老舗MMO(人生)が終わって俺の人生がはじまった件
34話 おまたせジュナーの街
バタン!
勢い良く閉めた扉が大きな音を立てる。
夜遅い時間を忘れて力強く自室へと戻ったユキムラ。
まだ心臓がバクバクいっている。
中身はおっさん。だが男はいつまでも男なのだ。
「あれ? 師匠早いですね?」
レンがユキムラの部屋で寝床の準備をしていた。
なぜか枕は二つに増やされている。
「レン君? 君はなんの準備をしているのかな?」
「いやー、師匠、無粋なことを聞かないでくださいよ。
私もこの準備が終わりましたら皆と同じ部屋に戻りますので」
「ない、ないぞ! お前が考えているようなことはなんにもないぞ!」
「えー、もしかして何もしなかったんですかー、師匠は奥手だなー。村の女衆はみんな師匠を狙ってるのになー、今頃村に残った女衆はソーカに怨嗟の念を送ってますよ」
「まて、なんだそれ。俺を狙ってるってなんだ?」
「そりゃそうですよ、師匠は無限とも言える知識を持って無双の強さを持つ、この先、天にも登る速さで出世なさるのは間違いない。あんな村に住んでいる女衆にはいきなり目の前に現れた金の魚、どんな手段を取ってでも手に入れたがりますよ」
「い、いままでそんなこと無かったぞ!」
「そりゃ村の中は相互監視がついていますからね、なんとかして二人っきりになろうとしたってそうそううまくはいかないですからね」
「そ、そんなことは……」
ユキムラは村での日々を思い出す。
確かに女性と二人になると不自然なほどすぐ別の人が現れていたような……
時には肩で息をしながら……
「師匠は案外鈍いんですねー、別に師匠ならちょちょいって相手してぽいってすればいいじゃないですか」
「え……レンさん……?」
結構とんでもないことを当たり前のようにいうレンさんに思わず敬語になってしまいます。
「ソーカねーちゃんも別に奥さんにーとかは思っていませんから答えてあげればいいのに、年も15になったばかりだしいずれは師匠をお守りする役目になるしちょうどいいでしょう」
「え……15……?」
「ええ、いいませんでしたっけ? ソーカねーちゃんは僕の3個上で15ですよ?」
「……20くらいだと思ってた……大人っぽいから……」
「それ、ソーカねーちゃんに言わないでくださいね。たぶん修羅をそこに見ることになりますよー。
なんにせよ、師匠にその気がないなら僕もここに寝ますかね。
じゃあこっち使いますね。おやすみなさいませー」
ユキムラは今日一日あまりに色々なことが起きすぎて茫然自失のまま床につき、いつまでも眠りにつけなかった……
(レン……さん……ソーカ……怖い……)
引きこもり素人童貞のユキムラさんには少々刺激の強すぎた一日になってしまいました。
「あれ、師匠早いですね」
朝目覚めるとユキムラの姿がないので外に出たレンはユキムラを発見する。
「あ、ああ、なんか眠れなくてちょっと周囲を散策してた。
この周囲の採掘ポイントと採集ポイント狩猟ポイントまとめておいたから」
レンはユキムラから渡された地図をみて驚いた、この人はどれだけの範囲を、というか、寝てないな……
あわれユキムラは一睡もできず夜の森や丘を走り回っていたのでした。
途中で出会ったジャイアントロックゴーレムにとっては不幸でしかなかった。
頭空っぽモードのユキムラにたっぷりと陵辱されるように倒された時、破壊できる部位という部位を壊された哀れなゴーレムが横たわることとなった。
ついでにエリアによっては地域ボス的な敵がいる。
ジャイアントロックゴーレムもそういったボスの一体だ。
ついでにこのジャイアントロックゴーレムはパワー系モンスターと言われる部類で、攻撃を受けてもひるまず攻撃してくるという特徴がある。カウンター型からするとはっきり言ってカモ。
「ちょっと風呂に入ってくるから、くれぐれも誰も近づけないように」
あーあ、こりゃ村の女性衆に付け入る隙はないな。
内心レンはそう思ったが。
「分かりました。いってらっしゃいませ」
いつも通り師匠の言いつけは守るのでした。
「ユキムラさんおはようございます。朝食が用意できています」
あまりにもいつも通りなソーカに背筋を寒いものが走ったが、冷静に対応できた。
「おはよう、それじゃあいただくとしよう」
「師匠、なんかおじさんみたいな返答になってますよ」
冷静ではなかったようだ。
村人たちは朝食をとるとすぐに採掘へと向かう、ユキムラの作った地図は全員で共有され効率よく採取が可能になる。
こうして、やっと再びユキムラ達はジュナーの街へと出立する。
そこからは順調にジュナーの街までの道程をこなすことが出来た。
街道を走っていると前方に石造りの壁と木製の門を視界に入れることが出来た。
だいぶ寄り道をしてきたが、とうとうユキムラ達はジュナーの街へとたどり着いた。
「立派な防壁だね、ファス村も拡張が落ち着いたら防壁しっかりしたもの作りたいね」
「今のところ転居希望者が歯止め無いですからね、いっそ内壁を一旦作ったりするのも考えますか」
「安全面からもそのほうがいいかもね」
日本の城でいうところの一の丸、二の丸といった作り方だ。
この世界では魔物や動物が人を襲う可能性があるために総構えのような作りになることがほとんどだ。
街や都は防壁、城塞で囲まれておりその内部で人々は生活をする。
農場や牧場は壁外に作られたりもするがやはり動物や魔物の被害は避けられない。
ユキムラは出来る限り、最終的には生産拠点も全て囲っていきたいと思っている。
急ぐ必要はない、ゆっくりと拡張させていけばいい。
ユキムラの夢はまだはじまったばかりだ。
