2度目の人生を、楽しく生きる
63話 「浸入準備」
剣魔学園の近くに馬車を止めてもらい、剣魔学園には入らずにそのまま街に歩き出す。
今は5時30分、まだ夕飯まで時間がある。
まぁ、最悪夕飯は夜の8時までに行けば食べれる。
その時は1人虚しく食べる事になるがな。
だが、そんな事は言ってられない。
今日はレガープ家に浸入する日、貴族の家に浸入するのに、変装しないわけにはいかない。
だから俺は今変装する為の服を買いに来ていた。
幸い、金はあるしな。
ハーネスは金貨100枚を俺にくれた、もうこれは俺の金、どう使おうが俺の勝手だ。
金貨100枚をそのままサラに渡そうとも思ったが、それじゃあ根本的な解決にはならない。 ハーネスがいい思いをするだけだ。
ハーネスに貰った金で、ハーネスを痛い目にあわせてやろう……
「問題は、どんな服を買うかだ」
顔を隠すのは必須として、どんな格好にするか…
やっぱり無難に黒のコートか? 悩むなぁ…
悩みながら王都の商店街を歩いていると、この世界にはあり得ないものが目に入った。
「な、なんで…この服がここに…?」
それは、赤い服だった。 上下セットの赤い服。 そして、所々に白が入っている。
……そう。 サンタクロースの服だった。
なぜサンタクロースの服がここに?
「すみません。 これはなんですか?」
俺は気になり、店員に聞いてみた。
店員は優しそうなおじさんで、この服について説明を始めた。
「これかい? これはね、ある人が設計した服なんだよ。 えっと…服の名前は確か……」
「…サンタクロース…ですか?」
「そうそう! サンタクロースだ! なんでも、聖夜に希望をプレゼントしてくれる存在だとかなんだとか。 聖夜って何のことか分からないがね」
「へぇ…」
そいつ日本人だろ絶対。
サンタクロースねぇ……クリスマス。 俺にはいい思い出がない。
クリスマスもいつもと変わらず勉強をしていたからパーティーなんてやった事はない。
引きこもってからはずっとパソコンでゲームばかりしてたから、パーティーなんてやった事はない。
サンタクロース、聖夜に希望をプレゼントする存在。
世間ではそれが当たり前に思われている事だ。
だが、俺が昔やっていたネットゲームで、ある人がサンタクロースをこう呼んでいた。
『クリスマスねぇ…毎年独り身の俺にとっちゃクリスマスは地獄だよ地獄。 
サンタはアレだ、クリスマスに絶望をプレゼントしにくる。
言ってしまえば、悪魔サタンクロスだ』
確かにクリスマスはカップルや家族で過ごすことが多いらしい。 だが勿論例外もいる。
「すみませんおじさん。 これ、値段いくらですか?」
よし決めた。 これにしよう。
悪魔サタンクロス。 ハーネスに絶望をプレゼントしに行こう。
「え、買うのかい? ちょうど子供用のサイズあるけど…」
「はい、下さい」
「値段だけど、高いよ? 銀貨2枚。 お金あるかい…?」
銀貨2枚。 子供にした高いんだろう。 物価はよく分からんがな。
「じゃあこれで」
俺は巾着袋から金貨を1枚出し、おじさんに渡した。
「え…金貨…? え、金貨⁉︎ えぇ⁉︎ 金貨⁉︎」
おじさんが面白いくらい驚いている。
それだけで金貨がどれだけ大金なのかが分かる。
それを100枚持って来いとか、やっぱり無茶だろ。
「えっと金貨1枚を銀貨に変えると……」
「銀貨100枚、そしてサンタクロースの服は銀貨2枚だから、銀貨98枚ですよ」
昨日ハーネスが言ってたな。 覚えててよかった。
「あ、あぁそうだね…! ありがとう、ちょっと待っててね!」
おじさんは急いで引き出しの方に行った。
