転生先は現人神の女神様

リアフィス

15 魔法装置と砂糖

さて、砂糖を作るわけだが……あの白い砂糖は超大変なんだよなぁ……。
この世界にあるサトウキビが向こうとどのぐらい違うか……面倒な変化をしてない事を祈りながら、魔法を駆使してどれだけ簡単に小さく収めるか……。
これは間違いなく魔道具ですね。大きさ的に魔法装置になるか。
向こうより糖質多そうだし、その分不純物が少なそうだな。多分。

……結界魔法弄って糖質以外弾くようにするだけでいいんじゃね?
”ストレージ”からサトウキビを出して、汁を手に絞り、《真実の魔眼》で成分を調べ、砂糖になる部分だけ通すようにする。
ふふふ、これでものすごい簡単にできる。さて、作るか。

作業工程見たいからガラスで作ろう。耐久は問題ないし。
まず投入口を作って、ここから入れたサトウキビを中で木っ端微塵にする。
そしたら《結界魔法》で圧縮し、絞る。固形物は結界に残るようにしておく。
液体を受け止める入り口に結界を張り、砂糖になる部分だけ、糖の成分だけを通過させる。
通過してきた液体を、真空釜で受け止め、熱を与えて結晶化させる。
ある程度やったら《風魔法》を使った遠心分離器に入れて分離させる。
これでグラニュー糖ができる。
外に飛んでった液体をまた真空釜で加熱し、遠心機へ。
これで上白糖ができる。
更に外に飛んでった液体を加熱すると、三温糖ができる。
後はそれぞれ別にさらさら、しっとりになるよう《風魔法》で乾かして完成だ。
絞ったカスはサトウキビが植えてある所に持って行って、肥料へ。
絞られた糖分以外は処理してしまう。これで良いでしょう。

どうせなら海水から塩も作るか? 隣に作ろうか。
直接海に持って行って海水を入れる入れ物を用意して、その入れ物から直接移せるようにしよう。投入口はその設計だな。
50リットルの入れ物で、入り口は《結界魔法》で固形物はもちろん、余計な金属類を弾いてしまおう。ろ過系統の工程をこの時点で全て済ます。
これを逆さに置いて真空釜に投入し、塩の結晶を作る。
どろどろの状態になったら水分を通す結界の上に移し、放置。
下に出たのがにがりで、乾燥すれば塩の完成。
大豆あるなら豆腐作ってもいいか。まあ、溜めておこう。
これで完成だ。

動力に関してはどちらもペグー型魔法瓶と一緒で”メディテーション”を使う。
でかいし工程的にも魔力消費がそれなりにあるけど、本体がでかい分魔力変換率が高いから問題ない。この2個なら最悪私が供給してやればいいし。
もちろん”リインフォースメント”をかけるのも忘れない。
と言うかかけないとガラスが砕け散る。

《結界魔法》が優秀すぎてヤバイ。
使い方間違えてる気がするけど便利なんだからしょうがない。


砂糖製造装置 アーティファクト
    ルナフェリアの作品。
    サトウキビから砂糖を作る装置。
    最高級の砂糖ができる。

塩製造装置 アーティファクト
    ルナフェリアの作品。
    海水から塩を作る装置。
    最高級の海塩ができる。
    入れ物の容量は50リットル。


ふむ、相変わらず早いポップアップだことで。
今度は才能の無駄遣いとは言われなかったか。
まあ、塩と砂糖は重要だよね。
流通させる気無いけど。というかそんな量作れないし。
お城に持ち込むぐらいならいいか。
さて、早速作ろう。タンク担いで海行くかー。”ジャンプ”で一瞬なんだけどさ。
海に移動して口部分に結界張って海に沈める。
溜まるまで魔物と遊びながら待って、倒したのは”ストレージ”に放り込み、満タンになったら”ジャンプ”で帰る。帰ってきたら早速装置にセット。
サトウキビも”ストレージ”から出してセットする。
そしたら両方に魔力を送って”メディテーション”の魔法陣を起動させる、と。
後は待つだけー。

……気づいたら2日目が終わっていた。と言うかもう朝が近い。
逆に言えば夜の間に1つの魔道具と2つの魔法装置ができたんだな。
ふふん。

…………はっ?
さて、私の今の格好はどんなでしょうか。
お風呂から出た後のTシャツとパンツで今までウロウロしていたということか……。
ダボッとしてるからパンツは見えないとはいえないわー。
普通に”ジャンプ”で森やら海やら言ったし庭も彷徨いてたわ。
と言うか今も庭だし……家入ろう……。またお風呂でも入るか。

