天才少年、異世界へ

mizuki

第10話

3人は、数分間歩くと、建物に着いた。

「近くで見ると、よりでけえな」
「本当だねー」
「お城みたいです〜」

そんなことを言いながら、建物の中に入っていく。
すると突然、前方から殺気を感じた。3人は即座に反応して、乃愛とシャルは大きく横に飛んで避け、弘一郎はさっきの方向に『飛拳』を飛ばした。

「グハッ⁉︎」

そんな音が聞こえて、気配がなくなったので3人は警戒しつつ近寄って行った。そして、倒れているのを確認して、息を抜いた。

のは、2人だけで弘一郎はもう一つの気配を察知し、その方向に殺気を飛ばした。

「まいったまいった。勘弁してくれ」

そう言って1人の男が出てきた。

「あんたは誰だ?」

それは、男が死を幻視するほどに恐ろしい声だった。
男は冷や汗をたらしながら言う。

「俺は今回の試験官だ。あくまでこの学園で学ぶのは実践。あの程度の奇襲、対応は無理でも反応ぐらいしてもらわないと困るからな」
「なら、俺たちは合格でいいのか?」
「ああ、あんたらは俺よりも強いからな。どうしてこの学園に来たんだ?」
「カナとかいう奴に誘われたんだ」
「学園長が⁉︎……なるほどな。強え訳だ」

男は急に納得しだした。
これは学園長を知る者なら誰しもが知っていることであった。
『学園長は自らより強い者にしか興味を抱かない』
 そしてこれは事実だった。
このことを弘一郎に言うと、

「なるほど。あの女はあの一瞬でそれがわかったのか。実力は確かなようだな」
「でも、あの人は私より強いよ?」
「私も多分勝てないです」

これに関しては、試験官が答えた。

「あの人は、強い人の身近な人には甘いんだよ。そいつらもいずれ強くなるからな」

そんなこんなで思っよりも簡単に試験に合格した弘一郎達は、武器屋へと足を進めた。


ちなみに、今年は受験者3000人、たどり着いたのが620人、合格者が250人だったそうだ。

「天才少年、異世界へ」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く