二次元美少女と恋をしたいっ!←そんなことさせないですよ?

ハタケシロ

第87話 冴えてる後輩の言い回し方

「で、えーと咲洲?」

「なんでしょうひにゃたしゃま?あとひにゃたしゃま私のことは気軽に希桜と下の名前で呼んでください」

「お、おう分かった。一つ聞きたいんだけどさ」

「はい。なんでしょう?」

「ここに来た理由ってほんとにその、俺に会いに来ただけなのか?」

「もちろんそれだけですけど?」

キョトンとした顔で答える咲洲もとい希桜。

なんだろうなこの気持ちは。
2次元美少女loveな俺でも3次元の美少女に俺に会いに来たと言われたら悪い気はしない。
むしろちょっと嬉しいくらいだ。
全体的に体が小さくて小動物的な感じがするところとかついこの間まで中学生をやっていたせいがあるかもな。
って、こんな気持ちになりたいがために聞いたわけじゃない。

「一応ここの部屋は俺たちの部活で使ってる部屋なんだ。でだ言っちゃなんだけど関係者以外は使っちゃ」

「入ります」

「早っ!て、いつの間に入部届けを!?」

「私がこんなこともあろうかと用意して置きました」

「さすが桃だな。俺よりも部長らしい」

つか咲洲……希桜って行動力ハンパねぇのな。
僕は友達が〇ないのゆきむら並の速さで入部届け書いてるし。

「ひにゃたしゃまって部長だったんですか?」

「なんか懐かしいなおい。まぁ一応部長をやってるよ」

毎回毎回言われるな。
そんなに俺は部長に見えないか?
まぁ、さっきも桃の方が部長ぽいって俺自身言ったけどさ。

「すみませんその、部活動紹介ではそちらの女性が仕切っていたのでてっきりそうなのかと」

「まぁ、普通はそう考えますわね」

「おい」
納得してんじゃねーぞセラフィ。

「じゃあこれはひにゃたしゃまに渡せばよいのですね?」

「あーいや、こういう事務的なことは桃に任せてるんだ。だから桃に渡してくれ」

「肩書きだけの部長だな瀬尾」

「言うな」

俺も最近うすうす気づいてるんだから。
生徒会からの案件はなぜか桃に行っちゃうしな。

「分かりました。えーと」

「篠原桃です。呼び方はなんでも大丈夫ですよ。これからよろしくお願いしますね」

「いえ、その、私はひにゃたしゃまとしか」

「希桜。桃たちは俺の大事な仲間なんだ。だから俺と同様に接してくれ」

「分かりました。ひにゃたしゃまがそう言うのであれば。皆さんよろしくお願いします」

なんだか、ほんとうに僕は友達が〇ないのゆきむらに似てるな。こいつは。
そのうち真の男になるためにはどうすればいいのかとか聞いてきそうだ。

「大事な仲間ですか……嬉しいような悲しいような。よろしくお願いしますね希桜さん」

桃を初めとするほか3人も各々挨拶をした。
なんだかんだで部員が増えた。
俺の予想してた入部とはだいぶ違ってたけど。

「そう言えばひにゃたしゃま」

「ん?」

「どうしてひにゃたしゃまは他の方々を名前で呼んだり苗字で呼んだりしているのですか?」

「え?んーと」

桃に霧咲に柏木にセラフィに……。
あ、ほんとだ名前で呼んだり苗字で呼んだりしてるな。あんま気にはしてなかったんだけど、統一した方がいいのか?

「確かにそうだな」

「統一した方が色々と問題ないと思うのですけど」

「それもそうなのか?どう思う?って言っても桃とセラフィは自分からそう呼べって言ってきたしな。霧咲と柏木はやっぱ名前がいいか?」

「いえ、私は名前を呼んでもらう時はベットの上でお互いに高まってここぞという時に陽向さんに呼んでもらいたいので、このままで大丈夫です。お互いに気持ちが高まって、身も心も一つになった時、陽向さんは私の耳元で初めて名前を……!!キャー!!!」

「何を想像してるかは分からないがやめろ!!」

後輩がいるのに何なんだこいつは!!
恥というのを少しは覚えろ!!

「柏木はどうだ?」

「私は……恥ずかしいからこのまんまで」

「お、おう。分かった」

そういや、一回下の名前で呼んだら殴られそうになったもんな。
あれは照れ隠しだったんだな。
柏木って何気女の子的な可愛いい部分がけっこうあるよな。
女の子的って女の子なんだけど。

「部員はこれで全員なのですか?」

「いや、あとはシルクっていう俺らと同じ学年の奴が居るぞ。あ、ちなみにシルクは男だ」

「ここには居ないようですけど?」

「たまに居ないんだよな。つか、考えてみれば居ない方が多いかも。シルクは俺と違って友達も多いし、多趣味だからな」

なんだかまるでシルクは俺とは正反対のリア充のような気がしてきたぞ。
そうなると、どうしてシルクはこの部に入ったんだろうな。
ん?なんか知らねーけど考えたら寒気が。

「それではひにゃたしゃま」

「ん?」

「子作りしましょう」

……

……

……

ん?
今なんとおっしゃいました?
この後輩は?

