俺の高校生活に平和な日常を
第4章 #9「佐藤和彦生誕祭2016 〜前編『有紗に告白してしまった昼の部』〜」
 2016/5/29
 とうとうこの日がやって来た!5月29日。俺佐藤和彦の16回目の誕生日だ!ただ今日に限って日曜日の為、クラスメイトから祝ってもらうことなど一切なく(クラスメイトの連絡先も有紗とみのりしか知らないし(泣))俺は真面目に勉強していた。
 「何みてんのよ!」
 後ろをチラッと見ただけで有紗は唾を吐くように悪態をついてきた。
 ここ最近、毎日のように有紗の厳しい指導と監視をされながらの勉強をしている俺は今日で16になるのだ。ホントなんて日だ!(泣)
 梓は今日、イーリスちゃんと出掛けて行ったらしい為、俺達の昼メシを先に作っていてもう家にはいない。
 助け舟がない今、どうにか外に出れないものかと策を練ってみるが果たして有紗の目を盗んで外に出られるだろうか?
 ピンポーン
 「ん?」
 俺が策を練っていた時だった。神からの助け舟か?これはチャンスかもしれない。『俺が出る』と言ってチャッチャッと玄関に行ってさりげなく外に出て行く。チャンスはいつくるか分からない。だからこのチャンスは絶対に逃がしてはいけない!
 「私が出るわ」
 「なっ」
 俺が言う前に有紗のやつに先に言われてしまった。まるで俺の考えを読んでいたかのように…
 「アンタの考え、バレバレよ」
 「ゔっ!」
 やっぱりバレていたのか!?どっかで学んだのだろうか?読心術で俺の考えを読んでいたというのか!?
 「ほらやっぱり。今のはあからさまに何か企んでた反応ね。残念でした♪」
 「えっ!?まさか…騙された!?」
 くそっ!俺が墓穴を掘る為の罠だったのかよ!?それでも俺が何か企んでいたこと自体はバレていたようだったがそれでもやられてしまったのはかなり悔しい。
 「しゃあ私が行ってくるからアンタは変なこと考えず勉強だけやってなさい♪」
 有紗は上手くいったようで勝ち誇ったように愛らしい笑顔を見せてきた。ここだけ見れば惚れてしまうぐらい可愛いのに。
 「ん?惚れる??」
 俺の頭の中にふと一つの策が浮かんだ。上手くいく確率はさほど高いわけでも無いしこれが上手くいったとして部屋から出られるわけでも無い。だが俺はやられたらやり返す。倍返しでな!
 ---「何かアンタ宛に荷物届いてたわよ!?一応勉強の邪魔にならないようにテーブルの方に置いておいたけど…」
 「分かった、ありがとう。後で取るよ」
 有紗が10分もしないうちに帰ってきた。まあ準備は出来ているから問題はないが。
 「有紗。ちょっとここら辺の解き方分かんないだけど…」
 「んん?どれ??」
 有紗は本当に勉強をしていると思い込み俺に近づいてきた。まあ一応、勉強はちゃんと有紗が見ている時にはやっていたし難しいところは聞いていたから結構、自然にことを進めることが出来た。
 「ココなんだけど…」
 「んん?どこ…」
 (今だ!!)
 俺は作戦決行の為にとった行動は…有紗に抱きついた。
 「なっ!?」
 流石の有紗もまさかここまでは想定出来なかっただろう。俺が有紗に抱きつくなんて俺自身もこの策を成功させようと考えるまでは思いもしなかったからな。
 「ちょっと何すんのよ!」
 イキナリのうえ大胆な行動に有紗はパニックになって思いの外抵抗出来なかった。そこまでパニックになる流石に思わなかったが。だが俺の作戦はこれで終わりでは無い。
 「有紗。ずっと前から思ってたんだけど…俺、有紗のことが好きなんだ」
 俺は今まで言ったことのないセリフを有紗に向かって優しく囁くように言った。
 「ああああんた、急に何言って…」
 有紗の顔を見ると耳まで真っ赤になっていた。こういうところを見てると本気で可愛いな。今適当に言ってはいるが下手したらマジで好きになるかもしれない。
 「有紗を最初見たとき、マジでドキっとしたんだ!」
 (ある意味でね(笑))
 「ひょっとしたらラブコメみたいに運命的な出会いなんじゃないかと思ったんだ!」
 (これは本当の話だけど(笑))
 「ちょっっと、ヤメテヨ!!」
 俺の優しく囁く好き好きコールに混乱している有紗。コレ冗談抜きでいけたら付き合ってもいいのかな?
 「有紗。…俺と付き合ってくんねーか?」
 人生初の告白。嘘で言っているとはいえまさかこんなかたちで告白することになるとは…
 「わ、私………」
 「んん??」
 (アレ?コレってマジで…)
 まさかのイケるパターンか!?後半小さく何言ってるのか分からないが、ラブコメで言ったらコレは脈アリの反応だろう!?
 「好きだよ有紗!大好きだ!!」
 あまりにも想像以上の可愛い反応に俺の理性は生まれて初めてぶっ飛んだ!
 (チクショーー!!可愛い過ぎんだよ!!)
 「有紗!好きだ!有紗!!」
 最早、俺の野性的な部分が出始めできた!有紗を強く抱きしめ頭もいっぱい撫でて…ああ…幸せ〜〜♡
 「………」
 有紗は一向に喋らなくなったが読心術を持たない俺にも分かっている。俺達は相思相愛だったんだ!こんな馬鹿みたいな作戦でまさかお互いの気持ちに気づいてしまうとは…
 「………しろ」
 すると黙っていた有紗が何か言ってきた。もういいんだよ恥ずかしがらなくて!ありのままの気持ちを俺にぶつけてごらん!!
 「いい加減に…しろー!!」
 「へっ!?」
 俺はその一言で我に帰った。だがそれも一足遅かった。
 「んごおおお!!!」
 有紗は俺の腕をいとも簡単に関節ごと外しその腕を自分のところに引っ張ってきた後、おもいっきり頭突きを喰らわした。
 俺の考えた作戦は、有紗に好き好きコールを浴びせ油断したところに尻を触る等のセクハラ行為をしてその後、怒りMAXの有紗の気絶必死の一撃を喰らって俺は現実世界からドロップアウト!というものだった。
 日本一くだらないであろう仕返しがまさかこんなことになるなんて。作戦は上手くいったのだが、それと引き換えに俺は新たな黒歴史を作る羽目になってしまうのだった。
 もうちょっとでイケると思って暴走してしまった俺の16歳初日の昼の出来事だった。
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