異世界の村で始める獣人とのハーレム生活
第33話たった二人の生き残り
あれから二日後、俺は一人でカグヤの元を訪ねていた。理由は勿論、この前聞けなかった話の続きと、ルチリアの事を聞く為だった。
「何じゃカエデ、自分よりルチリアの方を心配しておるのか?」
「別にそうじゃないですけど、なんというか少し気になってしまって」
「なるほどのう。お主も中々面白くなったのう」
「面白いって何がですか!」
先程からやたらとカグヤにからかわれるので、話を強引に戻す。わざわざからかわれに来たのではない。
「ルチリアの事はまた後々に話す。それよりも妾にはお主に伝えなければならなぬ事が沢山ある」
「そんなに秘密を抱えているんですか俺は」
「お主もまだあの頃は幼かったからのう。覚えておらぬ事は分かっっておったし、お主にあの事がつたわっておらぬことも承知しておった」
「あの事?」
「よいかカエデ。妾がお主をこの世界に呼んだのは、人と獣人の和平を結ぶ仕事をしてもらいたいのと、もう一つお主には自分のルーツを知ってもらうというのもある」
「俺のルーツ……。もしかしてあの海底都市で聞いた声と何かの関係があるんですね」
「海底都市とは、もしやお主」
俺はルチリア達と行った海底都市の話、そこで俺だけが聞いた声の話、そして先日の調べ物で辿り着いた海底都市の正体を話した。
「まさかルチリア、あそこの存在に気づいておったとは」
「話を聞くと、結構前からその存在は知っていたみたいですよ。何度か調査もしていたって」
「そうであったか。やはり… …」
「やはり何ですか?」
「いや、何でもない。でもその海底都市がある事件を起こしたって事は聞いておるよな」
「詳しくは知らないんですが、魔物か何かがあそこで発生してたとか」
「おおまかな形はそうじゃ。なら、お主は本当は気づいておるのではないか」
「気づいている?」
先日までの調査のおかげで、自分の親が獣王妃と呼ばれているもう一つの理由までは分かっていた。そして例の事件、その二つから考えられる事としたら……。
「そういえばその事件で、都市って滅びたんですよね。現在住んでいる獣人がいない事から考えると」
「その事件で獣人達は滅亡とまではいかなかった。しかしそこで生き残れた人物もわずか二人しかおらぬ」
「わずか二人?」
ルチリアは昔から俺と知り合いと言っていた。ならば、可能性が一つある。そこから考えられる事、それは……。
「まさかルチリアともしかして……」
「そうじゃ。彼女とお主はは例の事件のたった二人の生き残りと言われておる」
「で、でもルチリアには父親がいるはずでは」
「残念ながらあくまでそれは義理の父親じゃ。彼女は都合よくその事件の記憶だけ全て忘れておる。じゃからその父親も、本当の父親ではない事も気づいておらぬ」
「そんな……」
何て寂しい事なんだと言おうとしたその瞬間、俺はある事にも気づいた。
(たった二人?)
ルチリアの事を悲観的に言っているが、それはもしかして……。
「カグヤさん、一つ聞きたいんだけど」
「気づきおったか」
「その事件で俺の両親は、母さんがいなにのは分かっているけど、父さんはどうなったんだ?」
◼︎◻︎◼︎◻︎◼︎◻︎
 夕刻に俺はポカルミ村へと帰ってきたが、そのまま自分の部屋に入ってしまった。
(こんな事、いつかもあったな……)
自分が獣人の血を引いている可能性があると聞いた時だっけ。あの時もかなりショックを受けていたけど、今はそれ以上にショックが大きい。
『お主が考えた通り、お主の両親もこの世には存在しておらぬ。ルチリアがそうであるように、カエデ、お主も同じなのじゃ』
この世界に来てから、受け入れられない現実ばかりを知らされていて、全くいい事がない。こんな嫌な思いをするなら、クリスマスにあんな事を願わなければよかったと後悔してしまう。
「カエデ君、夕飯の時間だよ」
ルチリアの声が聞こえる。さっきの話の事はルチリアには 黙っていて欲しいと言われたkが、何も知らない彼女を見ると心が痛む。
「カエデ君、寝ているの?」
「いや、起きているよ」
「よかった。なら、早く行こう」
「ああ、今行く」
寝ていた体を起こし、扉を開け。る。そこにはいつもと変わらないが待っていた。
「ルチリア」
「どうしたの?」
その姿を見て、いっそ話してしまいたい衝動に駆られてしまう、
「あ、いや、何でもない」
だがそこは何とか押し止まる事に成功。
「待ってカエデ君」
「どうした? 夕飯食べに行かないのか?」
「行くけど、その前にカエデ君に聞きたい事があるの」
「聞きたい事?」
嫌な予感がした。今日彼女にカグヤに会いに行くとは伝えていたので、もしかしたらその事を聞かれるのではないかと覚悟していた。
「カエデ君、今日カグヤさんに会いに行ったんだよね。そこで何をきいてきたの?」
「別に大した事は聞いてないよ。ただ、この前途中までしか聞けなかった話を聞きに行っただけ」
「本当に?」
「ああ」
嘘ではあるけど、ここは仕方がないと我慢するしかなかった。いつかは……いつかはきっと話す時がくると思うから、せめてその時までは我慢してほしい。
「それならいいんだけど、隠し事をしていたら許さないからね」