俺の聞き間違いじゃ無ければ子作りとかなんとか。
すも〇ももものオープニングの曲じゃないんだからまさかいきなりそんな言葉を言うはずが無いよなぁ。

「聞こえませんでした?子作りしましょうひにゃたしゃま」

どうやら、聞き間違いでもなんでもなくこのプラチナブロンドの後輩は本気で変なことを口走っているみたいだ。

「あれ?おかしいですね。もう1度いいますよ?私とこづ」

「聞こえてるよ!!!!」

何回も言わなくても分かる!
聞き間違いとか言い間違いたと思って反応してなかっただけだっての!!

「え、今なんと言ったんですかききき希桜さささん!!!」

「さささ咲洲さんんん!?」

「……子作り」

「よよよよようた!?」

俺以外の奴らも同様に動揺している。
ちなみにダジャレでもなんでもないからな。

「え?どうしたひにゃたしゃまも皆さんもそんなに驚かれてるんですか?」

「いやだってお前なぁ?今なんて言ったと思ってるだ?」

「子作りですけど?」

悪びれた様子もなく、ただ純粋な瞳でこちらを向いてる希桜。
やだこの子怖い!

「その、えーと、なんだ、その発言が原因だよ」

「子作り発言の何がいけないんですか?好きな人とエッチをしたい。好きな人との間に子供を作りたいと思うのは自然の流れだと思うのですけど」

「とは言ってもだ希桜。ものごとには順番がって……え?好きな人?」

「はい。私はひにゃたしゃまの事が大好きですけど?」

「お、おふ」

なんだろう。
こう素直にど真ん中まっすぐを放られたような言葉を言われたら何とも言えない気持ちになる。

「じゃなきゃ盗撮、盗聴なんてしないですよ」

「いやそれは好きでもやるなよ」

なんだかんだでまともにというか、こう告白的な真っ向から好きだと言われたのは2回目だな。
1回目は去年の夏に桃から。そして、今回。
まぁ、今のは不意打ち的な気もするが。

「なので、子作りしましょう」

「どうしてそうなるんだ」

「だから好きだからに決まってるじゃないですか。こうして美女を集めて部活やってるのはひにゃたしゃまの欲を発散させるためですよね?」

「はい!その通りです!」

「嘘を言うなぁ!霧咲!!」

「この部活はって説明は後にして、いいか?さっきも言ったがものごとには順番が」

「順番ってなんですか?手を繋ぐとかキスとかですか?」

「いや、あの、その」

やばい。アニオタにはキツイキツすぎる!!
そんな純粋な瞳で質問攻めをしないで!!
アニオタのHPはもうゼロよ!

「それにいいですか?ひにゃたしゃま。エッチというのは確かに欲を満たすための行為です。ですけど私がやりたいのは子作りです。子作りは決して変な行為ではありません。なんなら健全な行為です。なぜなら新しい命を授かり、愛の結晶を形として残せるのですから」

「そ、それもそうか……」

たしかに希桜の言う通りかもしれない。
子作りは決して変な行為ではない。
普通の行為だ。
なら、やっても……いや、だめだろ!!

「陽向くん!頑張って!誘惑に負けないでください!」

「そうです陽向さん!私とまずやりましょう!」

「私は手を繋ぐからでいい」

「よよよようた!?」

桃たちから負けないど応援を……いや数人変なことを言ってるやつらがいるな。
つか、セラフィどんだけうろたえてんだよ。

「さぁ!子作りしましょう!ひにゃたしゃま!私はただやりたいだけです!」

「ただやりたいだけじゃねぇかぁ!!」

さっきのまともな理由は何だったんだよ!!

「大丈夫です!ひにゃたしゃま!!私は新品も新品ですし、出来立てホヤホヤのJKです!」

「新品ってなんか懐かしいなおい!」

去年ここにいるやつらから聞いた気がするぞ!

「さっきからなんの話をしてるの!!?お姉ちゃん!!」

振り向くと、そこに居たのは俺が見たくもないものを見せられた、いや、見てしまった子が立っていた。
金髪でツインテールの女の子。
そう、パンツを見てしまった子。

「って、え?お姉ちゃん?」

「ここに入ろうと思ったら聞こえて来たけど何の話をしていたの!?セラフィお姉ちゃん!!」

「セラフィお姉ちゃん!?」

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