ダークエルフさん、俺の家で和まないでください! ~俺はガチャを回しただけなのに~
第六話 まずは鎧を脱ぎましょう
「……まあ、それはいいや。とりあえず話をまとめようか。あなたは魔王で、リアライズ世界で唯一リアライズ出来ないキャラクターだった。理由は単純明快、リアライズマスターが居なかったから。あの世界の設定では万物の神が生きとし生ける物体にリアライズという力を与え、リアライズマスターだけがそれを操ることが出来る。そして、絶対悪として君臨している魔王だけはそれがすることが出来ない。リアライズ出来ないのではなくて、リアライズマスターが居ないだけ……だっけ?」
「ああ、その通りだ。そして、今お前が私のリアライズマスターになったわけだ。感謝するがよい」
「感謝するのはあなたじゃないの? だって私がやりたくなかったらあなたは復活出来ないわけだし」
「……それでいいのか?」
「え?」
魔王の言葉に私は首を傾げる。
「だって考えてみろ。私は良く知らないが、その『すまーとふぉん』とやらでリアライズをすることが出来るのだとすれば、私の復活ができなくさせるためにそれを破壊するはずだ。それはお前だって……嫌な話だろう?」
「スマフォを勝手に破壊するの!? それは許せない!」
だってこれにはいろいろ大切なデータが入っているんだし!
「……まあ、いい。とにかく利害は一致したようだし、改めて自己紹介といこうか」
魔王は溜息を吐いて、私に右手を差し出した。
リアライズ世界にも、挨拶の時の握手って文化あるんだね。知らなかったよ。
……まあ、それはさておき。私のほうから言うのがいいのかな。魔王はなんだか待機しているし。
「これって私からでいいんだよね。私の名前は大槻レナ。よろしくね、魔王」
「……一応私にメイル・アッパカード・リフシエイテルクスという立派な名前があってだな」
「解った。それじゃ、メイルでいいかな? ただ日本人として偽装するにはその鎧は邪魔だよねえ……。ね、それちょっと外せない?」
「うーん、まあ、やろうと思えば……できなくはないが」
そう言ってあっさりと魔王――メイルは鎧を外し始める。
先ずは腕が見えてきた。……なんか魔王と名乗っている割には細い腕だな。あまり筋力は必要としないのかな?
続いて頭。兜を外すと――金色の長い髪が露わになった。
……ちょっと待ってください。聞いてませんよ?
そこにいたのは、魔王のはずだった。
魔王は、りりしい顔立ちだった。
百歩譲って、そこまでは想定内。
でも、そこにいたのは丸っこくて柔らかい肌で、透き通った青い目をしていて、唇はピンク色でほのかに色っぽい。ちょっと肌が赤らめているのは、きっと鎧をずっと被っていたからだと思うのだけれど。いや、それよりも――。
「……どうした?」
メイルは私に問いかける。
私は――見た景色そのままのことを、メイルに質問としてぶつけた。
「メイル……あなた、女の子……だったの?」
「ああ、その通りだ。そして、今お前が私のリアライズマスターになったわけだ。感謝するがよい」
「感謝するのはあなたじゃないの? だって私がやりたくなかったらあなたは復活出来ないわけだし」
「……それでいいのか?」
「え?」
魔王の言葉に私は首を傾げる。
「だって考えてみろ。私は良く知らないが、その『すまーとふぉん』とやらでリアライズをすることが出来るのだとすれば、私の復活ができなくさせるためにそれを破壊するはずだ。それはお前だって……嫌な話だろう?」
「スマフォを勝手に破壊するの!? それは許せない!」
だってこれにはいろいろ大切なデータが入っているんだし!
「……まあ、いい。とにかく利害は一致したようだし、改めて自己紹介といこうか」
魔王は溜息を吐いて、私に右手を差し出した。
リアライズ世界にも、挨拶の時の握手って文化あるんだね。知らなかったよ。
……まあ、それはさておき。私のほうから言うのがいいのかな。魔王はなんだか待機しているし。
「これって私からでいいんだよね。私の名前は大槻レナ。よろしくね、魔王」
「……一応私にメイル・アッパカード・リフシエイテルクスという立派な名前があってだな」
「解った。それじゃ、メイルでいいかな? ただ日本人として偽装するにはその鎧は邪魔だよねえ……。ね、それちょっと外せない?」
「うーん、まあ、やろうと思えば……できなくはないが」
そう言ってあっさりと魔王――メイルは鎧を外し始める。
先ずは腕が見えてきた。……なんか魔王と名乗っている割には細い腕だな。あまり筋力は必要としないのかな?
続いて頭。兜を外すと――金色の長い髪が露わになった。
……ちょっと待ってください。聞いてませんよ?
そこにいたのは、魔王のはずだった。
魔王は、りりしい顔立ちだった。
百歩譲って、そこまでは想定内。
でも、そこにいたのは丸っこくて柔らかい肌で、透き通った青い目をしていて、唇はピンク色でほのかに色っぽい。ちょっと肌が赤らめているのは、きっと鎧をずっと被っていたからだと思うのだけれど。いや、それよりも――。
「……どうした?」
メイルは私に問いかける。
私は――見た景色そのままのことを、メイルに質問としてぶつけた。
「メイル……あなた、女の子……だったの?」
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