俺の高校生活に平和な日常を

ノベルバユーザー177222

第3章 #9「種族を超えた恋愛事情」

 「ぷっ」

 「へ?」

 「ふふふふふ、アッハハハハハ!!」

 「??」

 突然腹を抱えて笑うみのり。何?どういうこと?

 「ゴメンなさい!ちょっとからかい過ぎましたね」

 (え?ひょっとして俺、からかわれてたの?)

 「和彦君の困った顔が可愛かったものですから♡」

 そんな笑顔で言われると許さざるを得ないな。でもどっか安心している俺がいる。

 「でも実際母の方からアプローチしたらしいです」

 「そ、そうなんだ」

 半ば話が入ってこなかった。今の俺はとてもじゃないが話を聞いてる場合じゃないんですけど…

 「でも父が吸血鬼だって事を知ったのは結婚してからだったそうです」

 「えっ?そうなの?」

 それは驚きだな!少なくとも10年近くはバレずにいた訳なのだから。

 「だけど今さら好きになった人とは離れたくなかったそうで…」

 「そうなんだ…」

 何かいい話を聞けた気がする。恋に歳の差なんて関係ないと言うけれど、恋に種族の違いなんて関係ないとも思えてきた。

 「私もいずれそんな素適な恋愛してみたいですけどね」

 「へっ?」

 みのりの一言に一瞬ドキっとしてしまった。さっきの事もあって意識せずにはいられなかった。

 (冷静になれ俺!さっきはからかわれただけだ!)

 それに俺達はちょっと特殊な事情を持っているが友達という間柄なんだ!それ以上でもそれ以下でもない!

 「そう言えば和彦君に1つ聞いておきたい事があるんですけど」

 「ん?何?」

 「前から気になってたんですけど、夏目さんとはどういうご関係なんですか?」

 「ふえ?」

 急に有紗とのことを聞かれてテンパってしまった。そう言えば俺は有紗のことはみのりにも話していなかった。だが、コレは言うべきなのだろうか?実は有紗はプロの殺し屋で今同居してるなんて流石に言える訳がない。だがみのりのことを知ってしまった以上、こっちだけ隠し事をするというのもなんだか理不尽な気がしてきた。

 (でも有紗のことだから『秘密にしないとブッ殺すわよ!』とか言われそうだしなー)

 「親が友達同士でそれだけだよ!」

 「そうだったんですか!?」

 とりあえず嘘はついていないのでそういうことにしておくか?

 「でも夏目さんって帰国子女何ですよね?和彦君のご両親って何をされてる方何ですか?」

 そうきたか!まあ親のことだから隠す必要はないのだけれど…この機会だから俺の親のことを話しておくとするか。

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