この世界にはレジはない、だから店員は暗算で計算するしかないのだ。
大変だなぁ…
「はい! 銀貨98枚だよ」
「ありがとうございます」
銀貨が入った袋とサンタクロースの服をもらい、店を出た。
よし、服は買った。 あとは顔を隠すものだ。
俺は服屋の前にあった、アクセサリーショップに入った。
「顔を隠すものは……何だこれ」
俺が手に取ったもの、それは、ハーフマスクと呼ばれる仮面だった。
それは口を隠すタイプのもので、黒い色の骸骨型の仮面だった。
サンタクロースに骸骨仮面……うん。 恐怖を与えるにはうってつけだ。
俺は店員を呼び、骸骨仮面を購入した。
購入した際に
「こちらはサービスです」
と言われて十字架のネックレスを貰った。
流石はアクセサリーショップ、サービスもオシャレだ。
ちなみに骸骨仮面は銀貨3枚だった。
どうやらいい素材を使っているらしい。
「服に仮面に十字架……これで十分か」
俺は買った物を確認し、剣魔学園に戻った。
よく考えると謎だよな。 浸入するのに赤い服って……
まぁ…何とかなるだろ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「あっ、ルージュやっと来た!」
俺が食堂に行った時はもう7時だったが、なんとセレナ達4人がいた。
しかも何も食べずにただ座っていた。
「先に食べててよかったのに…」
「仕方ないじゃない。 セレナが待とう待とうってうるさかったんだから」
「ははは…ねぇルージュ、なにしてたの?」
「ん? 服を買いに行ってたんだ。 あとは犯人探し」
食堂には俺たち以外誰も居ない。 だからこんな話をしても大丈夫だ。
「ねぇルージュ…頑張りすぎじゃない?」
「そんな事ないよ。 明日にはきっと終わるから」
そう言うと、皆が驚いた。
「え、ルージュさん、まさか犯人を見つけたんですか⁉︎」
「3年前、警察が大捜査をしても解決しなかったんだぞ⁉︎」
アリスとクリスが1番驚いている。
この2人は3年前の事件を知ってるらしいし、当たり前か。
「あぁ、案外すぐに見つかった。 後は問い詰めるだけだ」
もうやる事は1つ。 
今夜、ハーネスの部屋に忍び込み、ハーネスを脅す。
流石に貴族に喧嘩を売ったりはしない。 あくまで平和的に解決したい。
ハーネスが貴族じゃなければ、問答無用で痛めつけたいがな。
「だからもう解決したような物だよ。 全部終わったら、皆にもちゃんと説明するから」
その時に、ちゃんと嘘をついたことを謝らないとな。
今は5時30分、まだ夕飯まで時間がある。
まぁ、最悪夕飯は夜の8時までに行けば食べれる。
その時は1人虚しく食べる事になるがな。
だが、そんな事は言ってられない。
今日はレガープ家に浸入する日、貴族の家に浸入するのに、変装しないわけにはいかない。
だから俺は今変装する為の服を買いに来ていた。
幸い、金はあるしな。
ハーネスは金貨100枚を俺にくれた、もうこれは俺の金、どう使おうが俺の勝手だ。
金貨100枚をそのままサラに渡そうとも思ったが、それじゃあ根本的な解決にはならない。 ハーネスがいい思いをするだけだ。
ハーネスに貰った金で、ハーネスを痛い目にあわせてやろう……
「問題は、どんな服を買うかだ」
顔を隠すのは必須として、どんな格好にするか…
やっぱり無難に黒のコートか? 悩むなぁ…
悩みながら王都の商店街を歩いていると、この世界にはあり得ないものが目に入った。
「な、なんで…この服がここに…?」
それは、赤い服だった。 上下セットの赤い服。 そして、所々に白が入っている。
……そう。 サンタクロースの服だった。
なぜサンタクロースの服がここに?
