動きにその攻撃は空を切っている。
歯がゆい気持ちでいっぱいだ。
実際には同時攻撃を防いだり、きちんと援護射撃としての仕事はこなしている。
ユキムラも通信でそうソーカに伝えている。
それでもソーカはユキムラと並んで戦う実力のない自分が悔しくて仕方がなかった。
(ユキムラさんの隣にいるのは私なんだ!)
自らの実力の無さへの無念さと、ユキムラへの熱い思いが混じり合う。
その時、彼女に変化が現れる。
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