俺の高校生活に平和な日常を

ノベルバユーザー177222

第3章 #17「絶体絶命」

 「ヒイッ!」

 鬼の形相で睨んでくる彼女にビビってしまった。初めての会話が「コロス!」って言われたのは生まれて初めてだ。コスプレを見ただけで何故殺されなくちゃいけないんだよ!

 「落ち着いて、イーリスちゃん!」

 梓は必死に止めようとしているがイーリスちゃんは聞く耳を持っていなかった。

 「ライジング・スピア!」

 突然、呪文のようなものを唱えると彼女が持っていたオモチャのような魔法の杖から雷が飛び出してきた。

 「………」

 あまりの出来事に唖然としていた。右の頰に若干痛みと熱さを感じた。手で触ってみると微かに血が出ていた。一気に血の気が引いてきた。

 「うわーー!!」

 俺は叫び声をあげ急いで家を出ようとした。

 「コロス!コロス!!コロス!!!」

 再び魔法の杖を向けてくるイーリスちゃん。

 「ストップ!イーリスちゃん!!」

 だが横から梓が杖を持っている手を掴み止めに入ってきた。

 「梓!?」

 「逃げて、お兄ちゃん!」

 梓に言われ俺は家を飛び出した。行く宛も無くただひたすらに走った。途中でみのりの住むマンションを通ってかくまってもらおうかとも思ったが昨日の件もあってやめることにした。下手すると敵を増やしかねないしな。

 ---ひたすら走って10分ぐらい経ち気付けばあまり人気のない河原まで来てしまった。

 「ハア、ハア…」

 走り過ぎて脇腹が痛くなってきた。無我夢中で走っていると気付かないがもう足もクタクタになってきていた。

 「とりあえず…ココまで…来れば…大丈夫…かな?」

 家を出てから追っかけてくる様子が全く無かった。まあ梓が抑えてくれたお陰でもあるだろうが…

 「…にしても何なんだよ、アレ!?」

 やはり彼女の事が気になってしまった。オモチャと思っていた魔法の杖から雷が出てきたんだ!もはや理解が出来なかった。

 「まさかとは思うけど、『実は魔法使いでした!』っていうんじゃねーだろーなー?」

 「そうだとしたら?」

 「えっ?」

 後ろから声が聞こえ恐る恐る後ろを振り返るとそこには、謎の空間が出来ておりそこからイーリスちゃんが現れた。

 「なっ、ななななな…」

 俺の頭はパニックに陥った。変な空間が出てきたし、そこからイーリスちゃん出て来るし、もう絶体絶命だし…

 「ったく、あいつのせいで時間くわされたわよ!」

 そう言えば梓が見あたらない。一体どうしたのだろうか?

 「妹の心配よりまず自分の心配をした方がいいと思うけど、ま、そんなの無駄だけどね!」

 心を完全に見透かされていた。前から思ったのだが俺ってそんなに思った事が顔に出ているのだろうか?

 「さて、今度こそ…死ね!」

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