「すみません。 これはなんですか?」
俺は気になり、店員に聞いてみた。
店員は優しそうなおじさんで、この服について説明を始めた。
「これかい? これはね、ある人が設計した服なんだよ。 えっと…服の名前は確か……」
「…サンタクロース…ですか?」
「そうそう! サンタクロースだ! なんでも、聖夜に希望をプレゼントしてくれる存在だとかなんだとか。 聖夜って何のことか分からないがね」
「へぇ…」
そいつ日本人だろ絶対。
サンタクロースねぇ……クリスマス。 俺にはいい思い出がない。
クリスマスもいつもと変わらず勉強をしていたからパーティーなんてやった事はない。
引きこもってからはずっとパソコンでゲームばかりしてたから、パーティーなんてやった事はない。
サンタクロース、聖夜に希望をプレゼントする存在。
世間ではそれが当たり前に思われている事だ。
だが、俺が昔やっていたネットゲームで、ある人がサンタクロースをこう呼んでいた。
『クリスマスねぇ…毎年独り身の俺にとっちゃクリスマスは地獄だよ地獄。 
サンタはアレだ、クリスマスに絶望をプレゼントしにくる。
言ってしまえば、悪魔サタンクロスだ』
確かにクリスマスはカップルや家族で過ごすことが多いらしい。 だが勿論例外もいる。
「すみませんおじさん。 これ、値段いくらですか?」
よし決めた。 これにしよう。
悪魔サタンクロス。 ハーネスに絶望をプレゼントしに行こう。
「え、買うのかい? ちょうど子供用のサイズあるけど…」
「はい、下さい」
「値段だけど、高いよ? 銀貨2枚。 お金あるかい…?」
銀貨2枚。 子供にした高いんだろう。 物価はよく分からんがな。
「じゃあこれで」
俺は巾着袋から金貨を1枚出し、おじさんに渡した。
「え…金貨…? え、金貨⁉︎ えぇ⁉︎ 金貨⁉︎」
おじさんが面白いくらい驚いている。
それだけで金貨がどれだけ大金なのかが分かる。
それを100枚持って来いとか、やっぱり無茶だろ。
「えっと金貨1枚を銀貨に変えると……」
「銀貨100枚、そしてサンタクロースの服は銀貨2枚だから、銀貨98枚ですよ」
昨日ハーネスが言ってたな。 覚えててよかった。
「あ、あぁそうだね…! ありがとう、ちょっと待っててね!」
おじさんは急いで引き出しの方に行った。
この世界にはレジはない、だから店員は暗算で計算するしかないのだ。
大変だなぁ…
「はい! 銀貨98枚だよ」
「ありがとうございます」
銀貨が入った袋とサンタクロースの服をもらい、店を出た。
よし、服は買った。 あとは顔を隠すものだ。
俺は服屋の前にあった、アクセサリーショップに入った。
「顔を隠すものは……何だこれ」
俺が手に取ったもの、それは、ハーフマスクと呼ばれる仮面だった。
それは口を隠すタイプのもので、黒い色の骸骨型の仮面だった。
サンタクロースに骸骨仮面……うん。 恐怖を与えるにはうってつけだ。
俺は店員を呼び、骸骨仮面を購入した。
購入した際に
「こちらはサービスです」
と言われて十字架のネックレスを貰った。
流石はアクセサリーショップ、サービスもオシャレだ。
ちなみに骸骨仮面は銀貨3枚だった。
どうやらいい素材を使っているらしい。
「服に仮面に十字架……これで十分か」
俺は買った物を確認し、剣魔学園に戻った。
よく考えると謎だよな。 浸入するのに赤い服って……
まぁ…何とかなるだろ。
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「あっ、ルージュやっと来た!」
俺が食堂に行った時はもう7時だったが、なんとセレナ達4人がいた。
しかも何も食べずにただ座っていた。
「先に食べててよかったのに…」
「仕方ないじゃない。 セレナが待とう待とうってうるさかったんだから」
「ははは…ねぇルージュ、なにしてたの?」
「ん? 服を買いに行ってたんだ。 あとは犯人探し」
食堂には俺たち以外誰も居ない。 だからこんな話をしても大丈夫だ。
「ねぇルージュ…頑張りすぎじゃない?」
「そんな事ないよ。 明日にはきっと終わるから」
そう言うと、皆が驚いた。
「え、ルージュさん、まさか犯人を見つけたんですか⁉︎」
「3年前、警察が大捜査をしても解決しなかったんだぞ⁉︎」
アリスとクリスが1番驚いている。
この2人は3年前の事件を知ってるらしいし、当たり前か。
「あぁ、案外すぐに見つかった。 後は問い詰めるだけだ」
もうやる事は1つ。 
今夜、ハーネスの部屋に忍び込み、ハーネスを脅す。
流石に貴族に喧嘩を売ったりはしない。 あくまで平和的に解決したい。
ハーネスが貴族じゃなければ、問答無用で痛めつけたいがな。
「だからもう解決したような物だよ。 全部終わったら、皆にもちゃんと説明するから」
その時に、ちゃんと嘘をついたことを謝らないとな。
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