2度目の人生を、楽しく生きる

皐月 遊

37話 「クラス発表」


「待て待て待て‼︎ どこ行く気だよ!」

「知らないわよ、とにかく私は別行動するから」 

セレナが居ないと分かった途端、フィリアは毛布屋を出て行った。

俺は慌ててフィリアを引き止めに行き、今に至る。

「暇なんだろ? だったらセレナを探しに行こうぜ?」

「それこそ別々に行動して探した方がいいんじゃないの?」

「うぐ…ま、まぁそうだけど…」

「何よ」

「いや…この学園広いだろ? 俺1人だと絶対迷うからさ…」

実際このままフィリアに置いていかれたら、セレナ達と合流出来ない自信がある。

地図など勿論持ってないので、迷ったら終わりだ。

「もし迷ったら誰かに聞けばいいじゃない」

「知らない人と話せるわけないだろ‼︎」

なんだかんだこの世界で友達は出来たが、俺の人に対する恐怖心が消えた訳ではない。

たまたま俺が会った人達が優しい人ばかりだっただけだ。

もし知らない人と話して拒絶されたら絶対凹むしな。 うん、極力知らない人とは話さないようにしよう。

「そんな怒鳴られても知らないわよ…」

「なぁ頼むよ、俺知らない人とは話さないって今決めたんだよ」

「……はぁ…分かったわよ、あなたがいないとセレナが心配するだろうしね」

フィリアが渋々だがOKしてくれた。

いやーなんだかんだ言ってもフィリアは優しいな。

「で? 結局どこを探すのよ」

「そうだなぁ…もうこのエリアには居ないだろうから……」

「今はもう7時だから、集合の時間まであと1時間よ」

「あぁ、セレナやアリス達が集合の時間を忘れるのは絶対にないから、花畑にいるんじゃないか?」

「なんでそう思うの?」

なんでって聞かれてもな……

「勘だな、花畑は校舎からも近かったしベンチもあった、雑談するならそこかなーと思ってさ」

俺がそう言うとフィリアが驚いた顔をした。

そして次に俺を睨んできた。

「それが分かってるなら1人で行けばいいじゃないの」

「まぁまぁ…あと1時間しかないんだから一緒に行動しようぜ?」

これからは学園生活を共にする仲だ。

仲良くなって損はないだろう。

「……はぁ…分かったわよ。 ただ、あまり話しかけないで」

「分かってるよ」

相変わらず俺と話すのは嫌みたいだが、初対面の昨日よりは大分マシになったほうだろう。

フィリアが歩き出したため、俺もフィリアを追って花畑に向かった。



花畑に行った結果……

「あ、あれ? ルージュ達…もう私を見つけたの⁉︎ 」

セレナは居た。 アリスとクリスと3人でベンチに座って呑気に話して居た。

俺が無言でセレナ達の前に行くと、3人共本当に驚いていた。

「よぉセレナ、なんで俺達を置いていったんだ?」

「え、えっとね……後で話そうと思ったんだけどな…」

セレナが言いづらそうにゴニョゴニョと喋る。

何をそんなに言いづらそうにする必要があるのだろうか。

「えっと、ルージュとフィリアってあまり話さないでしょ?」

セレナが俺とフィリアを見ながら言う。

別に話したくないわけじゃないんだけどな、一方的に避けられてるだけで。

「でもこれから一緒に頑張っていくんだからさ、仲良くなってもらおうと思ったの」

「それで2人きりにしたのか?」

「うん、さっきたまたまアリス達に会ってさ、丁度いい! と思ったから」

俺達を思ってくれたのは凄く嬉しい。 嬉しいが……それは別に今日じゃなくても良かったんじゃないか…?

アリス達は黙ってるし……そう言えばアリス達はフィリアと初対面なんだよな。

「それで、仲良くなれた?」

「えっ…」

ここでその質問かよ。

この短時間で仲良くなれるはずないだろ、でも折角セレナが2人にしてくれたんだしな……

ここは嘘をついてでも……

「仲良くなれるわけないでしょ」

フィリアが言ってしまった。 しかも真顔で。

「おい! 折角セレナが2人にしてくれたんだぞ⁉︎ ここは嘘でも『はい』って言うべきだろ!」

「な、何よ。 仲良くないんだから当たり前じゃない」

「空気を読めよ!」

「知らないわよ! そういうの私苦手なのよ!」

何故か言い合いになってしまった。

セレナの方を見ると、アリスと何かを話していた。

「昨日よりは仲良くなったみたいだし、良かった!」

セレナはアリスと話すのを止めると、俺達を見て突然そう言ってきた。

今のどこが仲良く見えたのだろう。

「あー…楽しく話している所悪いが」

クリスが片手を上げて言った。

皆クリスの方を向き、クリスは時計を見ながら…

「もう集合の30分前だし、そろそろ行かないか?」

驚き時計を見ると、確かに30分前だった。

「は、早く行こうぜ!」

俺がそう言って走り出すと、4人も走ってついてきた。

確かクラスが張り出されるはずだ、皆離れなければいいが…

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「ついた! 」

校舎内に入り、俺達は今クラスが書いてある紙の前にいる。

紙は校舎に入ってすぐの場所にあった。

「皆一緒になるといいですね!」

「そうだね!」

アリスとセレナが仲良く話しながら紙をジッと見る。

ルージュ…ルージュ……ル、ル、ル……

一組には…無いな。

次は二組か…………あっ

「あ、あった! 二組だ」

「あ、私も二組!」

「私も二組です!」

「僕も二組だ」

マジかよ、4人とも二組か!

あとは……

皆がフィリアをジッと見る。

フィリアはため息をつき…

「はぁ…私も二組よ」

俺達5人は、同じクラスになったらしい。

なんだこの偶然は。

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