ルームメイトが幽霊で、座敷童。
【第三話】 少女とカミサマの集会場所(前編)
「出雲市、出雲市ー、ご乗車ありがとうございまーす。出雲大社へおいでのお客様はこちらでお乗り換えくださーい」
陽気なアナウンスを聞いて俺は出雲市駅のホームに降り立った。
一畑電鉄出雲市駅はこのJR出雲市駅に直結している。時間はのんびりとったからゆっくり行ってこいという副班長の謎の命令により、俺は今電車で出雲大社へと向かっていた。
しかし、この時点で既に六時間半が経過している。ああも新幹線に乗ってればやっぱり疲れるものだ。岡山で新幹線から特急列車に乗り換え……やっとここに到着した次第だ。
「うひゃー。いいところねえ、ここが出雲市なんだ」
「碧さんが来るとは思わなかったよ……」
「というかさっきから僕の方に目線がじろじろくるんだけどさっ」
「そりゃゴスロリ着てたらなあ……そっちの道行ってなくても目を奪うだろうよ……」
どうしてこうなったかと言えば、すべて副班長のせいだ。「どうせなら祐希も行ってきちゃいなよ」って軽く発言しちゃったもんだから、俺は今男一人、幽霊一人、女装男子一人という非常にカオスなメンバーで歩いていることになる。
「こっからまずは川跡駅へ行くみたいだね。……でそっから電車に乗り換えてやっと出雲大社に行けるみたい」
「意外と遠いんだな……」
「出雲大社ってもともとがちょっと山奥にあるもんだからね。それで電車を作ってもそんなすぐそばに作れないんだよ。京都とかは境内のすぐそばに踏切がある神社だってあるよ?」
「……そこで祀られるカミサマに依るってわけか……」
そんなこんなの話をしていたら――
「遅すぎる。瀬谷理斗と愉快な仲間たち」
不意に後ろから声が掛かった。気付けばあたりの喧騒ももう無視できるくらい聞こえなくなっていて、俺らは思わず封霊銃を構えた。
しかし。
『――そんな前座はどうでもいい。行くぞ――神憑きども』
そして――世界が暗転した。
「う、うーん……」
俺が目を覚ますとやけに生暖かい枕が頭の下に置かれていた。良い寝心地だったのかな、まったく痛みを感じない。
さて、ここはどこだろう。と頭をあげようとしたら――
「――起きろ。いつまで寝ているんだ」
いてっ。
拳骨を食らってしまった。
……はて、ここはほんとにどこなんだろう?
陽気なアナウンスを聞いて俺は出雲市駅のホームに降り立った。
一畑電鉄出雲市駅はこのJR出雲市駅に直結している。時間はのんびりとったからゆっくり行ってこいという副班長の謎の命令により、俺は今電車で出雲大社へと向かっていた。
しかし、この時点で既に六時間半が経過している。ああも新幹線に乗ってればやっぱり疲れるものだ。岡山で新幹線から特急列車に乗り換え……やっとここに到着した次第だ。
「うひゃー。いいところねえ、ここが出雲市なんだ」
「碧さんが来るとは思わなかったよ……」
「というかさっきから僕の方に目線がじろじろくるんだけどさっ」
「そりゃゴスロリ着てたらなあ……そっちの道行ってなくても目を奪うだろうよ……」
どうしてこうなったかと言えば、すべて副班長のせいだ。「どうせなら祐希も行ってきちゃいなよ」って軽く発言しちゃったもんだから、俺は今男一人、幽霊一人、女装男子一人という非常にカオスなメンバーで歩いていることになる。
「こっからまずは川跡駅へ行くみたいだね。……でそっから電車に乗り換えてやっと出雲大社に行けるみたい」
「意外と遠いんだな……」
「出雲大社ってもともとがちょっと山奥にあるもんだからね。それで電車を作ってもそんなすぐそばに作れないんだよ。京都とかは境内のすぐそばに踏切がある神社だってあるよ?」
「……そこで祀られるカミサマに依るってわけか……」
そんなこんなの話をしていたら――
「遅すぎる。瀬谷理斗と愉快な仲間たち」
不意に後ろから声が掛かった。気付けばあたりの喧騒ももう無視できるくらい聞こえなくなっていて、俺らは思わず封霊銃を構えた。
しかし。
『――そんな前座はどうでもいい。行くぞ――神憑きども』
そして――世界が暗転した。
「う、うーん……」
俺が目を覚ますとやけに生暖かい枕が頭の下に置かれていた。良い寝心地だったのかな、まったく痛みを感じない。
さて、ここはどこだろう。と頭をあげようとしたら――
「――起きろ。いつまで寝ているんだ」
いてっ。
拳骨を食らってしまった。
……はて、ここはほんとにどこなんだろう?
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