「ふぃー」

またも縁に頭を乗せてぐったりとする。
あー、軍服風ワンピースでも作ろうかなー。
そもそもわざわざドレスで貴族ですアピールする必要が無いしな……。
出たら作るかー。

・・・・・・
・・・


さて、作るか。
パンツは一緒でいいや。ああ、今回は上も必要か。
……なんて言ったっけ? ハーフカップのでいいよね。
種類なんか知らんわ。これで下着はよし。
膝上15センチのスカートに、ニーソックスも変えず、ブーツにする。
肝心のワンピースの方が、前は蹴りやすいよう下腹部辺りまで。
前以外は膝ぐらいまでの長さ。
袖は二の腕上部分までで、引き続き黒の手袋が二の腕中央辺りまで。隙間ができるように。
装飾が胸上から、下腹部辺りまで新たに生地を追加し、端を金ライン、丸い金属が2個ずつ等間隔に並び計12個。丸い金属も金色。
腰には光沢のある黒ベルトで金具部分は金。
袖の端も金のライン。
スカートは裾の方に行くにつれちょっと透けるようにしようか。
ワンピースもスカートもニーソも基本的にベースは全て黒。
アクセントとして金を入れる。
ブーツは所々に金属補強がある感じで、その部分は金に。
ドレスと同じように金属光沢っぽく、鉱石の金じゃなくて金色。
帽子は……同じのでいいか。
うん、服はこれでいいだろう。
うん、かっこいいな! 身長に関しては触れない。

さて、もう朝だ。農家の皆さんは動き始めてるな。
……塩と砂糖をチェックするかね。
リビングに置きっぱのペンギンも回収しとこう。どうやら満タンのようだ。
ペンギンを脇に抱え外に出る。

土地もだいぶ配置が変わったな……。
と言うかどう考えてもあのプールが余計だった。
そういえば魔法装置2個はサトウキビの左隣に配置。
家は中央西側にあるから出て右手だな。
家から出てまっすぐ行くと東の大通りに出れる。
塩と砂糖のチェックなので右手、土地の南側に行く。

どれどれ、進捗どうですか。
お、両方終わってますね。さて、塩の乾燥をどうするか。
自然乾燥が良いとは聞くが……んーむ。
塩の前で考えてたら風、光の精霊がやってきて、塩に何かした。
おお! 塩を見たら乾燥されてた。なにそれすごい。
私と違って精霊は自然その物だから? 力を向ければ自然乾燥を瞬時にできちゃうのかな……。うむうむ。精霊素晴らしいな、いいな。
まあ、命令すれば聞いてくれそうなんだけど、命令する気にはならないし、手伝いたい時にやってもらうぐらいでいいか。
私が塩見て喜んでるうちにまた遊び始めてるし。
塩と砂糖仕舞うかね。

”リインフォースメント”で強化したガラス瓶を4個作って、それぞれ仕舞う。
非常に溶けやすく、サラサラで紅茶やコーヒーによく使われるグラニュー糖。
そして日本で一般的な砂糖である、上白糖。
ほんで、カラメル風味がある上白糖より甘みを感じやすい三温糖。
後は海水から作った海塩。
当然仕舞う時に味見した。文句なし。この世界の食料は非常に美味しい。

さて、サイダー作るか。
”ストレージ”からグラスを出し、”クール”で冷やしてグラニュー糖を入れる。
そしてペンギンの口を……。

「ふっ、くっ……ふふふ」

だ、ダメだ。これは笑う。

ペンギンの口開けた瞬間のプシュッって言う音は良い。炭酸だから当たり前だ。
でもその直後に口から煙がモワァって出てくるのはずるい。
ロボットかなんかか。

ちょっと笑った後、首を掴んでコップに注ぐ。
うんうん、ちゃんと泡出てるし、冷たい。
いいんじゃないの? やっぱ炭酸はこうじゃないと。
クチバシ型の注ぎ口がこう、なんか悪くない。

では、いただきます。

うん、美味しいな。しっかり冷えてるし、炭酸と甘さも十分。
魔道具と魔法装置を作った甲斐があった。そのうち果実も使おうかな。

炭酸水は無限生成されるから良いとして、海水もほぼ無限だろう。
問題はサトウキビだな。こいつの成長速度がどんなもんか。
とりあえず、持って帰ってきたサトウキビを刈り取って放り込んでおこう。
海水も放り込んでおこうか。

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