勢い良く閉めた扉が大きな音を立てる。
夜遅い時間を忘れて力強く自室へと戻ったユキムラ。
まだ心臓がバクバクいっている。
中身はおっさん。だが男はいつまでも男なのだ。
「あれ? 師匠早いですね?」
レンがユキムラの部屋で寝床の準備をしていた。
なぜか枕は二つに増やされている。
「レン君? 君はなんの準備をしているのかな?」
「いやー、師匠、無粋なことを聞かないでくださいよ。
私もこの準備が終わりましたら皆と同じ部屋に戻りますので」
「ない、ないぞ! お前が考えているようなことはなんにもないぞ!」
「えー、もしかして何もしなかったんですかー、師匠は奥手だなー。村の女衆はみんな師匠を狙ってるのになー、今頃村に残った女衆はソーカに怨嗟の念を送ってますよ」
「まて、なんだそれ。俺を狙ってるってなんだ?」
「そりゃそうですよ、師匠は無限とも言える知識を持って無双の強さを持つ、この先、天にも登る速さで出世なさるのは間違いない。あんな村に住んでいる女衆にはいきなり目の前に現れた金の魚、どんな手段を取ってでも手に入れたがりますよ」
「い、いままでそんなこと無かったぞ!」
「そりゃ村の中は相互監視がついていますからね、なんとかして二人っきりになろうとしたってそうそううまくはいかないですからね」
「そ、そんなことは……」
ユキムラは村での日々を思い出す。
確かに女性と二人になると不自然なほどすぐ別の人が現れていたような……
時には肩で息をしながら……
「師匠は案外鈍いんですねー、別に師匠ならちょちょいって相手してぽいってすればいいじゃないですか」
「え……レンさん……?」
結構とんでもないことを当たり前のようにいうレンさんに思わず敬語になってしまいます。
「ソーカねーちゃんも別に奥さんにーとかは思っていませんから答えてあげればいいのに、年も15になったばかりだしいずれは師匠をお守りする役目になるしちょうどいいでしょう」
「え……15……?」
「ええ、いいませんでしたっけ? ソーカねーちゃんは僕の3個上で15ですよ?」
「……20くらいだと思ってた……大人っぽいから……」
「それ、ソーカねーちゃんに言わないでくださいね。たぶん修羅をそこに見ることになりますよー。
なんにせよ、師匠にその気がないなら僕もここに寝ますかね。
じゃあこっち使いますね。おやすみなさいませー」
ユキムラは今日一日あまりに色々なことが起きすぎて茫然自失のまま床につき、いつまでも眠りにつけなかった……
(レン……さん……ソーカ……怖い……)
引きこもり素人童貞のユキムラさんには少々刺激の強すぎた一日になってしまいました。
「あれ、師匠早いですね」
朝目覚めるとユキムラの姿がないので外に出たレンはユキムラを発見する。
「あ、ああ、なんか眠れなくてちょっと周囲を散策してた。
この周囲の採掘ポイントと採集ポイント狩猟ポイントまとめておいたから」
レンはユキムラから渡された地図をみて驚いた、この人はどれだけの範囲を、というか、寝てないな……
あわれユキムラは一睡もできず夜の森や丘を走り回っていたのでした。
途中で出会ったジャイアントロックゴーレムにとっては不幸でしかなかった。
頭空っぽモードのユキムラにたっぷりと陵辱されるように倒された時、破壊できる部位という部位を壊された哀れなゴーレムが横たわることとなった。
ついでにエリアによっては地域ボス的な敵がいる。
ジャイアントロックゴーレムもそういったボスの一体だ。
ついでにこのジャイアントロックゴーレムはパワー系モンスターと言われる部類で、攻撃を受けてもひるまず攻撃してくるという特徴がある。カウンター型からするとはっきり言ってカモ。
「ちょっと風呂に入ってくるから、くれぐれも誰も近づけないように」
あーあ、こりゃ村の女性衆に付け入る隙はないな。
内心レンはそう思ったが。
「分かりました。いってらっしゃいませ」
いつも通り師匠の言いつけは守るのでした。
「ユキムラさんおはようございます。朝食が用意できています」
あまりにもいつも通りなソーカに背筋を寒いものが走ったが、冷静に対応できた。
「おはよう、それじゃあいただくとしよう」
「師匠、なんかおじさんみたいな返答になってますよ」
冷静ではなかったようだ。
村人たちは朝食をとるとすぐに採掘へと向かう、ユキムラの作った地図は全員で共有され効率よく採取が可能になる。
こうして、やっと再びユキムラ達はジュナーの街へと出立する。
そこからは順調にジュナーの街までの道程をこなすことが出来た。
街道を走っていると前方に石造りの壁と木製の門を視界に入れることが出来た。
だいぶ寄り道をしてきたが、とうとうユキムラ達はジュナーの街へとたどり着いた。
「立派な防壁だね、ファス村も拡張が落ち着いたら防壁しっかりしたもの作りたいね」
「今のところ転居希望者が歯止め無いですからね、いっそ内壁を一旦作ったりするのも考えますか」
「安全面からもそのほうがいいかもね」
日本の城でいうところの一の丸、二の丸といった作り方だ。
この世界では魔物や動物が人を襲う可能性があるために総構えのような作りになることがほとんどだ。
街や都は防壁、城塞で囲まれておりその内部で人々は生活をする。
農場や牧場は壁外に作られたりもするがやはり動物や魔物の被害は避けられない。
ユキムラは出来る限り、最終的には生産拠点も全て囲っていきたいと思っている。
急ぐ必要はない、ゆっくりと拡張させていけばいい。
ユキムラの夢はまだはじまったばかりだ。
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