「ああ。勿論」
ごめん、ルチリア。
「何じゃカエデ、自分よりルチリアの方を心配しておるのか?」
「別にそうじゃないですけど、なんというか少し気になってしまって」
「なるほどのう。お主も中々面白くなったのう」
「面白いって何がですか!」
先程からやたらとカグヤにからかわれるので、話を強引に戻す。わざわざからかわれに来たのではない。
「ルチリアの事はまた後々に話す。それよりも妾にはお主に伝えなければならなぬ事が沢山ある」
「そんなに秘密を抱えているんですか俺は」
「お主もまだあの頃は幼かったからのう。覚えておらぬ事は分かっっておったし、お主にあの事がつたわっておらぬことも承知しておった」
「あの事?」
「よいかカエデ。妾がお主をこの世界に呼んだのは、人と獣人の和平を結ぶ仕事をしてもらいたいのと、もう一つお主には自分のルーツを知ってもらうというのもある」
「俺のルーツ……。もしかしてあの海底都市で聞いた声と何かの関係があるんですね」
「海底都市とは、もしやお主」
俺はルチリア達と行った海底都市の話、そこで俺だけが聞いた声の話、そして先日の調べ物で辿り着いた海底都市の正体を話した。
「まさかルチリア、あそこの存在に気づいておったとは」
「話を聞くと、結構前からその存在は知っていたみたいですよ。何度か調査もしていたって」
「そうであったか。やはり… …」
「やはり何ですか?」
「いや、何でもない。でもその海底都市がある事件を起こしたって事は聞いておるよな」
「詳しくは知らないんですが、魔物か何かがあそこで発生してたとか」
「おおまかな形はそうじゃ。なら、お主は本当は気づいておるのではないか」
「気づいている?」
先日までの調査のおかげで、自分の親が獣王妃と呼ばれているもう一つの理由までは分かっていた。そして例の事件、その二つから考えられる事としたら……。
「そういえばその事件で、都市って滅びたんですよね。現在住んでいる獣人がいない事から考えると」
「その事件で獣人達は滅亡とまではいかなかった。しかしそこで生き残れた人物もわずか二人しかおらぬ」
「わずか二人?」
ルチリアは昔から俺と知り合いと言っていた。ならば、可能性が一つある。そこから考えられる事、それは……。
「まさかルチリアともしかして……」
「そうじゃ。彼女とお主はは例の事件のたった二人の生き残りと言われておる」
「で、でもルチリアには父親がいるはずでは」
「残念ながらあくまでそれは義理の父親じゃ。彼女は都合よくその事件の記憶だけ全て忘れておる。じゃからその父親も、本当の父親ではない事も気づいておらぬ」
「そんな……」
何て寂しい事なんだと言おうとしたその瞬間、俺はある事にも気づいた。
(たった二人?)
ルチリアの事を悲観的に言っているが、それはもしかして……。
「カグヤさん、一つ聞きたいんだけど」
「気づきおったか」
「その事件で俺の両親は、母さんがいなにのは分かっているけど、父さんはどうなったんだ?」
◼︎◻︎◼︎◻︎◼︎◻︎
 夕刻に俺はポカルミ村へと帰ってきたが、そのまま自分の部屋に入ってしまった。
(こんな事、いつかもあったな……)
自分が獣人の血を引いている可能性があると聞いた時だっけ。あの時もかなりショックを受けていたけど、今はそれ以上にショックが大きい。
『お主が考えた通り、お主の両親もこの世には存在しておらぬ。ルチリアがそうであるように、カエデ、お主も同じなのじゃ』
この世界に来てから、受け入れられない現実ばかりを知らされていて、全くいい事がない。こんな嫌な思いをするなら、クリスマスにあんな事を願わなければよかったと後悔してしまう。
「カエデ君、夕飯の時間だよ」
ルチリアの声が聞こえる。さっきの話の事はルチリアには 黙っていて欲しいと言われたkが、何も知らない彼女を見ると心が痛む。
「カエデ君、寝ているの?」
「いや、起きているよ」
「よかった。なら、早く行こう」
「ああ、今行く」
寝ていた体を起こし、扉を開け。る。そこにはいつもと変わらないが待っていた。
「ルチリア」
「どうしたの?」
その姿を見て、いっそ話してしまいたい衝動に駆られてしまう、
「あ、いや、何でもない」
だがそこは何とか押し止まる事に成功。
「待ってカエデ君」
「どうした? 夕飯食べに行かないのか?」
「行くけど、その前にカエデ君に聞きたい事があるの」
「聞きたい事?」
嫌な予感がした。今日彼女にカグヤに会いに行くとは伝えていたので、もしかしたらその事を聞かれるのではないかと覚悟していた。
「カエデ君、今日カグヤさんに会いに行ったんだよね。そこで何をきいてきたの?」
「別に大した事は聞いてないよ。ただ、この前途中までしか聞けなかった話を聞きに行っただけ」
「本当に?」
「ああ」
嘘ではあるけど、ここは仕方がないと我慢するしかなかった。いつかは……いつかはきっと話す時がくると思うから、せめてその時までは我慢してほしい。
「それならいいんだけど、隠し事をしていたら許さないからね」
「ああ。勿論」
ごめん、ルチリア。
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