二つの異世界で努力無双 ~いつの間にかハーレム闇魔法使いに成り上がってました~
元世界で俺SUGEEを目指します
たしかに、あの古山章三にはどこか狂気じみたものを感じた。
いまでこそいじめっ子に報復するなどと言っているが、それがどうエスカレートするか、わかったものではない。
だが。
狂っている古山に対し、俺はたしかな反論をすることができなかった。いじめられっ子の苦悩もわかっているために、古山に共感してしまう部分がどうしてもある。だからこそ、苦し紛れなテンプレートの反論しかできなかった。
どんな理由があろうと人を殺しちゃいけないーーそんなこと、誰もが知っていることなのに。
おそらく、俺はまた古山に狙われる。だが俺には魔法の知識などてんでないし、それが原因で負けてしまった。
たしかな知識さえあればーーきっと俺だって。
見れば、彩坂の身体が靄のように薄くなっていた。これが彼女のいう「時間がない」ということなのだろうか。
まだまだ問いただしたいことはあるが、俺はひとつ、彩坂に申し入れることにした。
「最後にひとつ頼みがある。俺を……元の世界に戻すことはできないか?」
「え……?」
彩坂の表情が絶望のいろに染まるのを見て、俺は慌てて弁解する。
「や、別に古山から逃げようってわけじゃない。ただ……元の世界に戻ったほうが色々と対策を練りやすそうだからな。準備を整えた後でまた、こっちの世界に戻りたいんだ」
彩坂がきょとんと首をかしげる。
「い、いいけど……戻ってなにするの?」
「まあ、見ててくれよ」
俺はにやりと笑ってみせた。
いまでこそいじめっ子に報復するなどと言っているが、それがどうエスカレートするか、わかったものではない。
だが。
狂っている古山に対し、俺はたしかな反論をすることができなかった。いじめられっ子の苦悩もわかっているために、古山に共感してしまう部分がどうしてもある。だからこそ、苦し紛れなテンプレートの反論しかできなかった。
どんな理由があろうと人を殺しちゃいけないーーそんなこと、誰もが知っていることなのに。
おそらく、俺はまた古山に狙われる。だが俺には魔法の知識などてんでないし、それが原因で負けてしまった。
たしかな知識さえあればーーきっと俺だって。
見れば、彩坂の身体が靄のように薄くなっていた。これが彼女のいう「時間がない」ということなのだろうか。
まだまだ問いただしたいことはあるが、俺はひとつ、彩坂に申し入れることにした。
「最後にひとつ頼みがある。俺を……元の世界に戻すことはできないか?」
「え……?」
彩坂の表情が絶望のいろに染まるのを見て、俺は慌てて弁解する。
「や、別に古山から逃げようってわけじゃない。ただ……元の世界に戻ったほうが色々と対策を練りやすそうだからな。準備を整えた後でまた、こっちの世界に戻りたいんだ」
彩坂がきょとんと首をかしげる。
「い、いいけど……戻ってなにするの?」
「まあ、見ててくれよ」
俺はにやりと笑ってみせた。
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